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我々は丸裸だった過去がある[2020年09月30日(Wed)]
2016年3月27日付け東京新聞 一面からです。


愛知県に住む稲本 八重子さんの句で、
「戦争と伊セ湾台風でございます」と添え書きがありました。
75年前の終戦を思い出します。



何年経っても、過去に起きた悲しみや苦しみが癒えることはないです。
当事者にしか分からない感覚や景色があります。

一方で、人は忘れやすい生き物、
忘れないと生きていけない生き物でもあり、
辛い経験をしても、その裏にある本当の絶望から
目を背けてしまうことが多々あります。



今回のコロナウイルスが良い例です。



メディアから流れる情報を鵜呑みにして今逃げていることを正当化したり、
マスクを買い占めて一時の安心感を得たり、
転売して一時の優越感を得たり、
世の中全体が厳しい状況だからと自分のビジネスを変えない言い訳にしたり、と。



人は、生まれた時と死ぬときは丸裸です。

丸裸にされないと、自らの愚行や純粋性に気づかないというのでは、
あまりにもその代償が大きすぎるでしょう。
それが人間の性だという言葉で語ることも寂しいものです。



戦争や災害などを経験しないと、私たちは丸裸になれないのでしょうか?

そんなことはありません。世間の常識や自分の固定観念を消すことで、
丸裸になることは可能です。



スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行った有名なスピーチの中で
”Connecting dots” (点と点をつなげる)という話をしています。



大学時代にジョブズが何気なく受講したカリグラフの授業で学んだ知識が、
10年後に最初のマッキントッシュを設計していた時に急によみがえってきたというのです。

そして、その知識をすべてマックに注ぎ込み、
美しいフォントを持つ最初のコンピューターが誕生しました。

過去の経験が、その当時は思いもよらなかったことに活かせる
状況を生み出したという話です。



もちろん、ジョブズは当時は先々のために点と点をつなげる意識などありませんでした。
しかし、それが後に振り返ると、将来役立つことを大学でしっかり学んでいたわけです。



ここでポイントとなるのは、将来をあらかじめ見据えて、
点と点をつなぎあわせることなどできないということ。
できるのは、後からつなぎ合わせるということです。



そうです。過去は変えられないと言いますが、過去に対する認識は変えられます。
過去に対する認識を変えて初めて、現在が変わり、未来が変わっていくのです。



「我々は丸裸だった過去がある。丸裸、じっと見れば光が見える。」



■□■□■□■□■□■□■□

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孤独とは一人でいることではなくて、生きる姿勢[2020年09月16日(Wed)]



ネットを介せば、いつでも誰とでもつながることができる現代社会です。このコロナ禍で、会いたいときに会えなくなったことで、孤独を余計に感じる人も増えたかもしれません。



コロナ前は上司や会社の愚痴を言い合い、「憂さ晴らし〜!」なんてやっていた人も今は、そういう飲み会すらできません。オンライン飲み会で時間とお金を使う人もいるのかもしれませんが。





結果を出している経営者やリーダーはいつも孤独を感じながら生きています。否、孤独を感じていない人の方が多いかもしれません。



孤独とは、 寂しいとか、誰かに構って欲しいとか、自分と同じ辛い状況を味わわせたいとか、足の引っ張り合いやいがみ合いをしたいとか、そんなことから来るものではありません。



高い志や乗り越えたい何かがあって、葛藤と矛盾の中で自己否定を繰り返す。 その過程で、自分と他者との違いを洞察し、自分がすべきことを粛々とする。それが、他者から見ると孤独な人として映っているだけです。



真のリーダーは時に同志と集い、それぞれの胸の内を明かします。多くを語る必要もありません。



同じ想いを持った仲間がいる。

そう思えるだけで、孤独という言葉さえも、全く違った景色となるのです。



「孤独とは自立を志向する人間の葛藤から生まれるスタイル。孤独は孤立しない。」

ルールは定着させるな[2020年09月10日(Thu)]
家に帰る途中に後方から救急車のサイレンが聞こえてきました。
ハザードランプをつけ、道路に左側によって一時停止しました。


