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2020年11月20日

ブログの移転

投稿がなかなかできておらず、申し訳ございません!

ブログですが、現在親子の未来を支える会公式ホームページをメインに、SNSなどでも情報発信しています。
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2019年02月19日

king’s College Hospital訪問

文責:對馬 朱香

昨年12月、妊娠初期と中期の胎児健診と胎児治療を見学しました。私事ですが、私は今、ガーナで助産師として活動しています。ガーナで妊娠初期に行うおなかの触診では、子宮はほぼ触れず、トラウベと呼ばれる装置を使っても、赤ちゃんの心臓の音は聞こえません。妊婦さんたちも、まだ胎動を感じることはありません。このような妊娠初期でも、イギリスではエコー画像で、赤ちゃんの手足の指までをも見ることができます。可愛さを感じるとともに、この時期にほとんどの先天性の異常が分かることは、とても不思議な感覚でした。

見学中、臍帯の血管に異常の可能性があるケースが見つかりました。が、コンサルタントに診てもらうと、「今の時点では心配することも、できることもないので、次の中期の健診の時にまた診てみましょう」、という説明がされていました。この頃はまだ、10cmにも満たない小さな小さな赤ちゃん。その赤ちゃんとママをつなぐ細い細い臍帯までもが、しっかりと診れること、診ていることに驚かされました。今回のケースでは、経過観察でもよい状態でしたが、もし赤ちゃんに何か治療が必要な場合、適切な時期に治療を受けられて、赤ちゃんの命を救えることは、胎児健診の大きな意義の1つだと感じました。

また日本では妊娠期間中、内診台に乗って行う経膣エコーを数回行いますが、女性にとっては、あまり気分の良いものではありません。イギリスの妊娠期間中のエコー検査は、妊娠中期の健診でたった1回だけ、それも内診台に乗る必要はなく、それまでエコーを受けていたベッドで行われます。女性にとって、妊婦健診で苦痛となるものが最小限で済むことは、とても良いことだと思いました。

胎児健診は、基本的に2人体制で、1人が診察をしている間に、もう1人が問診や計測値の評価を行っていました。妊娠歴や月経のサイクル、内服している薬やサプリメントのほかに、妊娠方法や妊婦さんの両親の出身地、家族に糖尿病や遺伝性の病気を持った人がいるか、などを聞きます。これにより、妊娠糖尿病や妊娠高血圧腎症など、母親の合併症発症の可能性や、妊娠後期に子宮内胎児発育不全が起こる可能性を評価しています。

ちなみに、多くの妊婦さんはパートナーと一緒に受診していました。パートナーが同席している中での問診よりも、個別で聞いた方が、より妊婦さんのプライバシーに配慮でき、正確な情報が得られるのではないかと感じました。

胎児治療では、胸水で心臓が押しつぶされてしまっている赤ちゃんに、シャント術と呼ばれる、胸水を羊水腔に出す治療を見学しました。素人目でも、治療前は心臓が圧迫されているのが明らかでしたが、治療後は心臓が正常なサイズで元気に拍動しているのがわかりました。

他にも、双子へ供給される血液のバランスがよくない時に行うレーザー治療を見学しました。胎児鏡と呼ばれる装置を使っての治療で、お腹の中の様子が映し出された状態から、吻合血管と呼ばれる血液供給のアンバランスの原因になっている血管を焼灼していました。

胎児鏡の映像では、羊水にプカプカ浮かぶ胎児の足の指や羊膜が見え、胎児がヒトとしてしっかり成長していることに感動しました。一方で、お腹の中で生きている赤ちゃんをカメラ越しに見えることに驚き、不思議な気持ちになりました。色々な感情が混ざり合いましたが、かつては手を出せなかった領域に医療が入り込めるようになったことをポジティブな感情で捉えられたように思います。 

見学中、海外から治療を受けにくる妊婦さんが、飛行機の遅延で治療開始が夜中になる、という状況にも遭遇しました。「胎児が緊急を要する状態かもしれないけれど、来て診察してみないと分からない。だから夜中でも診察をして必要ならばすぐに治療をする」と、ニコライデス教授は言っていました。胎児治療を行う医師たちの「救いたい」という強い気持ちに目頭も胸も熱くなりました。

ところで、前回と今回とで、何名かのフェローと話しましたが、林について、このように語っていました。
「Dr.ノブの診察は、他のフェローと比べても群を抜いて素晴らしいものだ。まずは、カップルを落ち着かせ安心させる雰囲気づくりができている。それは診察室に入って来た瞬間とその後のカップルの表情の違いから明らかだ。

