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被害者参加裁判の実際C[2009年02月27日(Fri)]

被害者参加裁判の新聞報道が続いているが、「参加」というのは、法廷の場面だけではないことを強く感じる。

公判(刑事裁判)が始まる前の段階から、「被害者参加人」という当事者としての立場が認められたことは大きな変化となって各場面であらわれている。

検察庁で記録閲覧謄写が認められ、裁判官よりも早く記録を見ることが検察の協力によりできるようになった。

これまでは、第1回公判後に裁判所に提出された記録の閲覧謄写がやっと認められていたことを考えると、裁判が始まる1か月ほど前に、裁判官より先に被害者側で記録の確認ができる意味は大きい。

もちろん、裁判が始まる前の記録の扱いは慎重の上にも慎重を期す必要があり、検察との間で記録の取扱いについて厳格な注意事項が示された。今回も被害者参加人と代理人の間だけで、それ意外には見せたり再複写をしない扱いは守っている。

マスコミからの事前取材についても当然に慎重にならざるを得ない。

こうした縛りがあったとしても、記録を第1回公判前に見る意義は大きい。そして、検察官と協力して公判にのぞむためにも、疑問点の解消や、公判での役割分担を決める必要がある。

その際、情報量の格差がこれまではあまりに大きすぎて「被害者だけが素人(何もしらされていない)」状態では、いくら検事の説明を聞いても、何も言葉を返せなかった被害者がどれだけ多かったことだろうと思う。

今回、少なくとも裁判前に情報を共有することで、当事者として裁判で何が行われるのかを概観することが可能となった。だからこそ参加人から被告人質問もしっかり準備できるのである。

公判のちょうど3週間前に、謄写した記録をもとに、ご遺族と代理人とで読み合わせをし、疑問点を洗い出した。

そして、公判の2週間前に、検察庁を訪ね、担当検事に疑問点を提示して、参加人からの意見を伝えることができた。

検事からの説明をじっと聞くのではなく、被害者側もしっかり読み込んだ公判提出予定記録を前提に、かぎりなく対等な立場で検事と議論できたことは意味があったと思う。

これまでの検事面接では考えられない場面だと感じた。

記録なしで検事に会っても、ご遺族が疑問点を提示しても、情報は検事の手の内なので、説明されたら、反発するか納得するかしかなかった。しかし、同じ記録をもとに矛盾点を問えば、検事も公判にのぞむにあたって、一緒に公判対策を考えることになったと思う。

交通死亡事件では、声をあげられた交通死被害者の方たちの多くが、いわゆる「死人に口なし」で、加害者の言いなりの現場指示にもとづく実況見分調書ができあがり、真相がわからないまま、苦しんでこられたつらい体験がある。

今回のように早い段階での記録開示がなされることにより、捜査上の納得できない点を事前に担当検事に確認できるし、被害者側の思いもじかに公判担当検事に伝えることができるのである。

今後は、裁判官にも検事にも、見えにくい、被害者側のおかれた実情をきちんと整理して意見陳述、被告人質問に向けて準備するお手伝いをしていくことになる。





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