6月の「命の授業」A〜大島中学校で[2010年06月19日(Sat)]
6月17日(木)に中学校での今年度最初の「命の授業」に出向きました。
NPOから市原千代子さんが、笠岡市立大島中学校に出向き、犯罪被害者遺族による「命の授業」を行った様子を報告します。
今回は、大島中学校から直接NPOサポート・ファミリーズ事務局に連絡が入りました。
2年生の親子の触れ合い活動を企画され、そこに参加されるであろう保護者20〜30名の方を対象とした人権講演会開催にあたり、教育委員会に講師紹介を依頼された際、市原さんを紹介されたそうです。
市原さんが中学校に連絡をし、打合せを行うなかで(教育委員会から講演の内容や様子はすでに聞いておられたようです)、できれば一番参加可能な2年生にも聴かせたいという話になりました。
そうしたところ1年生と3年生の学年担任の先生からも、自分たちの学年の子どもたちにも是非聴かせたいという申し出があったそうで、講演の一週間前に「全学年で聴かせていただきます」と言う連絡をいただき、急遽NPOと県警等との協働事業の一校に組み入れさせてもらいました。
17日は学校に着くと校長先生が待ってくださっていて、子どもたちの様子などをお聞きした後に講演となりました。
今回話を聴いてくれたのは、全学年の子どもたち91名と、保護者・教職員40名余りの方々でした。
大島中学校は今年度最初の中学校での「命の授業」だったのですが、子どもたちの人数的にも雰囲気的にもとても良い感じの学校だったので、丁寧に、子どもたちとの無言の会話を楽しみながらの講演となりました。
いつものように話の途中で、手を合わせてもらい、その手を握ったり握りかえしたりして、手が温かかったり動いていることを感じてもらった時に、目の前の女の子二人が思わず顔を見合わせて微笑みあっているのが目にとまりました。
その後二人が市原さんの方を向いてくれたので、市原さんも二人に微笑み返してしまいました。
そんな状況で、子どもたちも保護者や教職員の方々も、前日から暑くなりむせかえる体育館の中で、本当に真剣に聴いてくださっていたと思いました。
講演終了後、校長先生の案内で校長室に戻ったのですが、ソファに座って直ぐに「もうどのくらいの学校に行かれているのですか」と校長先生より聞かれました。
市原さんの「最初からすると、100校は超えています」との返事に対し、校長先生は「講演慣れすることもなく、色あせないで(何年も経ったことを感じさせないで)、息子さんが亡くなった当時の思いや状態を話し続けられるのは大変ではないですか」と言ってくださいました。
そして「私たちが子どもたちに一番伝えたいと思っていることの全てを、きちんと分かりやすく話していただき、本当にありがとうございました」とも言っていただきました。
その後しばらく校長先生とお話しさせていただき、子どもたちに対して共通する想いが沢山あることを感じました。
今年度最初の「命の授業」を大島中学校からスタートできたことを、ありがたいことだと感じました。