Drノブは健診中、診た情報を妊婦さんにいつも丁寧に伝えていて、『赤ちゃんは元気かな?』と心配し、赤ちゃんの健康を願う家族にとって、安心できる。暗くシーンとした部屋で、長時間横になってお腹を出して診察を受ける妊婦さんにとって、Dr.ノブと話す時間は、楽しく穏やかで幸せな時間になっていると思う。たとえ赤ちゃんに何かが見つかったとしても、ひとつひとつ丁寧に診てくれていると感じる医師からの説明は、耳に入りやすいはずだ。目を見て向き合って、分かりやすい言葉で丁寧に伝えることは、簡単なようで難しい。これをDr.ノブは、たんとやってのける。

妊婦さんたちは帰り際、Dr.ノブに握手やハグを求めている。診察のわずか数十分で、これだけの信頼を得られるのは、本当にすごい。他のフェローの診察のときには、このような光景は見たことがない。私たちもDr.ノブのような人になりたい」

みんなが口をそろえてほめ称えていました。妊婦さんたち家族からだけではなく、同僚たちからの信頼もあつく、尊敬され愛されていることを感じました。世界中の人から認められ愛される医師と出会え、また日本で一緒に活動できることをとても幸福に感じました。

後日談ですが、異国の地でのコミュニケーションについて林はこんなことを言ってました。

「イギリスで診療を始めて最初の2ヶ月くらいは、アジア人差別があるのかと思ってました。最初にHelloと言って自己紹介をしただけで、他の医者に替えてくれと言われることも日々ありました。でも徐々に英語が話せるようになって、知識も技術もついてくると、診察中の短い時間に信頼関係を築けるようになった気がします。次回も指名したいから外来日を教えて欲しいと頻繁に言われるようになったし、お産後に赤ちゃんを見せにわざわざ病院に来てくれたり、インターネット上で高評価されているのをみたり、留学開始当初じゃ考えられないほどに受け入れてくれたように感じました。面白いのは、3年前に会った妊婦さんも1年前に会った妊婦さんも、 ”はじめまして” の関係であるということ。Helloの時点で懐疑的な目になられてたのは、人種差別じゃなくて、Helloの発音がおかしかったり、そのときに自信なさそうな表情をしてたからなのかな、と今は思います。医学だけじゃなくて色々なことを学ぶ留学でした」
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2019年02月18日

King’s College Hospital訪問記

文責:佐野 仁啓(副理事長・ITエンジニア)

2018年12月初旬、イギリス・ロンドンにある林代表が勤めるキングスカレッジホスピタルにお邪魔し、 胎児健診と胎児治療の様子を見学しました。 私自身一人の息子がいますが、妊婦検診のときは父親は診療室にほとんど入れなかったた め、しっかり見るのは初めてでした。そして、英国における胎児健診・治療を見られたの は、二人目の子を考えている私にとって個人的にもとても糧になるものだと思いました。


さて、胎児健診という言葉は日本ではあまり馴染みがありません。胎児健診とは、いわゆる妊婦健診と異なり、胎児を診ます。つまり胎児の健康状態をチェックしています。

日本では、生まれる前に病気や障がいを見つけることは「出生前検査」と呼ばれ、その是 非が議論をされています。現時点では一般診療として全員に胎児健診を行っているわけで はないため、生まれてから分かる病気や障がいが数多くあります。妊婦健診は主に母体の 健康状態を確認するために行われるもので全妊婦に行われますが、胎児の異常に関する チェックは、妊婦さん自身がどこまで求めるかに大きく依存し、その内容や質も産婦人科 医個人によって変わると言われています。

英国では、2回の胎児健診で数十個のチェック項目を元に、赤ちゃんに特別なケアを必要 とする病気や奇形がないか1時間ほどかけて入念に行います。一回の診察時間が長い代わ りに、超音波検査は妊娠中に二回(初期と中期に一回ずつ)しかありません。

日本の妊婦健診では十数回通い、1回当たりの健診時間は5~10分ではないでしょうか? 待ち時間も考えると、おそらく1回の健診で1~2時間要するので、妊婦さんの精神的負担も大きいですし、(私は男性ですが毎回診られることに抵抗がある方も少なくないと思い ます)、全ての健診に、パートナーと一緒に行くのは難しいようにも思います。 「1-4週ごとに大きさを測ってるから赤ちゃんの成長を感じられるし、エコー写真もしっか りもらえるし、妊娠中に2回だけの超音波検査だと不安」と思うかもしれません。私自身 もそう思ってました。しかし実際に1時間かける「胎児健診」は、5-10分の診察を 複数回繰り返すよりも、体系立っていると感じました。日本の場合は、通常の妊婦健診で の超音波検査をなくすのではなく、それに加えて、胎児ドックを妊娠中に数回加えるという形になるのかなと思います。

