最近は、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉をいろいろなところで目にします。
SDGsのバッジを胸につけている方ともよくお会いしますが、正直冷めた目で見ています。
バッジをつけている方に理由を聞くと、こんな答えが返ってくるからです。
「いや〜、SDGsってあんまり意味がわかんないですよね。でも、会社の方針で・・・」
「今は環境問題とかグレタさんの活動が注目されているじゃないですかぁ〜。まぁ、ブームに乗っかろうって感じです。」
もちろん、こういう方ばかりではありません。
世界的な気候変動や環境問題・社会問題に対して、
他人事ではいられなくなったという緊迫感が
社会・企業・個人レベルで上がっているとも言えます。
日本でも東日本大震災後に、社会問題や環境問題への
貢献・配慮に対する意識が大きく変わってきたように思えます。
エシカル消費、断捨離、ミニマリスト・・・ 枚挙にいとまがありません。
大切なことは、そういう言葉に踊らされるのではなく、
そういう言葉が使われている背景・文脈を俯瞰してみて、
本当に必要なことは何かを見極めることです。
目的と手段を混同しないか、冷静に見る力が問われています。
今の世の中は、行き過ぎた資本主義と保護主義の限界を
薄々と感じている人が増えていると思います。
その中で、「経済性」と「社会性」の両立を目指す動きには共感していますが、
企業のみならず、多くの人が、現代における社会的な価値とは何か
を特定することはできていないのではないでしょうか?
企業と社会をつなぎ、共に成長・発展するためには、何が必要なのでしょうか?
その解は、各社が知恵を絞って考えるべきことですが、
国や権力者が考えたルールに盲目的に乗っかるだけでは、
本当の意味での持続的な成長にはつながりません。
最近では、CSV(共通価値の創造)の考え方も参考になると思います。
企業は社会の中で自己完結できる存在ではなく、
会社と社会が距離を縮め、互いに支えあい、発展していくというもので、
ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、
1. 社会課題を解決する新製品・サービスの創出
2. バリューチェーンの再定義による生産性の底上げ
3. 経営資源の集積と共生による地域発展
という3つの方向性を示唆しています。
かつて企業は、CSR(企業の社会的責任)というものに夢中になっていました。
寄付や社会貢献を通じて自社のイメージを向上しようという、形式的な守りのイメージ。
一方で、CSVは、資本主義の原理に基づいてビジネスとして社会問題を解決する、
という攻めのイメージです。一見、矛盾しているように思える二項対立の価値観も、
全く新しい考え方と理由付けがあれば、ガラっと世界を変えることもできる、
と信じています。
社会価値と企業価値は両立できると信じてみて、何をしていきますか?
これは、常識を疑い、自分で思考を繰り返して、
他社がやっていないことをやる勇気と行動をする、
というシンプルな結論に辿り着きます。
シンプルな結論が故に、多くの人はできません。
できた人だけが、ビジネスで結果を出しています。
そんなリーダーシップマインドを持って、真のリーダーを目指していきましょう!