• もっと見る
« こどものための「みやざきの言の葉」講座 | Main | 「効果的で楽しい会議 実践講座 »
<< 2014年03月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
カテゴリアーカイブ
最新記事
ボランティアガイドさん定期研修 7月20日実施[2013年07月24日(Wed)]
西都原ボランティアガイド協議会定期研修

企画展T

『鏡が秘めた力』

 西都原ボランティアガイド協議会(以下、協議会と略します)では、西都原考古博物館の展示にあわせて、ガイド研修を行なっています。これは、ご来館いただいたお客様に正しくガイドを行なうために博物館の展示が変更される度に行っています。
 今回は、7月19日から始まった企画展T「鏡が秘めた力」に伴う研修をおこないました。

DSC06460.JPG


 研修では、館にいらっしゃる専門の学芸員の方から直接に解説をしていただき、正確な知識・情報を得るとともに、解説のポイント等もお話しいただいています。今回も多数のボランティアさんが参加されています。

DSC06471.JPG


 一言で「鏡」といっても、いろんな形、大きさ、文様、材質のものがあります。これは、その一例です。

DSC06278.JPG


 これは、西都原古墳群の13号墳(4世紀後半)から出土した「三角縁神獣鏡」です。これは、後円部中央の礫覆粘土槨(粘土の床に小さな礫石を敷いた上に木棺を置き、その上部も粘土で覆いさらに河原石を積んだ埋葬施設)に、翡翠製勾玉や碧玉管玉、ガラス製小玉、刀子、鉄剣等とともに納められていました。
 これをよく観察すると、鋳型のひびの様子まで鋳出されていることに気付きます。それは1つの鋳型を繰り返し用いて鏡を作る過程で(同方法で作られた鏡を同笵鏡といいます)、ひび割れた鋳型をそのまま再使用した結果だと考えられます。
 この三角縁神獣鏡は、持田古墳群(高鍋町)の三角縁神獣鏡2面と同じく、畿内から各地の有力者へ配布されたものであり、13号墳の被葬者像を物語っています。

DSC06490.JPG


 これは、群馬県高崎市から出土の「狩猟文鏡」(レプリカ)です。
 狩猟文鏡を研究している設楽博巳氏は、春の予祝祭と秋の収穫祭、そして農耕集落にとって重要な儀礼である模擬戦(異なる集落の人々が集まり、どちらが勝つか競うことによってその年の豊作を占う予祝儀礼)が描かれたと考えています。
 すなわち、内区の壺はこれから蒔くため、あるいは収穫した種籾が入り、シカ角の有無は角のある春とそれがない秋を象徴すると解釈しています。外区で万歳をする人物は、審判的な祭司であり、ほかの9人は鳥装の戦士であったと推測しています。ここでいう鳥装とは、長い頭飾り、腰から生える羽のようなもの、足に取り付けた先端に3つの長い指を持つ履物等がそれです。そうであれば、演じられる現実世界を外区に、神の世界あるいは儀礼の核心部分を内区に配したとも言えます。
 鏡の背には、鏡を作った人々の思想や生活が鋳出されているのです。
(※設楽博巳 「弥生時代の農耕儀礼」『季刊考古学』第37号より引用・一部改変)

DSC06495.JPG

DSC06496.JPG


 これは、当時とほぼ同じ組成で青銅(銅と錫の合金)による鏡を作り、現代の技術で鏡面を磨きあげたものです。予想以上の輝きと映る像の美しさに驚きます。
 このモデルとなった「八鈴五獣鏡」(日向市出土)が下の写真です。どんな音が鳴るのか興味がわきますね。

DSC06473.JPG


 ここでご紹介した以外にも、多くの鏡が展示・紹介されています。ぜひご自身の目でご覧になってはいかがでしょうか。

DSC06516.JPG


 また、ミュージアムショップでは今回の企画展に合わせて「鏡」をテーマとしたコーナーも展開しています。こちらも併せてご覧下さい。

1009764_476815802412085_1198306605_n.jpg


9月16日まで開催しています。ご来館お待ちしています。
この記事のURL
https://blog.canpan.info/flat/archive/311
コメントする
コメント
プロフィール

ふらっとさんの画像
リンク集
https://blog.canpan.info/flat/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/flat/index2_0.xml