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奥富 宏幸
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理解したら、疑う [2021年06月23日(Wed)]
皆さんは、どんな遊びをしていますか?


私は、趣味で将棋もやっています。最近はオンラインでプレーしています。
2級レベルまではトントン拍子できましたが、ここからは勝ったり負けたりが続き、なかなか上のレベルに行くことが出来ません。今までの戦法に限界があるということですね。



*



将棋と言えば、藤井壮太八段の活躍が目覚ましいですね!ただ、今日は私が尊敬する羽生九段のお話です。



2017年に将棋棋士の羽生さんが、竜王戦七番勝負で渡辺竜王に勝利し、前人未到の「永世七冠」を達成しました。百戦錬磨のプロ棋士がいる中で、一つのタイトルを保持するだけでも大変なことなのに、二十年以上もの間、複数のタイトルを保持することは凡人には想像できません。



サラリーマンで言えば、いくつかの会社の社長をやりながら、どの会社も毎年増収増益を積み重ねるようなものでしょうか。



そんな羽生さんが記者会見で、今後のことについて聞かれた時に、こんなことを言っていました。



『将棋そのものを本質的にわかっているかというと、まだまだ何もわかっていないというのが実情。これから自分自身強くなるかわからないんですが、そういう姿勢や気持ちを持ってやっていけたらいいなと思います。』



また、将棋の本質については、このように答えました。



『将棋の世界は、基本的に伝統、長い歴史がある世界ですが、 盤上で起こっているのはテクノロジーの世界。 日進月歩でどんどん進んでいます。過去の実績で勝てたといっても、 これから先に何か盤上の上で意味があるかと言われれば、あまり意味がなくて。常に最先端を探求していくという思いでいます。』





将棋界の頂点にいる人が、

「将棋の本質はまだまだ分かっていない」

「過去に何回勝ったという実績があっても、それが日々進化している”現在”の戦いにはあまり意味はない。」

と言っているんです。だから、強いのですね。



*



最近は、ネット上にいろんな「答え」らしきものがたくさん溢れています。まとめサイトや知恵袋などでも、いろんな人の「答え」らしきものを見ることができます。



そもそも、「理解する」とはどういうことでしょう?



例えば、将棋だったら、



・駒の動かし方を知る。
・定石を覚える。
・詰将棋を覚える。
・自分の基本的な”型”をつくる。
・過去の棋譜から学ぶ。
・相手の意図と自分の対応を昇華していく。
・大局観を研ぎ澄ませる。
・将棋を通した人生観まで考える。


などが思いつきます。こう見ると、「理解する」にも具体的な方法から、抽象的な考え方まで様々です。



仕事でも「理解する」ことにはそれぞれ段階があります。自分が知っていることはどのくらいのレベルなのかを客観的に俯瞰できると、さらに成長できるのだと思います。あなたが経営者なら、部下にオーダーを出す時は、社員の理解度レベルに応じて、内容を変えていく必要があります。単なる行動レベルから、会社が大切にする価値観までです。



*



先日、業者に仕事を依頼したことがありました。



その業者は、あるサービスの代行業者で、業務効率化のために、基本的なテンプレート(共通の文書)をどのクライアントにも汎用的に使いまわしをしています。



私が依頼した内容に関連する文書を送ってきたのですが、その文書では私の要求する内容には全く応えていませんでした。その業者は、私が何を求めているのかを理解しないで、その文書を送ったのか、理解はしていたが私の会社用にカスタマイズする余裕がなかったので、とりあえずそのような対応をしたのかは分かりません。



どちらにせよ、



「自分が理解していることと、相手が理解していることを理解しようとする」



ことが非常に大切になります。



話が逸れましたが、羽生さんが「将棋の本質をまだまだ理解していない」とおっしゃっている裏には、将棋ともっと貪欲に向き合い、さらなる高みを目指したいという熱意を感じました。



最後に、アルベルト・アインシュタインがこんなことを言っています。



『学べば学ぶほど、自分が何も知らないということが分かるようになる。 自分が何も知らないと分かるようになるほど、もっと学びたくなる。過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。』



理解した瞬間に、「本当にそうか?」「他にないか?」と疑う目を持ち続けましょう。



知らない世界を知りたいという「好奇心」と、純粋に知ろうとする「謙虚な心」を持ち合わせることが、相手を理解することに通じるのではないでしょうか?



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