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<LOOB>スモーキーマウンテン[2010年03月27日(Sat)]
LOOBの国際協力プログラムにゴミ投棄場(スモーキーマウンテン)の地域住民支援があります。

フィリピンでは、ダイオキシンをはじめとした有害物質を吐き出すためか、ゴミ焼却場禁止法を世界で初めて制定しました。

ゴミの処分問題については、各国も頭を悩ませていて、例えばニューヨークでのゴミの処分方法の歴史を見ると、

窓から通りへ投棄→海洋・河川へ投棄→回収・埋め立て→海洋投棄を再開→埋め立て地へ投棄→焼却処分→「衛生的」埋め立て場

と手を変え品を変えてきています。お分かりのように、ゴミの処分問題というのは、一部の国では、一部の政治家や大手ゴミ処分企業関係者による汚職が存在していて、コネや金がものをいう世界なのですメガホン

政策レベルでは、ゴミの分別やゴミの堆肥化、再利用などは基本ですが、
私たち消費者にとっては、いかにゴミを出さないかを一人ひとりが考え、
実行することが重要なのは言うまでもありません。


さて、フィリピンの話に戻りますが、私が訪問したCalajunanゴミ投棄場は、イロイロ市民40万人のゴミを処分しています。

その処分場には、様々なゴミが持ち込まれ、積まれたゴミの山の内部で腐敗・ガスが発生、自然発火しており、いつも煙をくすぶり続けていることから「スモーキーマウンテン」と呼ばれています。

2001年には、マニラ・ケソン市パヤタスのスモーキーマウンテンで、積まれたゴミのなだれに巻き込まれて200人の尊い命が奪われました。スモーキーマウンテンは、貧困の象徴と世界のNGOからバッシングを受け、フィリピン政府は対策を講じました。

2008年からは、イロイロ市でも、身分証明書(ID)の発行を受けた220人のみを正式にゴミ拾いメンバー(ウェストピッカー)としました。ただ、事前通知が十分に行き渡っていなかったために、800人〜1000人が失業してしまう事態になるそうです。LOOBでは、地域住民に対して、子供たちへの教育や給食を支援や、ジュースパック製品の製造・販売を通して母親や青年たちの自立をサポートしています。

スモーキーマウンテンの地域住民はごみを拾い、ジャンクショップ(リサイクル業者)に売って生計を立ていますが、1日の平均日収は75〜100ペソ(150円〜200円、イロイロ市の最低賃金は250ペソ)。

高く売れるゴミは、銅線や鉄、プラスチック容器などで、これは日本と全く同じ状況なのは驚きました。

ウェストピッカーの人たちは、皮膚病や喘息などの身体的影響もありますが、
生活していくためには、働く場所を選ぶことはできないのです。
私たち日本人は、いろいろな条件を見て、働く場所を選んでいる節があると思いますが、
これは大きな違いですね。


ウェストピッカーの一家庭を訪問した際、お母さんは、「子供には学校を卒業して、どんな仕事でもいいのでついてほしい」と言っていたことが印象的でしたキラキラ


スモーキーマウンテン!


日本にもこういう風景が来るかもしれない・・・


ジュースパック製品を地域のお母さんが製造


スモーキーマウンテン地域の子供たち、目が輝いてます!


温かい食事、おいしそう!
<LOOB>Filipinos 8 Distinctive Traits[2010年03月27日(Sat)]
LOOBの活動に参加した初日、フィリピン文化を理解するための8つのキーワードを教わりました。

1. Hospitality (ホスピタリティ)
客人・旅人を厚くもてなす国民性。
家の寝室や食事で、「ベスト」を提供する。
貧富の差は関係なく、国民全体に浸透している。

2. Bayanihan (バヤニハン)Bayaniは「英雄」という意味。
地域の助け合い、困っている人を無償で助ける。
家の引っ越しが典型的。

3. Close Family Ties (家族の絆)
祖父母、父母を中心とした家長制度。
親子、兄弟、親戚、遠戚の絆が強い。
学校でいじめられた子がいれば、後が大変^^

4. Compadre (コンパドレ)
Godfather(ニノン)、Godmother(ニナン)
洗礼式や結婚式でつける儀礼親族。
男性はpare、女性はmareと呼び合う。

5. Palalasan (パラカサン)
Lakasは「力」という意味。コネ社会。
権力のある者について、物事を有利にい運ぼうとする。
コンパドレがしばしば利用される。
警察との結びつきは当たり前です。

6. Pakikisama (パキキサマ)
Companionship 団体主義。個人よりも団体の行動を重んじる。
個人の評価で最も重要な点。

7. Utang na loob. (ウタンナロオブ)
Loyalty. 恩義。家族やお世話になった人への恩義や礼節を非常に重んじ、
恩を返す。

8. Bahala na (バハラナ)
Fatalistic (運を天に任せる) ケセラセラ
「なんとかなるさ、明日は明日の風が吹く!」


どこか日本にも通じるところがあります。昭和の風景が一番近いような。

おもてなしの心は日本人の文化の象徴の一つでもありますし、コネ社会はいまだに政治やいくつかの業界にも存在しています。

ただ、現在の日本は、社会の最小単位である「家族」と、「家族」が結びついて構成される「地域社会(コミュニティー)」の求心力が弱まってしまい、一人ひとりの「個」炎が不安で萎縮し、社会の中でまる裸に近い状態にさらされているような気がします。

