林住期[2008年09月25日(Thu)]
先日、新聞広告で目についた五木寛之さんの「林住期」。
去年の本なのに、「50歳」「ひとり」「林」という新聞広告の言葉が気になったまま、まだ読もうとは思えない。
この10年間、病気知らずだったが、きょうは右上腹部痛が気になり内科を受診。
少しからだと心が痛みつつあるのかもしれないと何となく感じる。
他者の理不尽なあまりにも大きな喪失を前にして、自己の小さな痛みには気づかないように、これまでは体が反応していたかもしれない。
少しずつ、さまよいながら家から抜け出て、林の中に迷いこみつつあるような気がする。
昨年8月に妹が亡くなったとき、82歳の母が「あんたもこれで一人ぼっちになったなぁ」と力なくつぶやいていた。
早稲田も慶応も知らずに東京に出た愚かな兄に、少しは本でも読んだらと「青春の門」を貸してくれたのは、成績にはこだわらず高校生活を謳歌していた妹だった。