少し脱線しますが、出生前の健診(出生前検査)は命の選別につながると言われています が、胎児健診を行うことで生まれる前から病気が分かるので、出生直後から他の診療科と 連携して治療ができたり、家族が準備(制度や利用できるサービスを知る、心構えができ るなど)できるなど、多くのメリットがあります。また、妊娠中にできる胎児治療は、出生後のQOL向上をもたらします。

日本では、胎児に関する健診や治療の一般普及が、諸外国に比べてすでに30年以上遅延し ていると言われています。出生後の治療は可能な限り行っていると思いますが、胎児につ いては「検査」の時点で足踏みをしているように感じます。足踏みをしてじっくり考える ことも大切ですが、それと同時に、生まれるまで赤ちゃんを「診ない」デメリットについ ても少し焦点を当てていかなければならないと思っています。医学が進歩すればするほど、知ることでできることが増えていきます。「知る」ことが安全な選択肢として広く一般に 普及できない理由を考えるとともに、できることから進めていきたいと思っています。

話は戻りますが、この滞在中に様々な診察や治療を見ることができました。「胎児の治療」 と聞いたとき、1人の胎児に対して何人の医療者が治療に当たると想像しますか?

私が見学した治療では、5人未満と非常に少ない人数で治療を行なっていました。そして、 手術台のようなものの上に妊婦さんが横たわって、治療するのかと思っていたら、超音波健診と同じ部屋で行われていました。 医療機器も、大掛かりなものは使っていませんでした。もちろん健診や治療の技術、胎児 科以外にも多くの連携する診療科がある前提ですが、イメージしていた胎児治療とは大き く異なり、想像以上にシンプルで、日本での普及が困難とは思えませんでした。

私は医療者ではありませんが、仮に医療者であれば、目の前の妊婦さんやご家族が安全安 心に出産に望めるのが理想的と考えると思いました。そのために必要な情報は伝えたいで すし、たとえショッキングな情報でも、サポート体制とともに紹介したいと考えると思い ました。

もちろん、当事者でなければ分からない気持ちも多くあります。だからこそ、私たちが目 指す、「診断を受ける前でも受けた後でも『障がい』や『病気』に対して不安な気持ちを 持つ家族をサポートする仕組み」を、1日でも早く構築したいと思いました。
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2019年02月16日

Fetal Medicine Foundation 視察報告(2018/10/23-28)

昨年10月、一緒にFMFを見学をした日本人の小児科医の感想を頂いたので、許可を得てここに掲載します。


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FMFは、胎児医療の創始者の一人であるKypros Nicolaides先生が代表の、イギリスで胎児医療の発展と普及に貢献しているNPOです!20年以上の歴史があり、30億円以上の助成金と、胎児クリニックなどの収益によって胎児医療に関する臨床研究、医療技術開発を行なっています。日本ではちょっと考えられない規模ですよね。
FMFには胎児科医がたくさんいます。胎児科とは、お腹のなかの赤ちゃん(胎児)の診断と治療を専門とする分野です。出生前検査と胎児医療を学ぶために、ヨーロッパ中から胎児科医が勉強にやってきています。ヨーロッパ外から来ている医師は少なく、そのうちの一人が林伸彦先生です。

イギリスでは、出生前検査のイメージは日本と大きく異なると思います。日本で出生前検査と言えば、新型出生前検査(NIPT)、絨毛検査や羊水検査など、個別の検査を思い浮かべるかもしれません。しかし、イギリスでは、お腹の赤ちゃん(胎児)について妊娠初期から健診(スクリーニング)を行い、さらにハイリスクの胎児に対して適切な追加検査を選択していく過程全体を出生前検査と呼びます。

妊娠11–13週で、ほとんどの妊婦さんが胎児に関する超音波検査を受けているとのことです。そこで胎児の脳、心臓、手足などから、へその緒、胎盤の状態までチェックされます。そこで、様々な異常について診断や、リスク評価がなされます。出生前検査というと、ダウン症の検査、というようなイメージがあるかもしれませんが、この検査はダウン症に限らず、生まれつきの心臓の病気や、脳の病気など、あらゆる病気を対象としています。必要があれば、妊娠20週と36週にも超音波検査があります。

