本実習は選択科目(定員制)で、受講学生は毎年面接・レポート等により実習への熱意を審査の上、受講が決定されます。
例年は、前期のゼミ(座学)のほか、実習として春の播種、田植、夏休み中の合宿集中実習(3泊4日、農場内全部門と食品加工実習)、秋の稲刈りが行われます。
酪農では搾乳、給餌、清掃、農産(畑作・園芸)では、畑圃場や温室での作業、農業機械ではトラクターやユンボの運転実習、食品加工ではソーセージ、レトルト作りなどがメニューとなります。
本年度の受講生は18名。前期の座学は対面での実施。レポートの報告等、熱心に取り組んでいました。さて、窒素・リン酸・カリ、それぞれが何のために使われるのか、忘れてませんよね?
実習は5月の連休明けの播種からスタート。6月の田植までは順調でした。が、7月以降、コロナ第7波となり、残念ながら今年も宿泊実習は中止。夏季実習は日帰り4日での実施となりました。
実習は少人数かつ三密を避け、マスクも義務化しました。なお写真の一部にマスクを外したものがありますが、これは撮影時のみの一時的措置です(発話禁止の上で撮影)。ご理解をいただければと思います。
さて、食品ビジネス学科と農作業には距離があると思われる方もいるかもしれません。本実習では、生物資源科学部農場内の水田(10a)が本学科に割り当てられています。
5月上旬に自ら種まきをした苗を、播種後3週間後に手植えでの田植え。今年は虫刺されなどがありましたが、自然が相手ですからそれも許容範囲。例年より大きい圃場が割り当てられたともあり、一人当たりの担当範囲が広く、なかなか大変だったと思います。ちなみに教員は、例年は苗の補給係なのですが、数年ぶりに学生と一緒に手植えをしました。みなさん、素足で田んぼに入った感覚を忘れずに。
メインの夏季実習は8月22-25日の4日間。例年と異なり、今年の夏季実習は全員揃っての食品加工実習からスタート。本格的な粗挽きソーセージ、レトルト食品の製造実習を行いました。食品加工実習センターは、大学施設では全国唯一のJAS認定食肉加工施設です。
枝肉を脂肪と肉に切り分けて赤身の肉をミンチにし、ミキサーで調味料等と混ぜ、ケーシングして、タコ糸でソーセージの形により分け、美味しいソーセージに仕上げていきます。あわせて、本学の誇る本格的なレトルト加工機で、豚肉の角煮づくりを行いました。
例年は、自分たちで作ったソーセージや畑作実習で収穫した野菜類を材料としたバーベキュー大会があるのですが(教員もこれが最大の楽しみなのですが)、本年度もコロナ禍で不可に。来年こそは!
園芸では、ポットでの定植、床土づくり等を行いました。ピンセットを使った作業は神経を使います。
畑作では、人参の播種、ナスやゴボウの収穫、管理作業、また、トウガラシについての知見も得ました。本学部開発のヘタが簡単に取れる「しげまるレッド」、名前だけでも覚えましょう。
農業機械では、免許のない学生はトラクターの運転にやや苦労していました。大型トラクターでのプラウやユンボの操作も体験しました。
酪農では、搾乳後から出荷までのシステムを学修し、あわせて給餌や牛舎の掃除や子牛への哺乳などを行いました。また、靴の履き替えや消毒など、徹底した畜舎の衛生管理を実感したことでしょう。
本学の酪農実習では、観光牧場の体験搾乳などと異なり、乳業メーカーに販売物として生乳を出荷しています。このため、何か問題あると乳業メーカーやほかの酪農家にも迷惑をかけるので、文字どおり真剣勝負です。
農場の先生方の的確な指導で次第にキビキビとした作業となり、無事に搾乳作業を終えました。なお、搾乳や掃除の際にふん尿攻撃(被害?)を受けるのは例年通り。これは母牛がリラックスした証拠とも言えるので、それはそれで良い体験です。
10月は稲刈り。台風接近のため、1週間遅れての稲刈りとなりました。自然を相手にする農業では、こうしたことは日常茶飯事。メニューは手刈りとハザ掛け、コンバインの運転、さらには粒数の計測。当日はきれいな秋晴れ。10月ですが、しっかりと暑かったですね。収穫した米は後日学生の胃袋に収まります。
首都圏全体の農学系大学でも、本学のように、キャンパス内で(ココ重要!)田植えや稲刈り、搾乳など【食に関する全ての学び】を体験できる例は希少です。農場とキャンパスが一体となった本学のロケーションのよさは、コロナ禍にあっても十分発揮されました。
座学が中心の食品ビジネス学科において、屋外での日光を浴びての農作業はよい経験となったことでしょう。手を動かし、頭を使ってこそ得られるものがあることを、学生も実感できたのではないでしょうか。
皆さん本当にお疲れ様でした。またお世話になった全ての関係者の方々に、この場を借りて厚く御礼申しあげます。
この記事をご覧の受験生の皆さん、一緒に実習できることを心待ちにしています。なお、令和5年以降の新カリキュラムでは食農教育実習に名称が変更となります。
※キャンパスと実習施設が一体になった、本学部の誇れる農場・食品加工実習センターの概要は以下をご参照ください。
https://www.brs.nihon-u.ac.jp/facilities/(実習担当教員)高橋 巌・小野 洋

※水稲の播種

※田植え頑張ってます!

※泥はお友達

※田植えはスムーズに終了

※恐ろしくよく切れる包丁

※ソーセージは羊腸

※レトルトパックもつくれます

※園芸用床土づくり

※花の定植

※ユンボ操作

※ゴボウ!

※人参の播種は地味

※ナスも収穫

※牛への給餌

※ミルキングパーラーでの搾乳

※子牛はかわいい

※圃場の四隅は手で刈ります。

※コンバインにも乗ります!
posted by 日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科 at 18:00|
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