私の知り合いである経営コンサルタント、中川さんが本を出版しました。
昨日の日本経済新聞の朝刊にも大きく紹介されていました。
経営者の悩みは尽きません。
私も中小企業を経営している身ですので、昨今の環境の激変ぶりは、まさに想定外です。
日々の業務に忙殺され、大きな視点で自社の戦略と仕組みを構築できない。
人材の量的不足だけでなく、雇用環境の質的な変化に対応できない。
従来の業界常識や自社の強みに固執してきたために非連続な変革を自覚できない。
こんな課題を持ちながら時間だけが過ぎ、事業はジリ貧になっていく、そんな企業をたくさん見てきました。
そして、速く、楽にビジネスで結果を出せるように思わせるサービスが蔓延し、
情報弱者を食い物にするようなビジネスが巧妙に誘惑してくる中で、
本当に見たいものが見えないようになっている。
それが経営者を取り巻く真の構造なのです。
本書は、そんな閉そく感に包まれたビジネスの世界に一筋の光を当てるものとなるかもしれません。
巷に溢れる自己啓発系のノウハウ本とは全く次元の違う切り口で、中小企業が高収益を実現する仕組みづくりを説明した本となっています。
MBAやマーケティング理論(3C分析、SWOT分析など)は全く役に立たないという、著者の持論は、それらを必死に学んできた私にとってはショックでもありましたが、実は腑に落ちる部分もかなりあります。
現場での臨場感ある話と現代思想を取り入れた独自の考え方は、今までにない中小企業の変革のヒントが詰まっていると感じました。
本書は、文章の構成や言葉選びが秀逸で、抽象と具体を交差させ、複雑な入れ子構造になっており、それが読者の思考をより深めてくれるのではないでしょうか?そして、著者の人生観、ビジネス観も垣間見れ、読了後は胸が少し熱くなりました。
業界や自社の常識に縛られている中小企業の経営者だけでなく、社内で真のリーダーを目指す方にもぜひ読んでもらいたい一冊です。