ここで、ダウン症についても述べなければなりません。日本ではNIPTのみで胎児がダウン症である確率を告げられることが多いかもしれません。FMFでは、まずお母さんの年齢といった背景によって決まる検査前確率を出し、それから超音波検査で首の後ろの膨らみ(NT)、鼻骨、その他の関連する項目を評価して計算し、胎児がダウン症である確率を算出するそうです。そして、ハイリスクの人たちには、NIPT、絨毛検査、羊水検査などの追加検査を医師が適切にオファーしていくとのことでした。なので、NIPTは精度の高い検査ではありますが、それのみに頼るのではなく、その他の因子も考慮して確率を計算することで、精度は飛躍的に変わります。

実際に、妊娠11-13週、そして20週前後の胎児超音波スクリーニングを見学させてもらいました。先述のように、スクリーニングで扱う異常は21トリソミーや18トリソミー、13トリソミーだけではありません。手足が無い子や心臓の異常がある子、脳の発達に異常がある子、双子で一方が小さい子、横隔膜という筋肉が充分に形成されておらず、肺のあるべきところにお腹の臓器が上がってきてしまっている子など、様々な子どもたちを見つけていました。一言でいうと、日本では妊婦健診でたまたま見つかるような赤ちゃんの異常が、イギリスでは系統立てて早期に見つけられていました。1つの胎盤を共有している双子の赤ちゃんで、一方の赤ちゃんが余分に血液をもらい、他方はもらう血液が少なくなる病気(双胎間輸血症候群)など、治療ができる病気に関しては、胎児診療科の医師たちが治療を行なっていました。

日本では、胎児のスクリーニングは行われていません。日本でも、胎児についての治療は行われており、一部のものについては成績も良好です。しかし、異常を見つける仕組みがないから、宝のもちぐされになっている、と今回の見学で思いました。

さて、赤ちゃんに異常が見つかった場合、中絶を考える家族は当然います。中絶についてもイギリスと日本の違いを感じました。日本では胎児の病気があっても、それを理由に中絶することは法律で認められていません。しかし、実際には希望した人がNIPTをはじめとしたいろいろな「出生前検査」を個別に受け、胎児に異常があったら中絶をする、ということが広く行われています。

イギリスでは、妊娠24週未満まで赤ちゃんの異常が理由で中絶を選択することが認められています。さらに、妊娠24週以降でも、赤ちゃんが生まれてからすぐ死んでしまったり、すごく重い障害を持って機械に頼りながら寝たきりで生活することが明らかな場合は、中絶を選択することができます。

では、イギリスでは胎児の異常があればどんどん中絶する、優生思想が普及した社会なのでしょうか?イギリスだけでなく、胎児のスクリーニングを行なっているヨーロッパ諸国も優生思想に基づいた社会なのでしょうか?そう考えるのはあまりに短絡的です。ヨーロッパは第二次世界大戦でナチスドイツの優生思想を痛いほど経験した地域です。

日本のように、全出産の半数以上がクリニックなどの小規模医療施設で行われ、胎児スクリーニングの基準がなく、個々の医療機関の裁量で独自の「出生前検査」が行われていれば、病気についての充分な情報提供がなく、異常を指摘される時期も様々で、家族は不安なまま中絶を選択することが多くなるでしょう。それに、中絶自体が病院の利益になるので、中絶を積極的に行うクリニックも出てきていることでしょう。

イギリスのように、ある程度統一された基準を基に妊娠初期から胎児の異常を拾い上げると、胎児期から治療できる病気は治療し、治療ができないか、出産後にも障がいと付き合わないといけない異常に関しては、生命予後や、機能予後、受けられる社会的サポートなどについて情報提供がなされ、繰り返しのカウンセリングがなされます。その上で、産む、産まないの選択がなされます。産まない選択をした場合は、お別れに臨み、そこから立ち直るための精神的、霊的ケア(グリーフケア)もなされます。

つまり、イギリスでは、障がいについて納得し、十分に準備をした上で出産、もしくは中絶に臨める社会なのです。日本のように、妊婦健診で突然異常を指摘され情報もないままに不安なだけで中絶したり、出産まで胎児の異常が分からず赤ちゃんのサポート準備が全く整わない状況で産んだり、といったことが起こっている社会とどちらが成熟しているでしょうか。

なぜ、日本で胎児のスクリーニングが広まらないか考えさせられました。胎児のスクリーニングによって胎児の異常を早めに見つけると、より多くの命の選択につながる、と思われているのかもしれません。しかし、胎児の異常を見つけることができる医療技術があるのに、それを未だに制度化しないこと自体、日本の医療者の態度の未熟さを表している気がしました。

