被害者支援(直接支援)の実績統計(1月〜8月)[2009年08月31日(Mon)]
先月から、直接支援(危機介入)の実績について、統計を示すことにしました。
誰のために税金が使われているのかを知ってもらうヒントになるかもしれないという切なる思いからです。
本当に被害者のための支援が行われているのか、ほぼ直接支援に関しては補助金も助成金もなしで活動しているNPOとしては半分憤りを感じつつ、現場の実態を知ってもらいたいからです。
9月4日の県警主宰のおかやま被害者支援ネットワーク総会でも資料配付します。
今年1月から8月までの直接支援(危機介入)の統計です。
先日の理事会で見てもらったところ、やはり「支援弁護士」による支援回数をカウントするのはおかしいという意見をいただきました。弁護士は仕事で引き受けてやっているのだから、という理由です。
たしかに、そうなのです。本来業務の一環で被害者支援を行っていて、費用ももらっていたり、法テラスから支弁されているのならば、それを「裁判支援」などと呼んで、民間支援組織の実績にあげることはやはり疑問なのです。
今回の統計はそもそも支援センターが用いている集計表のあり方や、弁護士を除く「民間支援員による裁判支援」とは一体何なのかという、素朴な疑問について、多くの方に知ってもらいたいために、あえて支援センターと同じ集計表を使ってテストしています。
建設的に批判的意見を述べていくうえで、この実績統計をもうしばらくチェックしていただきたいと思います。
むだな「ヒト」「カネ」「モノ」に振り回されて、肝心の被害当事者を置き去りにしてほしくないからです。
支援「回数」で統計をとる虚しさはあいかわらず感じていますが、ただ何をもって支援実態を形にしていくかは悩ましい課題です。
今回も1事件のみがクリアになってしまうと、プライバシー配慮に欠けること、また加害者からのアクセスも少なからずある点を考慮し、集計のしかたで事件や被害者が特定されないようにしている点はご容赦ください。
講演〜小学校教職員の方たちとともに[2009年08月31日(Mon)]
おかやま適塾でNPO副理事長の高橋幸夫さんが講演をおこなった8月26日、NPO理事の市原千代子さんは、岡山市立宇野小学校に出向き、教職員の方々約45名を対象として講演を行いました。
最近、市原さんに小学校からの講演依頼が増えてきつつあります。
子どもたちへの「命の授業」だけでなく、今回のような教職員研修や保護者会の講師としてです。
今回は、以前に市原さんの話を聴いてくださった方が、9月に小学校のPTAの方を対象に講演をと依頼をいただいたのですが、PTAの方に講演する前に教職員も聴いておきたいという要望から、今回の教職員向けの講演が実現しました。
NPOからも伴走ボランティア1名が同行しました。
ちょうど8月21日の県総合教育センターでの人権教育体験交流研修会で、市原さんのグループにおられた先生からその時の様子を聞かれた、司会担当の先生から、「どういうお話しか、楽しみにお聴きしたいと思います」と事前に言っていただいての講演でした。
講演の内容は、8月21日の体験交流研修会で感じたことなどを踏まえ、市原さんがいつも子どもたちに講演している内容を紹介しつつ、今年度、小中高校に出かける中で感じていることなどを話しました。
特に市原さんが小学校に出向いて感じたことについては、先生方が日々子どもたちとの関わりの中で感じられていることなので、ぐっと自分たちに引き寄せて聴いてくださっている感じがしました。多くの先生の中で、色々な思いが動いていることが感じられ、たぶん新学期になり子どもたちに向き合う中で、その日感じられたことを子どもたちに帰していってくださるのではないかと思いました。
9月末の保護者対象の講演にも繋がる思いを、会場の皆さんとともに共有できたように思います。
ファミリーズ理事会の雰囲気[2009年08月30日(Sun)]
きのう8月29日に、NPO8月理事会を開催しました。
いつも毎月第3土曜日開催ですが、8月はお盆と重なるので、日程をずらしての開催でした。
何だか7月理事会からの時間が長く感じていたのですが、メンバーが集まると元気が戻ってくるのが不思議です。
今回も理事7名出席で、相互支援的な理事会の雰囲気にいつも励まされます。
特に、今回は8月26日のおかやま適塾での高橋幸夫副理事長の講演が、多くのメンバーの協力のもとに、とてもいい形で実現でき、「ファミリーズ」の名前の由来のとおり、「家族のような結びつき」を互いに再確認できたので、いつもに増して和やかな雰囲気でした。
