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世界はフラクタル[2021年06月02日(Wed)]
私の田舎は富山県の五箇山(南砺市)です。合掌造りで有名で世界遺産でもありますが、石川県の白川郷に比べて、知名度も低く、人口も減少の一途。私の従兄弟や知り合いもふるさとを離れてしまった人もいます。



今は若い美大生が和紙の魅力を発信したり、トレイルランニングの大会を開催したり、芸術家やクリエイターの方で移住・滞在している人もいるようですが、街づくりとしては道半ばのようです。私は日本の原風景を感じる小さな山里である五箇山が大好きなので、いつか住めたらいいなと思っています。



*



先日、地方に住む知人から、「田舎町に求められるものは何か」という話がありました。人口が少なく、過疎化に悩む町には何が必要か、といった内容でした。



地域おこしというと、特産品や自然、観光、ゆるキャラなどがよくありますが、それらは他の市町村との差別化にはなりにくい。10年後でさえ、その存在に危機感を募らせていました。その話を聞いて、私は「フラクタル」という言葉を思い出しました。



フラクタルとは、幾何学の概念で、自然界には全体と部分が同じ形になる自己相似性があるという数学理論です。ブロッコリーに似たロマネスコはフラクタル構造をしています。言葉の意味が拡大解釈されていき、異なる事象もより大きな視点で見ると共通項がある場合に、「それって構造的にはフラクタルだね。」などと使うことがあります。



一見、関係のないことに、独自の解釈を入れて新しい意味を見出す。


コロナ禍の今は、不安や閉塞感が広がり、目的や目標を見失いがちです。誰も答えを用意してくれません。そんな時こそ、自ら目的や目標となる旗を立てないといけないですが、旗を立てるヒントとして、フラクタルな構造を見抜くことがあります。



個別の問題をより大きな全体の一部として考え、共通点を見出していくというものです。経営者やリーダー層には必ず求められる力です。



*



冒頭の知人からの相談である高齢化と過疎化が進む市町村の生き残り戦略は、中小企業のそれとフラクタルな構造です。市町村合併は企業再編やM&Aのようなものですし、人口減少は離職者増加と同じようなものです。



町を会社として見立ててみると、町民が社員とも言えます。大企業や旧態依然の企業は、規模を成長のレバレッジとしますが、今元気な中小企業や個人企業家は人を成長の源泉にしています。会社の形と会社と社員の関係も変わってきています。新卒一括採用や終身雇用といったシステム下で硬直的な上下関係だったが、今は通用しません。



一つの会社に属するのではなく、副業やテレワークも認められ、まさにどの会社で働くことができるかという可能性よりも、いつ、どこで、何を、誰と学ぶ機会が重視されてきていると思います。つまり、会社の形は、学校のような形態に変化していくかもしれません。いつでもどこでも誰でも参加できるし、いつでもどこでも誰でも退社できるような。

*



そんなことを考えながら、小さな田舎町に求められるものは何かを考えてみます。



はたらくこと、学ぶこと、楽しむことの境目がなくなってきている中で、田舎町に求められるモノは何か?



例えば、



「町全体を学校とする」



です。



自由に学び、互いに教え合い、新しいテーマを創造できる場です。自治体の財源を国からの借金や税金だけに頼るのではなく、町民がつくるプロジェクト(授業)への参加権によるお金の流れをつくります。人、自然、歴史、技術、芸術、暮らし、旅、食、ビジネスなどのテーマで、リアルとネットで授業を行います。町にある施設や場所、人などのすべてが資源になりえますし、教室・キャンパスになります。



例えば、人口が6,000人だとすると、これはちょっと小さめの大学のサイズです。65歳以上の人が3,000人、65歳未満の人が3,000人くらいの割合でしょうか。彼らは先生にも生徒にもなる権利が与えられます。ダイバーシティーも半端ないです。将棋の段位のように、永世町民になるような仕組みを取り入れたり、町外に住む人や観光客、外国人も授業に参加できるようなビジネスモデルをつくることで、田舎町のポジションが「人生を謳歌する学び舎」へ格上げされるとよいと勝手に妄想してみました。



*



今日のお話で伝えたかったことは、目の前の個別の問題は、もっと大きな問題の一部であることもあるので、その共通項を探していくと、新しい物の見方ができますよ、ということでした。それが、他社との差別化にもつながります。



これは、現代思想の一つである、「まず全体があって、個に振り分けられる」に通じるものです。



他の業界の事例だけでなく、例えば身体のメカニズム、歴史、自然界などからもあなたのビジネスに応用できることがあるのではないでしょうか?



ぜひ、考えてみて下さい。「世界も人間もフラクタル」です。


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