日本では出生前に限らず、患者さんに病気が見つかったとき、何を伝えればいいか、どの治療を選択すればいいか、どこまで治療するかを医療者が悩んでいる場面が多い気がします。しかし、生まれ育った環境の異なる他人が本人の価値観を共有することは、たとえ一卵性双生児であっても不可能なはずです。本来は、本人が必要とする情報を与えて、本人たちが納得して判断を下すことが理想です。もちろん、本人たちがどんな情報が必要かわからない場合や、本人たちが感情的になっており情報を受け付けなくなっている場合があります。その場合は、状況把握の手助けとなるカウンセリングなどで支援するべきです。

1日でも早く日本で胎児医療が普及し、救える命がちゃんと見つけ出されるように、そしてそれぞれの家族が納得のいく選択をし、必要なサポートをみんなが受けられる社会となるように、鋭意努力したいと思いました!
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2019年01月11日

comcomインタビュー記事

医療福祉生協の情報誌コムコムにインタビューしていただきました。

冊子自体は現在販売中のものなのですが、中身含めて紹介してもいいとのことでしたので、中身スキャンしたもの掲載します。


comcomについて

comcomは医療福祉生協の情報誌(毎月20日発行、定価410円)です。

医療・保健・福祉情勢を中心に現代を見つめ、タイムリーな情報をお届けします。

健康づくり・まちづくりをすすめる全国の医療福祉生協の取り組みを紹介します。

病気予防になる料理レシピ、映画・音楽情報など楽しい記事もいっぱいです。

購読のお申し込みは、お近くの医療福祉生協事務所までお願いします。

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2018年12月17日

CLAPA(英国口唇口蓋裂支援団体)訪問

参加日時:2018年12月5日

文:對馬朱香(助産師)

口唇口蓋裂の家族を支援するチャリティ団体、CLAPA(Cleft Lips and Palate Association)を訪問してきました。CLAPAは約40年前に口唇口蓋裂をもつ子どもの親と医療者とで立ち上げられた団体です。口唇口蓋裂の本人とその親を、診断された時から子どもが大人になるまでサポートしています。初めはニュースレターなどの冊子を発行することから始めたそうです。


 イギリスでは、妊娠中や生まれてから口唇口蓋裂が診断された場合、24時間以内に口唇口蓋裂のサポートチームに紹介されることになっています。この専門チームはハブとなる病院におり、これらの病院はロンドンには2つ、他にもスコットランドやサウスウェールズなど、イギリス中にあるそうです。専門チームのメンバーは小児科医、小児外科医、小児麻酔医、小児歯科医、矯正歯科医、言語聴覚士、耳鼻咽喉科医、口唇口蓋裂の専門看護師、臨床心理士、遺伝カウンセラーから構成されています。専門的サポート、医療的ケア、精神面、社会面でのサポートや遺伝カウンセリングも行なっています。

 「24時間」がキーワードになっており、診断から24時間以内に地域の口唇口蓋裂専門チームに連絡をすることになっています。その紹介から24時間以内に専門チームがご家族に連絡をとり、CLAPAの存在を伝えます。出生後24時間以内に、口唇口蓋裂の専門看護師が授乳の早期評価とケアプランを立てることも特徴です。

 CLAPAでは出産後、家族からのリクエストがあったときに、ウェルカムパックという、口唇口蓋裂の子のための哺乳瓶と乳首2セットずつと、CLAPAで発行しているニュースレターやリーフレットなどの冊子を無料で送っているそうです。哺乳瓶や乳首については、その子の状態に合わせたものが必要なので、赤ちゃんが生まれた後で、専門看護師に赤ちゃんの状態をみてもらってから、適切なものを選んでからリクエストしてもらうそうです。




また、これらの冊子は、口唇口蓋裂で生まれた子たちの成長の様子などが写真付きで紹介されていたり、CLAPAコミュニティという家族会のようなグループについてや、CLAPAで開催しているイベント情報、調査でわかった情報や医療情報についてが載っています。他の様々な家族の様子を知れたり、つながれるきっかけをもらえることは、家族が孤独を感じることなく、継続した社会的サポートを受けるのにとてもよいことだと思いました。冊子に載っている写真は、家族から送られて来たものを使用しているそうですが、どの家族もニコニコ笑顔で、見ていて私も思わずほころんでしまう、心温まる写真ばかりでした。