おかやま適塾の講演動画もメンバーでチェックしつつ、和気藹々の雰囲気に包まれていました。
小さなNPOなので、理事会は電話相談室を使って開催しています。
第3土曜日の電話相談が終わった後の時間帯で行うのですが、今回は夕方4時の相談受付時間を超えて電話が長引いていました。受け手が電話相談中は、相談室内は静粛が原則ですから、メンバーそれぞれ1時間静かに待っていました。
相談電話の大切さを皆十分に理解しているので、理事会開始が遅れても、誰もイライラすることもなく、電話をかけてきた方のことを優先しているわけです。
きのう出席の理事7名は被害当事者2名、支援ボランティア5名という構成ですが、「被害者〜支援者」という枠組みを超えて、仲間としてごく自然に活動していくことができることが「ファミリーズ」NPO活動の原動力だとあらためて感じました。
来年度は助成金がほとんどなくなるので活動の予算的裏付けがなく大変心配ではありますが、何とか皆で力をあわせていけば、何とかなりそうな気がするから不思議です。
大切な人を亡くしたあなたへ[2009年08月29日(Sat)]
毎週土曜日午前10時から午後4時まで「身近な人、大切な人を失った方のための電話相談」を行っています。8月29日(土)も受け付けています。
受付は、086−245−7831 です。
一昨年4月から犯罪被害者遺族の方だけでなく、事故、自殺や突然死で身近な人、大切な人を亡くされた方のための電話相談を始め、多くの方から電話をいただいています。すぐに電話できない方も、話したい気持ちになったとき、遠慮なくかけていただければと思います。
一昨年8月から毎月1回(第4土曜日午後)、大切な人・身近な人を亡くした方のため、同じような思いを語ることのできるグループ・ミーティングを開催しています。次回は9月26日(土)に開催いたします。
深い悲しみや亡くなった方への思いなどを遠慮なく話せる場がないことを痛感しています。少しずつ、つながりができていけばと思っています。
分かち合いの場に参加を希望される方、詳しいことを知りたい方は、土曜日の相談電話にお電話ください。
また昨年12月から始まった被害者参加制度の勉強会と犯罪・交通死遺族のための自助グループは毎月第3土曜日(9月は9月19日)に開催しています。お問い合わせは平日に事務局(086−226−7744)川崎弁護士まで。
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高橋幸夫さんの講演動画です[2009年08月29日(Sat)]
2009年8月26日に開催された、第54回おかやま適塾・講演会での、当NPO副理事長の高橋幸夫さんの講演動画が、おかやま適塾のホームページにアップされています。
内閣府がまとめた平成21年度の犯罪被害者白書にも高橋幸夫さんのコラムが掲載されており、講演依頼も全国からありますが、なかなか遠方まで出向くことは困難です。
全国被害者支援ネットワーク加盟の被害者支援センターや各都道府県の警察や行政担当者の方たちに、是非見ていただき、理解を深めていただけたらと思います。
下記ホームページ画面の「第54回」をスクロールして、再生ボタンを押していただければ、ご覧いただけます。
高橋幸夫さんの次の講演日程は、9月12日の岡山・生と死を考える会においてです。
おかやま適塾・講演動画(ホームページから第54回を再生してください)
赤磐市じんけん学習講座で講演[2009年08月28日(Fri)]
きのう8月27日、代表は赤磐市中央公民館に出向き、「赤磐市じんけん学習講座」第4回で講演しました。
テーマは「子どもたちを被害者にも加害者にもしないために〜犯罪被害者の人権を考える」です。
この人権講座は赤磐市が毎年開催しているもので、人権教育指導者養成講座として位置づけられています。
教員の方が多く参加しているとお聴きしましたが、高校生も参加者にはいたそうです。
「二次被害」という言葉の認知度は、市民講座で話すときの一つの指標になるように感じました。
「二次被害」について十分認識されていない方たちに対して、お話をするときは、具体的事例をまじえつつ、二次被害の実態を丁寧に説明する必要を感じました。一般市民の立場で直接支援はできなくても、隣人として「二次被害をひきおこさない」関わり方は一人ひとりが実行できるからです。それが理解者の拡大につながると思います。
二次被害に対する一定の理解がなされている場合は、支援機関や被害者支援の歴史などに触れることもできると思います。
