笹川科学研究助成(実践研究部門)報告書[2011年04月29日(Fri)]
昨日、奨励賞を受賞した平成22年度笹川科学研究助成(実践研究部門)研究報告書をアップします。
協会へ提出した報告書です。
研究テーマ:犯罪被害者遺族による「命の授業」の学校現場への定着と展開のための諸条件と課題について
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命の授業
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笹川科学研究助成・奨励賞研究発表会へ[2011年04月28日(Thu)]
きょうNPOから市原千代子理事と黒住昭子理事とが東京に出向き、平成22年度笹川科学研究助成・奨励賞の受賞式と研究発表会に参加しました。
午前中は研究部門ごとにグループに分かれ、奨励賞14名の研究発表が各部屋で行われました。
NPOからは市原千代子理事が、実践研究部門で奨励賞を受賞しました。
研究テーマは「犯罪被害者遺族による「命の授業」が学校現場で定着ないし展開するための諸条件と課題について」でした。
自然科学、社会科学を含め多くの大学の若手研究者が助成を受けている催しなので、大変緊張しましたが、無事発表を終え、交流会に参加し、帰路につきました。
実践を着実に積み重ねながら、その実践の現場だからこそ見えてくる課題をきちんと形にできたことの意味は大きかったと思います。
こうした地域の草の根の活動をきちんと評価していただいたことに感謝したいと思います。
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山陽新聞夕刊・一日一題からC[2011年04月27日(Wed)]
地元山陽新聞夕刊の火曜日「一日一題」を4月、5月と担当しています。
昨日26日のコラムは次のようなものでした。
(以下、元原稿から引用)
一日一題 C 偏見と二次被害
福島からの避難者がホテルで宿泊拒否されたり、転校生が学校でいじめにあう事例が報道され、人権侵害防止に関して法務省人権擁護局が緊急声明を出した。江田五月法務大臣も「不安感や思いこみから差別が横行すると大変残念」と述べた。
こうした偏見や差別の事実を聞くと、とても悲しい。
しかし、人間の不安や恐怖に関する心理は、被災者や患者を自分の領域から遠ざけようとし、自分を守るためには他者を容赦なく分離、差別してきたことは、ハンセン病の歴史を含め、過去幾多の悲しい歴史が物語っている。
犯罪被害についても同様だ。誰しも犯罪に巻き込まれたくないし、新聞やテレビの中だけの出来事であってほしいと思っている。見たくなければ新聞をたたみ、テレビのスイツチを切れば、他人事となり自分は安全な場所で安心できる。そして、忘れることができる。
さらに安心を得ようとすると、他人事とするだけでなく、「被害に遭うには何か理由があったのではないか」、「なぜ逃げなかったのか」、「なぜ抵抗しなかったのか」と被害者の落ち度を詮索し、被害に遭った理由づけをし、「自分は違う」と安心しようとする。通り魔事件を例にせずとも、いずれも根拠のない「神話」にすぎない。しかし神話は容易に偏見や差別をうみ、被害者は二重に傷つけられていく。
事件後、被害者が転居し、被害者の家族が離散することは少なくない。事件後、地域で偏見や差別の中を生き抜いていくことは大変なことだ。
犯罪の被害に遭った人たちは、新聞をたたんでも、スイツチを切っても、事件から逃れることはできない。事件「後」の時間は一生つづき、忘れることはできない。
私たちは、何か具体的な支援ができなくても、こうした誤解や偏見を一つずつ身近なところから取り除いていくことは誰にでもできる。関心をもって、理解しようとする一人ひとりの気持ちが、被害者や被災者を孤立させない社会をつくるということを忘れたくない。
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県外からの講演依頼[2011年04月25日(Mon)]
この1週間で、県外から続けて講演依頼がありました。
DV被害者支援に関する支援者向け研修会の講演依頼です。
いずれも今年後半の予定でしたので、代表がお引き受けしました。
DV被害者のための法的支援については、各制度をどう利用するかが意外に知られておらず、一刻を争う場合も少なくなく、命にかかわる問題なので、いつも緊迫した状況下で対応しています。
特に、相談窓口の方にとって、被害者の孤立回避のための支援ができるかどうかは大切なことですが、基本的な制度のしくみや、当事者がぶつかる制度のカベを理解しておくと、円滑な橋渡しができると思います。
少しでもお役に立てるよう、資料の整備も連休中に進めたいと思います。
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新年度の「命の授業」スタートです[2011年04月21日(Thu)]
今年度も、岡山県・岡山県警・岡山県教委とNPOの4者協働事業「心と命の教育活動」がスタートしました。
県内の中学校、高校等にNPOから出向いて、犯罪被害者遺族が行う「命の授業」です。
4月19日(火)は県警の方、NPO伴走メンバー1名とともに、倉敷市立西中学校に市原千代子理事が出向きました。
今回の西中学校も4年前につづき、再度の「命の授業」となりました。
学校に着くと、4年前に出向いた時の校長先生とは別の、新たな校長先生が待ってくださっていました。
今回の「命の授業」は、倉敷署の方が「防犯教室」として西中学校に声かけをしてくださり、それを学校の方で快く快諾され実現したものでした。