他の車も誰が言うこともなく、皆が一斉に車を停め、
救急車に道の中央を通らせる光景を見て、
私は涙が出そうな何とも言えない気持ちになりました。




先週ある会社の部長さんから、

「社内にルールを入れてもなかなか定着しないんです。どうしたらいいですかね〜。」

といったご相談をうけました。



私が、「ルールを定着させようとしているから、ルールが定着しないんですよ。」



と禅問答のようなことを言うと、

その部長さんは「???」といった顔をされていました。





皆さんの会社でも似たような話はあると思います。

ここで一つ考えていただきたいことがあります。

「そもそも、そのルールはなぜ必要なのか?」



ということをです。





ルールと言えば、大きなレベルで言えば法律や条例がありますし、
社内で言えば、就業規則などの社内規定、さらには各業務のルールなどがありますね。



例えば、弊社ではISO14001やプライバシーマークの認証を受けていますが、
先日その社内研修を行いました。



法規制や緊急時の対応、リスクと機会の把握、年次目標の策定と
日々の活動への落とし込み、といった点をルール化するわけですが、
そう簡単にはいきません。



ミスもや事故のヒヤリハットも時々起こります。





ルールをつくる時点で、

「管理する側」と「管理され側」という構図ができますが、
管理する側がただルールを守らせるだけでは、定着するのは難しいでしょう。





では、どうしたらよいのでしょうか?

 ミスや事故を起こす度に、違反者に注意をし、
ペナルティーを課し、対策を練るという
サイクルを延々と繰り返すしかないのでしょうか?




ルールをつくることの目的は、「そろえる」ことです。



期限、品質、値段、スキルなどの可視化しやすいものだけでなく、
さらには、信念、思い、観念などの粒度をそろえることを忘れてはいけません。



ルール化の目的が、評価や監視に力点が動いていくと、
おかしなことになっていくのです。



あなたの会社ではルールを定着させて、「何」を実現したいのでしょうか?


ルールを定着させる際に、多くの経営者が短期的な「結果」を
求める余り疎かにしてしまうことがあります。



それは、「結果」を出すまでの過程を理解していないことが往々にしてあります。


組織で社員が同じ方向を見ながら行動して、
結果を出すことが、経営者・リーダーの求めることだと思いますが、
そのためにどんなことをしていますか?


さすがに、「とにかくいいから、やれ。」などとは令和時代になって
言わないと思いますが、


「会社の今期の目標は売上前年比120%だから、この施策をやってく出さい。」

「業界の動向を見ると、今後会社がやるべきことはこれだと考えている。
 協力して欲しい。」 

そんな言葉を部下や社員に伝えていませんか?





ビジネスで「結果」を出そうと思えば、本来は以下のような流れが必要なのです。

 1. 懐疑(なぜだろう?)
    ↓
 2. 思考(ああかもしれない、こうかもしれない。)
    ↓
 3. 信念(ならばこうしよう!)
    ↓
 4. 行動
    ↓
  結果



それが、ビジネスだけでなく、現代社会においては、
教育でも医療でも、政治までも、「行動」ありきの構造になってしまっています。




それって、「勉強しろ。」「この薬を飲みなさい。」「マスクをして下さい。」と
同じレベルのことがビジネスでもまかり通ってしまっているんですね。



自己啓発やセミナー業界を見渡すと、



「○○すれば夢は叶う」

「絶対成果が出る超□□法」

「ハーバード流△△思考術」



といったノウハウ重視のコンテンツが溢れています。

「行動」だけ改善しても、それから得られる「結果」はたかがしれています。





「結果」が出ないから、また新しい「行動」をする。
それでも、「結果」が出ないから、また新しい「行動」を探す。
その延々の繰り返しでしかないのです。





信念、思考、懐疑まで遡って、自ら思索したものだけが、
あなたの純粋な思想や知恵になります。
倫理観や道徳観も育っていきます。



そうして具体化された「行動」には、自発的な強い動機があり、
習慣化されていくはずです。 

冒頭の救急車の話に戻りますが、ルールはつくるものではなく、できあがるもの。


ルールを使うのはヒト。そのヒトの倫理観や道徳観を育てるのも
リーダーの大切な仕事だと思います。


また、ルールを定着させようと思えば、
残す「自由」とすてる「自由」も考えなければいけませんが、
その話は別の機会にお話しします。