 CLAPAコミュニティについてですが、参加するときには年会費を支払う必要はありません。それは、必要な人みんなにアクセスして欲しいから、という理由でした。その代わり、マラソンやスカイダイビングなどのチャリティイベントやパーティなどで少しの参加費を徴収したり、寄付を募ったりするようです。継続可能な運営して行くにあたって資金調達はとても重要ですが、本来の目的、サービスとのバランスを見て、その方法を工夫することは大事だなと感じました。


  また、CLAPAでは承認制のFacebookグループも運営サポートしており、ここには口唇口蓋裂の本人やその家族だけが参加できるようになっています。医療者は参加できないことになっており、それは本人や家族が自由に言いたいことが言えるようなグループにするためだそ うです。多くの人たちの発言は特に問題はありませんが、時におかしな書き込みがないかを、CLAPAのスタッフやトレーニングを受けたボランティアもこのグループに参加して、モニタリングや必要時はファシリテートを行なっているそうです。他にも、ハッピーフェイスグループという、口唇口蓋裂の子どもを持つ両親が、同じような状況にある家族と知り合って、お互いの経験を共有したり、話す機会を得るためのグループもあります。これは、CLAPAによってトレーニングを受けたボランティアによって運営されており、イギリス中の色々な地域にあるそうです。

 オンライン上でもオフライン上でも家族同士がつながれる仕組みがあり、心配や不安の相談や共有だけでなく、子どもたちが笑顔で楽しそうな写真を見ることができたり、自分の子どもが、他の子達と和気あいあいと遊ぶ様子を見れることは、親にとっても幸せで安心できる機会になると思いました。中には、手術の時期が近づいたときに、「この子の笑顔はとても魅力的で可愛い。手術受けさせたくないないな‥。」という方もいたそうです。自分の子どもが、他の人たちから可愛がられ愛される様子を見ることは、親にとってきっと幸せで自信になる瞬間なんだろうなと感じました。


 しかしそんなイギリスでも、口唇口蓋裂は一般的にあまりよく知られてはおらず、医療者でさえも誤った認識でいるひともいるとのことでした。そのために、間違った情報を与えられる家族もいるようで、それは家族にとってとても苦痛で、医療者への信頼を失うような出来事だと思います。CLAPAではそれを避けるために、医療者に向けた短い動画を製作中ということでした。日本でも認知がまだ十分でないことや、言語療法の必要性の認識がまだまだであることなどを考えると、認知も促進できるような媒体の作成や活動を進めていかないとなと思いました。

CLAPAのClaireさん、Annaさん、貴重なお話しをありがとうございました。

CLAPA - Cleft Lip and Palate Association UK

CLAPA - Cleft Lip and Palate Association UK

Cleft Lip and Palate Association UK

CLAPA


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2018年11月29日

第17回『ベンチャー・カップCHIBA』ビジネスプラン発表会

参加日時:2018年11月28日

文:佐野仁啓(副理事長)

第17回『ベンチャー・カップCHIBA』ビジネスプラン発表会のショートプレゼンで、胎児検診ホットライン(仮)の事業説明を行いました。

今回のビジネスプランには最終審査には進めませんでしたが、最終前の3次審査まで進んだ4社のうちの1社として、3分間のショートプレゼンを行う機会をいただき、発表させていただきました。

前回Blogにある内容を3分にまとめて発表するのは至難の業でしたが、日本にも同様の仕組み必要性を話せたんじゃないかと思います。

サンプルもできつつあるので、有識者を集めてパブリッシュに向けて進めていきたいと思います。

来年もチャンスがあればこの場に立ちたいと思います。

ファイナルに進んだ発表はどれも素晴らしく、すでに実現できて事業として回っているものも多かったです。

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2018年11月26日

ARCで医療者向けのトレーニングに参加

参加日時:2018年10月28日

文:對馬朱香(助産師)

ARC(Antenatal Results and Choices)で行われた、出生前診断に関わる医療者向けのトレーニングに参加しました。

参考:国営NHS病院訪問のレポートはこちら

参考:Fetal Medicine Centre訪問のレポートはこちら

30年近くグリーフケアや出生前診断カウンセリングに関わっているカウンセラーがファシリテーターとなりトレーニングが開催されました。当団体からは理事長の林と、私(助産師)と小児科医が参加しました。

小児科医のレポートはこちら

参加者は助産師や看護師で、出生前検査に関わる病院やクリニックに勤務しており、具体的なサポート経験と豊富な知識を持っていて、その方たちの経験共有などからもたくさんの学びがありました。彼女たちの経験値や知識量にはとても驚かされ、真剣にプロフェッショナルとして学び続け向き合っているのだと、感銘を受けました。