話を聞いてくれたのは、生徒1008名と教職員80名余り、そして倉敷署の方と、スクールサポーターの女性職員の方2名の、計1100名弱の方々でした。
今年度初の「命の授業」でしたが、一か月前には東日本大震災が起こり、その余りに甚大な被害の状況に言葉を失ったうえ、原発の問題が拍車をかけ、気持ちが揺れていたり(西中学校は、まだ被災した子どもの受入れはないことを事前に確認しましたが)、また新しい小さな命の誕生に接して、その揺れがさら大きくなっての「命の授業」でした。
子どもたちも先生方も真剣に聴いてくれていたと思いました。
倉敷西中学校の校舎は、昭和10年に建設された木造の建物を丁寧に補修されながら使用されていて、前回お邪魔した時にも感じたのですが、本当に懐かしく、揺れる想いを抱えていた市原さんにとっては、その事にもホッとするものがあったそうです。
こうして、何とか今年度最初の「命の授業」が無事に終わりました。
今年度も多くの方たちに支えられ、また様々な子どもたちとの出会いを楽しみに、「命の授業」に取り組んでいきたいと思います。
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山陽新聞夕刊・一日一題にB[2011年04月20日(Wed)]
地元山陽新聞夕刊の火曜日「一日一題」を4月、5月と担当しています。
昨日19日のコラムは次のようなものでした。
(以下、元原稿から引用)
一日一題 B 手のぬくもりに
「皆さん、手を合わせてみてください」
NPOから中学校、高校に出向いて行う犯罪被害者遺族による「命の授業」。NPOの遺族メンバーは生徒たちにこう語りかける。
そして右手で左手を握りしめ、左手で右手を握りしめてもらう。そこで感じる「手のぬくもり」。
命の教育の大切さが語られて久しい。現場の教師たちも、抽象的な「いのち」について、具体的に何をどう伝えたらいいのか悩んでいる。
メンバーは、手のぬくもりを伝えつつ、子どもを犯罪で亡くした体験を語り、さっきまで温かかった手が冷たく動かなくなる様子を伝え、その手が暴力をふるい人の命を奪ったり、不注意なハンドル操作で人の命を奪うこともあるという事実を伝える。そして最後に、目の前にいる一人ひとりに「あなたは大切な存在だ」という思いを伝えている。
5年間にわたり続けてきた草の根の活動が、警察庁の目にとまり、昨年から各県で事業化された。ただ、語ることのできる遺族は少なく、多くの遺族は声を押し殺し地域でひっそりと暮らしている。気持ちを奮い立たせ、子どもたちに命を伝えることは遺族にとっても負担は大きい。事業化になじまない部分でもある。
しかし、語り続ける遺族の支えは、子どもたちの感想文だ。柔らかく、しなやかな感性に、はっとさせられることも多い。
ある中学生。「手を合わせてくださいと言われたとき、黙祷をするのだと思ったけど違いました。私は少し恥ずかしくなりました。私情を話すことより、私たちに手のぬくもり、生きていることを伝えることを選んでいるのだと感じました。相手を思いやり、誰かを傷つけない、そういう社会にしていこうと改めて思いました。」
いままさに、日本全体が未曾有の喪失と悲嘆に向かい合う時代となった。他者へのしなやかな想像力と、持続する意思に希望をつなぎたい。
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赤磐・瀬戸被害者等支援連絡協議会からの講演依頼[2011年04月19日(Tue)]
きょうNPO事務局あてに、赤磐・瀬戸被害者等支援連絡協議会からの正式の講演依頼が届きました。
赤磐市とは、当初からNPOはご縁があり、「命の授業」を初めて中学校で行ったのが赤磐市で、市議会議員研修にお招きいただいたのも赤磐市でした。
また、じんけん学習講座にも2年続けて講師として参加させていただいています。
今回も、犯罪被害者支援条例制定への動きがあるなかで、市内部の関係各課が参加している連絡会議で、理事長と市原理事が90分時間をいただけたことは大変ありがたいことです。
5月23日に赤磐市役所に出向いて、出席者の方たちと実のある会議を持ちたいと思います。
市町村アンケートにご協力ありがとうございます。[2011年04月18日(Mon)]
先週の火曜日に県内の27市町村にお送りした、犯罪被害者施策推進のためのアンケートについて、今日までに4市2町から回答いただきました。
年度当初で、しかも部署によっては東日本大震災への対応で忙しくされているところもあろうかと思いますが、ご協力いただき、感謝いたします。
今回の施策推進のためのアンケートは、かつてNPOライフリンクが自殺対策に関して全国の自治体調査を数年にわたり実施したことにヒントを得て行っています。
まさに県内の全市町村が犯罪被害者支援条例の制定に向けて動きつつある中で、現状把握をしつつ施策を推進していくための手がかりを得られたらと考えています。
常に述べていることですが、施策推進にあたっては、お金よりも知恵を出し合うことが大切です。
これは多くの遺族の方から指摘されています。
あすは、「NPO版・犯罪被害者白書」のレイアウト打合せを印刷業者の方と行うことになっており、アンケート集計結果もきちんと掲載させていただく予定です。
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ファミリーズ
at 22:23
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