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<文庫>高熱隧道 [2015年09月16日(Wed)]


先月、夏休みで富山県の黒薙温泉へ行ったときに、いっしょに宿泊した年配夫婦のご主人が、
とても気さくな人でいろいろな話をしてくれました。

その夫婦は全国の山を歩いているらしく、黒部周辺の山々のことも熱心に話していました。

私が、黒部峡谷の自然に感動したと話をしたら、

「黒部峡谷のことを知りたいなら、高熱隧道という本を読んだほうがいい。黒部の太陽なんかよりもよっぽどいいよ。」

と言われたのがずっと気になっていたので、先週買ってみました。

完全なノンフィクションではないですが、黒部第三発電所工事の過程などは、かなり正確に綴っていることもあり、あたかも現実に起こったかのような作品でした。

筆者の熱心な準備作業が想像できます。

私が、黒部峡谷鉄道に乗った時に、よくこんな場所につくれたものだとつくづく思いました。

現在のように近代的なトンネルドリルがあったわけでもなく、ダイナマイトで発破して、削岩機で岩を削り、運び出すという作業を気が遠くなるほどの回数繰り返していました。

それだけでなく、隧道の岩盤は温泉脈が近くにあり、100度を超える中で作業をしていたということを知り、とても普通の人間がいられる状況ではなかったことも。。

全工区で300名以上の犠牲を出したにも関わらず、工事が中止にならなかったのは、この発電所建設が戦時下の日本にとって重要な国家プロジェクトだったからです。

この作品の中では、命を落としかねない劣悪な労働環境の中で、通常の何倍もの日当だけが目当てで、人夫(最近は使われない言葉)たちは、トンネル貫通という目的のためにただただ黙々と働く姿が描かれています。

彼らは犠牲者が増える中、恐怖を覚え、感情を押し殺します。

ただ、彼らの心の中に、生きるために、「何か別の感情」が芽生え始め、それがこの作品の核になっています。

もう一つ、「人間と自然との闘い」が大きなテーマです。

筆者、本来、人間が足を踏み入れては行けない場所に、人工的な建造物をつくるという行為が、
どんな結末を引き起こすのかということを描きたかったのだと思います。

「泡雪崩」というものがあるのを初めて知りました。

本の中では、

『宿舎は泡雪崩の直撃を受け、3〜4階の木造部分が吹き飛ばされた。

発見現場まで瓦礫が落ちてないことから、宿舎は形を保ったまま、北東方向に600m空中を飛行し、奥鐘山の岩壁に激突したとされる。

進行方向にあった標高75mの尾根をも飛び越えた。』といった記述があります。

想像を絶するパワーです。


この本を読んで、東日本大震災と原発事故&再稼働、東京五輪に向けた新国立競技場建設の国家と国民との関係性がなぜかオーバーラップします。

人間は歴史から学ぶことはできないものなのでしょうか?
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