私は、たった数日間でしたが、村でホームステイを経験し、ホスピタリティとコンパドレを強く感じました。特に、家族の強い絆は、家族で共有する物理的時間がとても長いことと、Face-to-faceのコミュニケーションをとっていることが、印象的でした。

今の日本が、フィリピンの村と同じような生活スタイルをとることは難しいですし、そこを議論してもあまり意味はありません。

個人個人によって生き方も異なるので、どれが正しいということはないですが、私の人生観は、「シンプルで少し不便、でも家族との時間を大切にする人間らしい生活」へ、最終的には収斂されていくと思っています。
LOOBという団体[2010年03月27日(Sat)]
3/8〜3/16まで、私はフィリピンのイロイロ市におりました。

目的は、現地で活動するLOOBというNGOの活動を自分の目で確かめてきたかったからです。

”世間的”に見れば、「一流」と言われる会社におり、日本のサラリーマン社会を生きてきて、人生の半分に差しかかろうとしている私のような社会人が、このようなボランティア活動に参加することは、LOOBにとっても「珍客」だったと思いますが、代表のユキエさんを含め、皆さんの気遣いとおもてなしの心に感動しました乾杯

私は、国籍や年代など気にせず、誰に対しても、一人の「人間」として、向き合うよう心がけていますが、今回も子供たちや若者から多くのことを学びました電球

LOOBでは、「一方的な支援でなく、現地の人と共に学び成長する」をモットーに地域に溶け込んだ「草の根交流活動」と、小規模でも心の通い合う「自立支援活動」を目指している、とウェブサイトにも書いてありましたが、本当にその通りでした。



「支援する」ということについては、良く考えさせられます。

「支援する」という言葉は嫌いですが、施しをするものと施しを受ける者との間に圧倒的な格差がある場合は、存在します。

先日、バンコクへ行ったときに、定宿にしているホテルのすぐ近くで、お母さんが2歳くらいの子供を抱いて、5歳くらいの子供と路上に横たわって、コップを持ってお金を求めていました。この家族は、私が過去5年くらいに数回バンコクに行ったときに、必ず、その場所にいました。彼らに、少しのお金をあげることが、根本的な問題解決にならないのは分かっていますが、目の前に映るその光景を見て、私は、いくらかのお金をあげています。

相手を思い、助け合うということは、募金の金額や、慈悲の想いの大きさでもなければ、それをおおげさに言いふらすことでもありません。

人を思いやるということ、人を助けるということは、地味で目立たない、何でもないようなことかもしれません。満員電車で妊婦の人に席を譲る、これも立派な思いやりです。

相手の気持ちに耳を傾け、今日、自分の目の前にいる人々にそっと微笑み、手を差し出せ良いのだと思います。

そんな想いを持ちながらも、私としては、ライフワークとして、どこかのNGO、NPOと協力しながら、その団体に関係する人たちが、共に自立・成長できることをしていきたいと思っています。

2/21のブログにも書きましたが、紙のリサイクルを行っている家業と、ライフワークとしてキャリアデザインの支援をしていくために、以下のような条件を持った、国内外のNGOを探していました。

1. 代表が強い信念と行動力を持っている
代表のユキエさんは、日本人とフィリピン人の奉仕精神の育成、自己成長に向けて必要なことは何かを良く考えていて、現場で動くタイプの人だという印象を受けました。独特の、マイペースさも魅力の一つです。

2. 扱っているテーマは、環境保全、教育、食事、国際理解のいずれかに関連するもの
LOOBでは、国際協力事業、国際交流事業を大きな柱としていて、子供教育サポートやスモーキーマウンテン地域住民支援など、私の関心分野にも取り組んでいました。

3. 若い、小さな団体
設立は2001年ですが、まだまだ小さな団体で、自分も目に見える何らかの形で協力できると実感しました。もちろんLOOBの考えをよく聞いた上で、今後の方向性などをいっしょに考えられたら良いなと思います。

4. 質問に対する対応が誠実である
これは、他の団体であったのですが、返事が遅かったり、事務的だったりするところがありました。短い文章でも、返答の内容やタイミングによって、相手が受ける印象は相当変わります。そういう意味でもLOOBは、フィリピンに事務局があるにも関わらず、レスが早く驚きました。

LOOBとは、これからお互いにとって無理のない形で少しずつ関係をつくっていきたいです。
自分の人生を豊かにするために、新しい人・コミュニティーと出会うことが出来たことに感謝ですキラキラ



子供教育サポートの現場で