命の授業をふりかえって[2008年02月29日(Fri)]
今年度をふりかえり、「命の授業」に取り組んできたNPOメンバーで少年犯罪被害者遺族の市原千代子さんから次のようなメールをいただきました。
明日から3月に入り、いよいよ今年度も終わりとなります。
備前県民局との協働事業として一昨年暮れから動き出した「命の授業」が、今年度からは美作県民局との協働事業も加わることになり、少し広がっていくことになりそうだという程度の予想でいましたら、県警や教育委員会も協働事業に参加をしてくださって、昨年の今頃からすると、予想以上の広がりに私自身戸惑いながら過ごした一年でした。
でも皆様のお力添えにより、この一年で数十ヶ所の場所に講演に出向かせていただくこととなり、小・中・高と大学などの学校だけでも20校余りになりました。
私自身、来年度はどのようになっていくのか昨年以上に予想できない状況なのですけれど、でも息子が犯罪により命を奪われた直後に「子どもたちをこれ以上被害者にも加害者にもしたくない」と思い、「子どもたちのところに命の大切さを語りに行きたい」と願っていたことが実現し、着実にそして大きく動き始めたこの一年は、私にとってはとても意味のある一年でした。
今年度最終月の講演依頼は以下の通りですが、現在いただいている依頼は、次年度以降に繋がっていくのではないかと思えるものばかりで、後もう少し頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
3月04日(火) 長船中学校 1・2年生350名ほどと、保護者・教職員・関係機関職員・学区・地域職員約50名の方対象 (協働事業)
3月06日(木) 高松高等裁判所及び管内地方・家庭裁判所の職員研修にて、職員45名ほどの方対象
3月10日(月) 備中県民局・支局職員、市町職員、NPO、一般の方合わせて100名ほどの方対象
3月12日(水) 少年院・美保学園にて(米子)
3月13日(木) 県の人権・同和教育担当者研修にて、40名ほどの方を対象に
以上となっております。
3月は息子の事件があった月で、今年の命日には丸9年が過ぎ、10年目に入ることとなります。
市原 千代子
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命の授業
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県教委の人権教育指導資料に紹介されました[2008年02月28日(Thu)]
岡山県教育庁人権・同和教育課が作成した「人権教育指導資料X 人権学習ワークシート集(上)」を送っていただきました。
学校で人権教育を行うにあたり、「書く」という活動をとおして人権について考える教材ワークシートです。
いくつか掲げられている人権の一つとして「犯罪被害者の人権」が取り上げられており、参考書籍として岡山県備前県民局とNPOで共同製作の「犯罪被害についてともに考えるための手引き」が取り上げられています。
一部手引きからの引用についても協力させていただいたので、授業などで活用されることを期待します。
レジリエンスとライフリンク[2008年02月27日(Wed)]
2月25日のNHKクローズアップ現代のデートDV特集の反響が大きく、ブログへのアクセスも中島幸子さん関係がここ二日ほど圧倒的でした。
ライフリンクの清水康之さんがディレクターをしていたクローズアップ現代に中島さんが出演したことに不思議な縁を感じます。
そして岡山です。
小さなNPOですが、広く大きな視点から活動していることはライフリンク、レジリエンスともに言えることだと思います。
私たちのサポート・ファミリーズが活動を進めていくうえで、この二つの団体から学んだことはとても大きかったと思います。
当事者による当事者へのメッセージを大切にしていること、ポストベンションからプリベンションへという動き、そして分かち合いの場を大切にし、それをつなぐこと。
ファミリーズの連続講座はレジリエンスの講座を意識して立ち上げました。また、自助グループ立上げのときファミリーズが中継基地の役割をになうことをイメージできたのは、ほぼ同時期に活動を始めていたライフリンクの「つなぐ・支える・NPO」という新聞記事でした。
この3年間で全く異なる地点に立ちながら、シンクロしつつ、一つの水脈にたどりついたように感じます。
思い起こせば、ダギーセンターの方を最初に招いたとき、中島さんが同時通訳で全国をまわり、自死遺族のための分かち合いの場をつないでいくライフリンクとも交流があったのだと思います。
子どもたちのグリーフという点で、ライフリンク、レジリエンス、ファミリーズはほぼ同じ地点に立てたのかなと考えています。
ファミリーズの4年目は目新しい活動はありませんが、地道に地域に根付いていく活動を続けていきたいと思います。
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at 21:28
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代表日記
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関連リンクに注目[2008年02月27日(Wed)]
昨日の美作県民局との打合せの際、アイデアとして出ていた県民局ホームページへのNPO電話相談窓口のバナー掲示を早速してくださいました。
右側の関連リンクの下をご覧ください。
岡山県美作県民局ホームページ
協働事業2年目に向けて打合せ[2008年02月26日(Tue)]
岡山県美作県民局との協働事業「命の大切さを語り継ぐまちづくり」は3月13日の自殺予防対策研修会・命を語り継ぐ講演会の開催で初年度事業を無事終わります。
今日は、津山市で、県民局協働推進室の担当の方たちと来年度の2年目に向けて打合せをしました。
この協働事業は3年計画なので(協働事業としては3年は珍しいそうです)、じっくり腰をすえて取り組むことができます。