できるだけ、「子どもたち」の視点から、学校や地域で「身近な問題として」理解を深めていくことをお願いしました。
今まさに裁判員裁判が始まろうとしているときだからこそ、犯罪被害者の人権や被害者理解が大切になってくると思います。いかに偏見をとりのぞいていくかが、まさに人権課題なのだと思います。
今回は35名の当初予定が追加で20名分資料が必要ということでした。多くの方に聞いていただき、感謝したいと思います。
岡山県ハートフルネットおかやまホームページから
オンライン寄付(お礼)[2009年08月28日(Fri)]
「オンライン寄付サイトGiveOne」の2008年度の登録団体に選定され、オンライン寄付の受付が始まりました。
ホームページにもアップしていただき、このブログ左欄にもバナー掲示をさせていただいています。
昨夜も、横浜市のK・Tさんから寄付をいただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。
多くの皆様に力を貸していただき、学校・地域に出向く「命の授業」プロジェクトを進めていきたいと思います。
オンライン寄付サイトGiveOne〜2008年度の登録団体選定
「命の授業」プロジェクト
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ファミリーズ
at 18:54
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オンライン寄付
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山陽新聞に掲載されました[2009年08月27日(Thu)]
昨日のおかやま適塾での高橋幸夫さんの講演について、本日8月27日の山陽新聞朝刊に以下のとおり掲載されています。
(以下引用)
妻行方不明・高橋さん講演 おかやま適塾
過熱報道の問題指摘
多彩な視点で地域のあり方を考える「第54回おかやま適塾」が26日、山陽新聞社さん太ホール(岡山市北区柳町)で開かれた。NPO法人おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ副理事長で、2002年に津山市で妻が行方不明になった精神科医の高橋幸夫さん(66)が「報道に奪われた妻〜それだも生きて往かねばならない」と題して講演した。
妻が連れ去られ、県警が事情を聴いた男が自殺、現金を引き出したとされる女が白骨遺体で発見された事件。高橋さんは過熱報道が男の自殺につながったとして、「メディアも妻が帰れなくした犯人。今でも思い出すと、怒りがわき出す。妻をなくした喪失感と、それでも生きねばならない苦しみがある」と癒えない心境を明かした。
NPOでの支援活動については「被害者を生まない安全安心な社会を目指し、被害者として生きる意味をそこに見いだしている」と話した。
(平田知也)
(以上引用)
記者の方たちが多数参加していた講演会でした。平田記者が「妻をなくした喪失感」と書いてくださった心配りを感じました。
週末土曜日のNPO電話相談は「大切な人を亡くした方のための電話相談」として遺族相談を行っています。
しかし、未解決事件の苦しさを昨日高橋さんが語っておられましたが、「失くした」と「亡くした」の狭間の苦しさなのだと感じました。
高橋さんは最後に「妻は今でも生きているのです」と明確に語っておられました。
記者の方が「なくした」と表記してくださったことに通じた心を感じました。
おかやま適塾で高橋幸夫さんの講演がありました[2009年08月26日(Wed)]
きょう8月26日、「おかやま適塾」において、私たちNPO副理事長・高橋幸夫さんの講演がありました。
NPOから10名を超えるボランティアが受付などの協力にあたり、300名定員の会場にも多くの方が来場いただきました。
山陽新聞社さん太ホールでの講演は高橋さんも初めてであり、また市民向けの90分の講演も今回初めてとなりました。
午後6時30分から8時までの講演と休憩をはさんでの質疑と、あっという間の2時間でした。
テーマは、 「報道に奪われた妻」−それでも生きて往かねばならない−
高橋さんから投げ掛けられたテーマは深く重いものでしたが、会場には多くの新聞記者の方たちも個人参加しておられ、市民の皆さんとともに考えるきっかけになったことと思います。
なお、NPOファミリーズでは、犯罪被害者週間の11月29日にも報道被害をテーマにしたシンポジウムを開催予定です。おってご案内していきたいと思います。