トレーニングでは、胎児異常を伝えられた妊婦さんたちが意思決定するために必要な情報や、意思決定に影響する要因、さらには妊婦さんの気持ちに焦点を当て、どのような態度でカウンセリングにあたるとよいかなど、診断後のカップルの助けになる関わり方について学びました。ロールプレイングをしたり、意思決定後の気持ちの移り変わりについて時期ごとに考えたり、このような経験をしたカップルがその時感じたことを読んだり、妊婦さんとその家族の立場から支援できるようになるトレーニングでした。

特にカップルから語られる言葉は、強く心が揺さぶられ、痛み、涙が出るものでした。日本ではあまり語られることの少ない彼女たちの感情や経験は、妊娠に関わる人たちが、彼女たちに寄り添い続け、気持ちを尊重し続けるために、知っておくべきものであると思いました。このような経験談は、ARCではChoicesという本で、アメリカではEnding a wanted pregnancyというHPサイトで知ることができます。胎児異常を指摘されたカップルたちにとって、この時の思いや感情を表現することはとてもつらく、苦しいものではありますが、同じような経験をした人にとっては、少なからず助けになるのだと信じ、既存の団体と協力して日本版も作成したいと思いました。

また、今回のトレーニングには、イギリス国内からだけでなく、私たちのように国外から参加している方もいました。妊婦さんたちが意思決定する上での重要な要因に、中絶に関する法律があることも、もちろん議論になりました。中絶がサポートされていない国において、カップルたちの意思決定のプロセスにどのように関わることができるか、大切なことを学ぶことができたと思います。

イギリスと日本、または他の国々で、考え方や文化、教育、宗教感などの違いは、もちろんたくさんありますが「妊婦さんやその家族の考えや気持ちを尊重したい」という思いは、ここに来ていた参加者たちは同じなのではないかと感じました。

「いのち」の考え方は、その人自身や、取り巻く状況によって、異なるものだと思います。明確な考えを持っている人も、言語化できなくても思いがある人もいます。これは第3者が決めて押し付けるものではなく、それぞれが持つ価値観が尊重されるべきものだと思います。

妊婦健診で異常を指摘され、困難な選択を強いられている家族が、孤独を感じず、サポートを受けながら意思決定できるように、ARCを参考に活動していきたいと、強く感じた貴重な1日でした。

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2018年11月25日

The Fetal Medicine Centre (FMC) 訪問

訪問日時:2018年10月24日

文:對馬朱香(助産師)

現在、当法人代表理事の林が勤務しているThe Fetal Medicine Centre(FMC)のクリニック見学に行きました。こちらは国営のものではなく、自費診療を行なっているクリニックです。

参考:国営NHS病院訪問のレポートはこちら

ロンドンの綺麗な街並みの中にある、1軒のビルの中にそのクリニックはありました。中はとても綺麗で、エステサロンのような、博物館のような雰囲気がありました。子どもたちのためにおもちゃや絵本が置いている場所もあり、子どもと一緒にでも受診しやすい環境が整えられていました。

FMCでは胎児診療を行なっており、当法人代表理事の林が診察をしている様子を見学しました。日本で通常の妊婦健診の時に行う超音波検査は、胎児の成長を診ることがメインで、胎児の全身をくまなく診るということは行なっていません。

一方、FMCで行う健診では、胎児の頭から足の指先まで全身を診ます。とても時間がかかるのでは、と予想していましたが、赤ちゃんの向きが健診するのに問題なく、特に何も異常が見つからない場合は20分程度で終了することを知りました。素早く正確なエコー技術は信頼感があり、丁寧でユーモアのある説明で始終和やかな雰囲気の診察でした。

何か異常が見つかった場合は、絨毛検査や羊水検査などの確定診断をするための方法や、中絶についてなどの説明が、院長であるニコライデス教授からされていました。教授は、穏やかで優しく信頼できる態度とスキルで、カップルの気持ちや意思を尊重できるような説明をしていました。

胎児の異常が指摘された人は、すぐに決断して検査を受ける人、戸惑って時間を必要とする人、一度家に帰ってパートナーと話をしたい人などさまざまでした。エコー検査を受ける前に、この検査の目的について十分な説明を聞いていたり、エコー検査の受診が義務付けられていたりすることが影響しているかもしれませんが、「まさか自分が……」と思うであろう状況にもかかわらず、短時間で決断した人がいたことは少し驚きでした。

