貧困削減のツールとして、1970年初頭にバングラデシュやインドで始まったマイクロクレジットは、融資にとどまらないマイクロファイナンス(MF)の段階を経て、今や「ファイナンシャル・インクルージョン(Financial Inclusion:金融包摂)」という概念の下で、金融サービスへのアクセスを有していない世界のすべてのひとびとに必要な金融サービスを届けるため取り組みとして理論面でも実践面でも近年めざましい発展を遂げています。
これらの動きをリードするCGAP(貧困層支援協議グループ)を中心に多数の英文刊行物が公開されていますが、日本語で紹介されていないため、この概念の日本社会への浸透は限定的です。そこで、文献紹介や翻訳等の活動を通じて、日本国内各層にファイナンシャル・インクルージョンの重要性を啓発していくため、ファイナンシャル・インクルージョン研究会(通称:FINCL)を、立教大学内に事務局が置かれた社会デザイン学会公認の研究会として、今年度(2015年4月)から立ち上げることといたしました。 当研究会は、ファイナンシャル・インクルージョンやマイクロファイナンスに関わってきた内部の専門家あるいは外部の協力者に厳選された出版物や文献の紹介等を依頼し、編集、監督にあたることで、質の高い成果物を研究会サイトなどから発信し、日本国内におけるファイナンシャル・インクルージョンに関する研究・実践への一層の取り組みを促すきっかけを提供していきたいと考えています。 この活動に関心ある方は、fincl2015@hotmail.comにご連絡願います。成果物は、日本財団が提供する公益事業コミュニティサイトCANPANの「事業成果物欄」に順次掲載していく予定です。 |