12/16 フクシマ・アクション・プロジェクト市民会議 [2012年12月25日(Tue)]
スタッフの吉田です。
IAEA「原子力安全に関する福島閣僚会議」2日目の12月16日(日)午後、郡山女子大・建学記念講堂にて「フクシマ・アクション・プロジェクト市民会議〜海外からみた原発震災、福島から考える未来」を開催、100名以上が参加しました。 15日にIAEA本会合も傍聴してきた司会の人見やよいさんの「こちらが本当の国際会議です」との言葉とともに開会しました。 最初に、フクシマ・アクション・プロジェクト事務局長の佐々木慶子さんから、プロジェクトを開始した拝啓や活動経緯、15日の要請書提出について報告しました。 >15日要請書提出についてはこちら https://blog.canpan.info/foejapan/archive/117 海外ゲストからのプレゼンテーション含め、登壇者のみなさんの発言要旨をお伝えします。 ●ラインハルト・ウーリヒさん/Global2000(FoEオーストリア) ・ウィーン(IAEAの本部所在地)で、チェルノブイリの子ども医療支援や、オーストリア・EUの原発政策への提言、アクションを行う。 ・IAEAは設立当初から"Atoms for Peace"のスローガンのもとに一貫して原子力の推進・宣伝機関として機能してきた ・福島第一原発事故に関する報告書は、独自の調査もしないまま、日本政府(保安院や経済産業省など)や東京電力からの情報に基づいてまとめられたのみで、規制の役割を全く果たしていない。 ・オーストリアで一度建設された原発が、国民投票での反対多数によって、一度も稼働されないまま廃炉にされた例がある。市民が声をあげることが重要。 ●クリストフ・エランさん/Independent WHO ・IWHOに設立当初から関わる。 ・人々の健康を守ることを第一に優先すべきはずのWHOが、1959年のIAEAとの「協定」に基づいて原子力業界と癒着し、情報の隠蔽や住民たちの健康対策の遅れをもたらしてきた。 ・それに気づいた市民が2007年からIndependent WHO を設立してジュネーブのWHO本部前で毎日、無言の「見張り」を続けている ・2012年11月からはフランスの厚生省前でも毎週金曜日に監視アクションを始めた。各国の厚生省前でもぜひ連帯してやりたい。 ・たとえすぐに変わらなくても、小さな変化を起こすことができる。連帯して継続しなければならない。 ●武藤類子さん/フクシマ・アクション・プロジェクト ・原発事故後の福島の現状、県民健康管理調査、除染の実態について。 ・チェルノブイリ事故後から現在に至るまでの市民の動き、「原発いらない福島の女たち」活動について。 ・IAEAが福島に来る聞き、信じられない思いがした。しかも福島県との共同研究拠点である環境創造センターは、三春町の自宅の近くに設置予定であり。すでに造成工事が始まっている。 ・311前には大量消費社会への私なりの抵抗として、自給自足の暮らしをしていた。カフェを開き、山菜を取ったり自然の恵みに触れる生活。それがすべて失われた。 ●天木直人さん/元駐レバノン特命全権大使 ・原発は国家犯罪である。事故後、原子力は人間性と相容れず、安全であればというのは無意味であると実感した。今日はそれを訴えるために閣僚会合と同時に開かれているこの市民会議に来た。 ・核不拡散とは同時にアメリカの核独占であり、日本が唯一の被爆国として(アメリカに代わって)核廃絶を訴えることが必要、そのために日本の核技術を保持させたい。 ・外務省では一つの政策決定(大権力に有利なもの)を無事に通すことが最優先であり、その理由や背景を勉強すればするほど間違った政策を進めづらくなる。だから勉強しない。 ・そういった政策を根本から変えて行くにはやはり世論を動かすことが必要。 ●オリビエ・フロランさん/欧州緑の党、フランス・ヴォクリューズ県副議長 ・これまで原発問題や遺伝子組み換え問題などで活動してきた。エネルギー問題について意識を広げるために、県議会議員で県内の村や町をまわって座談会などを繰り返し開催してきた。 ・今年3月に一度日本に来て、福島の有機農家などを訪問した。その話をフランス各地でする中で、福島をぜひ訪問したいというフランスの地方議員や欧州議会議員が集まり、今回10人で来日した。 ・今回福島で見聞きしたこともフランスに持ち帰り、また講演会などで伝えていく。 ----------------------------------------- 最後には、東京の「脱原発世界会議2」まとめセッションと中継でつなぎ、佐々木慶子さんから郡山の熱気を伝えました。 加えて、地脇美和さん(西郷村)からの15日のIAEA閣僚会合傍聴報告や、関久雄さん(二本松市)のギター引き語りも交え、冒頭の人見さんの言葉通り充実した国際市民会議となりました。 (吉田 明子) >フクシマ・アクション・プロジェクト http://npfree.jp/fukushima.html >18日東京報告会の資料もご参照ください http://www.foejapan.org/energy/evt/121218.html |