打合せで、何より嬉しかったのは、行政の方たちが実績をあげることよりも、地道に地域に浸透していく活動として準備段階からきちんと位置づけてくださっていることです。
きょうも「焦らず、このペースでじっくりと」という確認ができたので、安心しました。
といっても、実績も必要です。
「教育」「警察」「福祉」にまたがる総合施策としての犯罪被害者支援の取組みでありつつ、「いのち」を中心にすえて、自死遺族支援、グリーフワークまで射程に入れて「命の大切さを語り継ぐ」「まちづくり」として、1年目は本当によくがんばれたと思います。
昨年11月2日のシンポジウムの冊子ができたら、協働プログラムを広く知ってもらうためにも全国発信していきたいと考えています。
小さなNPOでも、「つながり」を大切にし、そこから「発信していく」ことで、新たな「つながり」が生まれていきます。
今回、ライフリンクの南部さんに来ていただけることも大切なつながりにしていきたいと思います。
命を語り継ぐ講演会・自殺予防対策研修会[2008年02月25日(Mon)]
岡山県美作県民局のホームページに3月13日の自殺予防対策研修会「命を語り継ぐ講演会」の記事がアップされました。
申込み締切りは3月7日です。ふるってご参加ください。
ライフリンクからは昨年11月の全国キャラバンin岡山に来てくださった南部節子さんがお話をしてくださいます。
岡山県美作県民局ホームページ(3月13日・自殺予防対策研修会・命を語り継ぐ講演会)
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自死遺族支援
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警察学校での講演[2008年02月25日(Mon)]
きょう25日、岡山県警の内部研修で、市原千代子さんが被害者遺族の立場から講演を行いました。
巡査任用科の方々約40名を対象としたものでした。
昨年度は被害者対策専科の方々対象の一度だけでしたが、今年度は次々と依頼をいただき、結局計7回講義をさせていただき、県警が犯罪被害者の問題にきちんと取り組もうとしてくださっていることが伝わってきました。
以前にも触れたように、2005年末に閣議決定された「犯罪被害者等基本計画」において警察庁の取組課題として、「職員等に対する研修の充実等」が二次的被害の防止策として掲げられており、その中に「警察において、採用時及び上位の階級または職に昇任した際に行われる教育、専門的知識を必要とする職務に従事する実務担当者に対する教育・研修、被害者・遺族等を招請して行う講演会、被害者対策室担当者による各警察署に対する巡回教育、被害者支援の体験記の配布等、職員の犯罪被害者等への適切な対応を確実にするための教育・研修等の充実を図り、職員の対応の改善を進める。」とあることを具体化していくために現場から動いているものだと思います。
今年度は、岡山県警の方たちの強力なバックアップがあり、県警との連携も一歩も二歩も前進しています。今後も、NPOとして協力できることは積極的に協力していきたいと思います。
■ジュリスト特集「犯罪被害者の支援をめぐって」■[2008年02月25日(Mon)]
文献紹介です。
法律雑誌ジュリストbP351(2008.3.1)が特集1で「犯罪被害者の支援をめぐって」をとりあげています。
「犯罪被害者等支援施策の新たな展開」
内閣府犯罪被害者等施策推進室長 荒木二郎
「報告書をめぐって〜被害者遺族として望むこと」
(社)被害者支援都民センター理事・事務局長 大久保恵美子
「犯罪被害者等基本計画の重点課題について〜3つの検討会の最終取りまとめ」
同志社大学教授 奥村正雄
「犯罪被害者への精神医療に関する検討会報告の役割と課題」
国立精神・神経センター精神保健研究所 中島聡美
消せない記憶〜いのちの教育フォーラム振返りA[2008年02月24日(Sun)]
2月17日の「いのちの教育フォーラム」にお越しいただいた愛知・緒あしすの青木聰子さん。
一昨年10月に行政・NPO協働事業「犯罪被害者等基本計画・具体化プロジェクト」連続講座の第一回にもご協力いただき、いつも説得力のあるわかりやすいお話に圧倒されます。
今回は、前回はお聴きできなかった少年院や刑務所での講演活動に出向く思いを含めて語っていただきました。
遺族が語る思いがストレートに伝わってきたことは前回ブログで書かせていただいたとおりです。今回もたくさんの気づきをいただきました。事件後を生きるということを知っていただくうえで、6年前の番組ですが、中京テレビの下記番組がとてもわかりやすいと思い、ご紹介します。
中京テレビ・ニュースプラス1(2002.5.24)
いのちの教育フォーラムの振返り@[2008年02月24日(Sun)]
2月17日の「いのちの教育フォーラム」を終えて1週間がたちました。
遺族が語ることは、遺された者として亡くなった者への思いを語り続ける意味がある一方で、常に事件と向き合いつつ事件の記憶にさらされつつ、自らの心身をそぎおとしながらのメッセージという面もあり、語る主体が自らのよって立つ位置をコントロールしつつ維持していくことは並大抵のことではありません。
それでもなお、語ることの意味をそれぞの発表者の方から感じ取ることができました。
友人からでさえ「まだやってんの」という反応しか返ってこないという言葉が印象に残っています。
それでもなお、「事件後をどう生きるか」について自問自答しつつ、活動を続けていく当事者の方たちとともに、何とか伴走をしていけたらと思います。
長野県の前島さんの取組みを紹介するいくつかの記事の中から北海道新聞の一昨年の記事をご紹介します。
当事者が学校で語ることは、「本物」を求めている子どもたちへの真正面からのメッセージといえると思います。
北海道新聞(2006.6.25)
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ファミリーズ
at 16:32
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