<キャリア・生き方>会社が嫌いになったら読む本[2009年12月30日(Wed)]
自ら「うつ症状」での休職経験を持つ著者が、200人以上の転身者(主に40、50代)への取材とキャリア研究をもとに記す、働く意味のヒントを与えてくれる一冊です。
会社中心の生き方を長くしてくると、どうしても組織の傘に入り、部門別に役割・責任が細かく分けられ(形式的にの場合もありますが)、自分のやっていることが見えずらくなってしまいます。その「満たされない思い」を持ちながら、
「自分は誰かの役に立っているのか」
「成長している実感が得られない」
「このまま時間が流れていっていいのだろうか」
と自問自答する。組織で働く意味について悩む状態を、著者は「こころの定年」と定義してます。
私もキャリアデザインのコーチングをライフワークとしてやっていきたいと考えていますが、そのビジネスコンセプトに近いことを一部やっておられる著者の活動には強く共感します。
キャリアについて考えている人が、先に転身した人からその背景や想いなどをストーリーとして共有すること。
「自分の人生の一部を、他人の人生の一部に重ね合わせ、働くことの意味を見出す」
これは、とても価値のあることだと思っています。
転身のきっかけを7つのパターンに類型化している点や、著者の独特の視点は、とても参考になります。自分のキャリア観を見つめなおすのに最適な良書です。