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6月の「命の授業」B〜岡山県立大学で[2011年06月20日(Mon)]

6月17日(金)、NPOから市原千代子理事が、岡山県総社市にある岡山県立大学で「命の授業」を行いました。

県警の方たちとともに、またファミリーズから伴走ボランティア1名も同行しました。

今回は県警を通して講演依頼をいただき、岡山県立大学保健福祉学部保健福祉学科1回生の”人権論”の授業の一コマで話をさせていただくことになりました。

大学で”人権”の授業が行われていることに感心すると同時に、そこで犯罪被害者の人権について話をさせていただくことをありがたく思いました。

今回の授業一コマを提供してくださった村社卓(むらこそたかし)准教授の部屋へ案内され、先生と講演前にお話をする時間を持たせてもらいました。

村社先生から学生の様子をお聞きしたり、”人権論”の授業目的や日程・内容などをお聞きしたのですが、先生が提供してくださった資料の「授業目的」には、以下のことが書かれていました。

『人権とは人間がただ人間であるという理由だけで当然にもっている権利である。社会福祉は人権擁護の取り組みとして人類の幸福と平和の実現に多大な貢献をしてきた。本講義では、現代の人権問題を土台として、人権擁護を含む社会福祉における権利擁護について、思想・理念・価値について検討を行う。また、本講義ではエンパワメント実践等を取り上げ、権利擁護の課題に社会福祉専門職としてどのように対応していくのかについての検討も行う』

またこの日の授業は、16講予定されている”人権論”の9講目で、ちょうど前半のまとめが予定されている日だったということがわかりました。

この日話を聴いてくれたのは1回生40名程と、昨年度総社中学校他に出向いた時などに、学校との連絡調整などをしてくださり、講演当日も来てくださっていた総社警察署の方も来てくださっていました(たぶん今回の県立大学への働きかけも、してくださったのではないかと思います)。

今回は”人権論”の一コマとして依頼をいただいていたので、話の最初に「今日は被害者の人権に踏み込んで話したいと思っています」と伝えて話し始めました。

前半は通常の「命の授業」で話す内容を聴いてもらったのですが、事件が起こってから、どのように被害者の人権が奪われていくのかを、報道被害や二次被害に触れつつ話をさせてもらい、また事件後に感じていることなども率直にお話ししました。

講演前に村社先生から、学生は大変まじめで、まじめすぎて覇気がないように感じるけれど、授業の食いつきは非常にいいとお聞きしていたのですが、一時間にわたる重い話も、とても真剣に聴いてくれていました。

講演後、質疑応答に移ったのですが、なかなか積極的に質問してくれる学生がいなくて、先生の誘導により2、3人が質問をしてくれました。でも、話を聴いてくれた全ての学生の方々の中で様々な思いが巡っているのが手に取るようにわかり、思いを言葉にできないもどかしさも感じました。

その後、県警の方より学生ボランティア募集の説明などがあり、アンケートと感想の記入の時間が持たれたのですが、それを記入している時間も教壇の横で、アンケート記入が終わった後、直接話がしたかったり質問がある学生の方との時間を持たせてもらい、その時も2、3名の学生が来てくれ、直接話をしました。

その中に「私は学生ボランティア募集の話を聞いて、何かしたいと思ったのですけれど、二次被害の話をお聞きして被害者の人にどう接していいのかわからず不安で、どうしたらいいのかわからない・・・」と涙をぽろぽろこぼしながら話をしに来てくれた女子学生がいました。

その子には「話をしに来てくれてありがとう。そう思ってくれているんだったら、その思いを持ち続けてほしいし、被害者の人の話をまず聴いてほしいので、また改めて連絡をします」と連絡先を書いて渡しました。

今回県警が学生ボランティア募集をされたのは、今までのようにシンポジウムなど当日のお手伝いだけではなく、もう一歩踏み込めるように、たとえば希望してくれるなら、「命の授業」の送迎車に一緒に同乗してもらい、伴走をお手伝いいただくことなども考えてくれているようなので(実は質疑応答の時、伴走ボランティアの意味なども説明する時間がありました)、今年度は学生の方々とは違ったふれあい方ができそうです。

以上の状況で県立大学での被害者の人権についての講義は終えることができたのですが、学生がアンケートや感想を書いている時、村社先生が「次の授業や予定があると思うので、記入を終えて提出したら、帰ってもいいですよ」と学生に声掛けをされました。

何人かはそれを聞いて教室から出て行ったのですが、多くの学生が記入を終えて提出した後も教室に残っているのを村社先生が気にとめられ、子どもたちには聞こえないように背中を向け耳元で「いつもはこんなことはないのですが、今日は子どもたちはこの教室から帰りがたいようです」と教えてくださいました。

その村社先生からは「これからも、よろしくお願いします」とご挨拶をいただき、県立大学を後にしました。





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