今回は
【捌き方】の指南です。
生きているくねくねのうなぎを捌いてしまおうという訳です、はい。
そうはいっても、動くうなぎを捌くのには、なかなか一筋縄にはいかず骨が折れます。しかし、そこをあえてチャレンジするところから、新しい感動がうまれてきます。ここはひとつ、思いきって奮起してみませんか?
子どもたちにうなぎの蒲焼きの真実の姿を見せることによって、生き物の「命」を食べるという意味を考えるいい機会となるはずです。お父さんの出番です!!
うなぎは身を開いて骨をとって焼くのが一般的ですが、当初は、うなぎを筒切り(長いうなぎをそのままぶつ切りの状態)にして、串に刺して焼いていたみたいです。その姿が、蒲の穂に似ていたので、蒲焼き(がまやき)から、蒲焼き(かばやき)になったみたいです。
捌くのはちょっと無理という方は、このやり方でもいいかもしれません。
では、本格的にやりたいという方に、ご説明していきましょう。
まず、うなぎを捌くのには、道具が必要です。
ウナギ捌き用の包丁(薄型ナイフやカッターナイフでも良い)、細長いまな板(木の板等で良い)、目打ち(千枚通しやキリでも良い)、軍手(軍手をはめると捌きやすい)を用意してください。
うなぎ捌き用の包丁は、関東、名古屋、関西の3種類あって、形が違います。値段でいうと、高いものだと1万円超です。一番安いのが、小型の名古屋式で4000円ほど出資すれば専門店で手に入ります。
面白いのが、関東と関西では捌き方が全く違います。関東では、背中に包丁を入れる背開きで、関西は腹開きです。名古屋も腹開きで捌くのが一般的です。
関東の背開きの理由が、腹切りは切腹に通じるのであまりよろしくないというのが理由のようです。逆に関西では、腹を割るは、腹を割って話すに通じているので良しということだそうです。
まな板も通常のまな板だと、うなぎの長さが収まりません。なので、ホームセンターなどで60センチほどの板材(細いもので十分)を購入されたほうがいいと思います。
うなぎは、ビックリするほど元気で通常の状態だと、つかむだけでも大変です。そんなうなぎをおとなしくさせる方法があります。うなぎを氷漬けにしてしまうのです。
そうすることによって仮死状態になり、うなぎの動きが鈍くなり扱いやすくなるのです。約20〜40分ほど氷漬けにしておいて下さい。
●目打ちをする 氷から出したウナギはまな板の上に乗せ、千枚通しなどで目の少し後ろあたりに目打ちをします。目打ちとは言うものの、目に打つのはあまり捌きやすくありませんし、何よりこちらをみつめているうなぎの目に串を刺すのは心情的に辛いのでやめたほうがいいです。
●エラのうしろに切れ込みを入れる エラの後ろに背骨の手前まで切れ込みを入れます。背骨まで切断してしまうとウナギの胴と頭が離れやすくなり、後々捌くのが大変になってしまいます。
●腹に刃を入れ、開いていく 切れ込みを入れた部分から腹に沿って少しずつ開いていきます。はじめのうちは一気に開こうと思わないで、何段階かに分けると良いでしょう。
●内臓を取り除く まだ切れていない部分があったら、そこに刃を入れて完全に開きます。続いて、内臓を取り除きます。
●背骨を外す 今度は背骨を外します。背骨のある部分のほんの少し上から、斜めに背骨に沿って刃を入れます。完全に刃が突き抜けたら、少しずつ尾の方に向かって刃を進めていきます。
●背骨を外す 背骨が身と切り離せたら、背骨を外します。
実は、今回の一連の内容は、3年前に「おやじの休日の会」の親子体験講座で開催していてとても好評でした。うなぎを触ったことのないお父さんたちに、うなぎが捌けるのか???
そんな不安をよそに、皆さんとても上手に捌いていました。
何でもやってみないことには解かりません。
子どもが、水槽のうなぎを捕まえて、お父さんに手渡すといった親子の連携で捌いていくのですが、子どもたちが適度にうなぎを弱らせてくれたおかげで、うなぎが割とおとなしくしてくれていて、やりやすかったみたいです。これぞまさしく、絶妙な親子のコンビネーションですね。
【注釈】
私の師匠でもある、うなぎの研究家「うなたろう」さんのサイト、
天然うなぎ釣り!から、許可を得て一部引用及び参考にさせて頂きました。この場を借りて、御礼申し上げます。