絨毛検査や羊水検査はエコー検査をしていた部屋と同じ場所で、大掛かりな設備も必要なく、ほんの5分程度で行われていました。検査を受けた人は終わった後もすぐに自宅へ帰ることができるので、検査を受けることへのハードルが気持ち的に少し軽減されるように感じました。

また、検査を受けるクライエントは、自分の状況についてよく勉強している様子で、医療者でないとなかなか馴染みのないような言葉も知っており、これもまた驚くものでした。赤ちゃんのことについてや検査結果などのレポートは、全て妊婦自身に渡され、彼女たち自身が保管しているようです。

日本では他の病院を受診するとき、医師が書いた紹介状を病院に持って行きますが、イギリスでは自分で保管しているレポートを持って直接行く、という仕組みでした。自分自身の状態や胎児のことを、妊婦自身がより理解しやすい環境であると思いました。

また、1回あたりの診察時間は30分で、医師としっかり話せる時間が確保されていることや、他に質問がないかを何度か確認され、聞きたいことが聞ける環境というのも、自分と赤ちゃんの状態を把握する上で大事なことだと感じました。

日本に帰ってから助産師として働く上で、大切なことを学んだ1日でした。

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King’s college Hospital訪問

参加日時:2018年10月25-26日

文:對馬朱香(助産師)

ロンドンにある国営の大学病院、King’s college Hospitalを訪問しました。

国営の病院では、妊娠初期と中期の胎児健診(King’s collegeでは後期も)と胎児治療が無料で行われています。世界中の医療者が見学や胎児診療の研修を受けにきており私たちの見学も快諾していただきました。見学に際し、はじめに守秘義務や情報開示ルールについての誓約書にサインし、診察と手術を見学しました。

現在、当法人代表の林がKing’s college Hospitalに勤務しているので、午前中は林が日本から来ていた助産師へ向けて、イギリスでの胎児健診の仕組みや、そこに関わる助産師の重要性などについてプレゼンしました。英国の助産システムは日本と異なるものですが、切れ目ない支援をするためには助産師が必要不可欠であることを感じ、助産師一同奮起しました。助産師の専門性の高さや、自分たちで判断することの多さ、責任感の強さなど、身の引き締まる思いでした。

その後、胎児健診の様子を見学しました。健診は2人体制で行っており、なにかあれば胎児科コンサルタントに診てもらえること、必要であれば検査や手術もできる体制があることなど、胎児を診るシステムがしっかりしていると感じました。

妊娠初期と中期のエコーでは、1人45分程度かけてしっかり診ていました。赤ちゃんの健康に問題があるのかどうか、それは治療できるものか、緩和ケアが考慮されうる状態なのかなど「赤ちゃんを診ること」と、母親の妊娠高血圧腎症や早産のリスク評価など「母親を診ること」の両方がなされていました。家族と受診している妊婦さんが多く、エコーを見たり説明を聞いたりしながら、顔を見合わせて微笑みあっている様子は、見ていて幸せな気持ちになりました。ローリスクの妊婦さんは、妊娠期間を通して2回(もしくは3回)のエコー検査で良いため、付き添いの人も一緒に来やすいと思います。また、赤ちゃんになにか気になる点があってカウンセリングを必要とするときでも、夫婦で共通認識を得て一緒に考え話し合えるのでよいと思いました。


初期と中期でしっかり時間をかけてリスク評価をし、リスクが低い妊婦さんはかかりつけの助産師または医師に診てもらい、リスクが高い妊婦さんはそれぞれの状態に合わせてスケジュールが組まれるという仕組みは、日本とはまるで違うものですが、ローリスクの妊婦さんたちは、コミュニティでかかりつけ助産師と十分に関わることができるし、ハイリスクの妊婦さんは、より重点的に診てもらえる仕組みだと思いました。


胎児治療もマジックミラー越しに隣の部屋から見学することができました。”胎児治療”という言葉だけ聞くと、どのようなものか具体的な想像がつかず、手術室で厳重な装備や大掛かりな機器を使うような手術を想像してしまっていました。しかし実際は、それまでエコー検査をしていた部屋で行っていて、治療自体はほんの10〜15分程度で終了し、妊婦さんはそのまま帰っていきました。日本では羊水検査の後、数時間は安静にしてから帰宅するので、治療後にそのまま帰っているのには驚きました。

胎児をしっかり診る仕組みが普及すること、胎児も適切な時期に受けられること、家族が赤ちゃんの状態を知ることで、自分たちと赤ちゃんにとっての最善の選択(治療や出産時期、出産場所、看取る、ということなど)ができるようになること、そしてどのような選択でも社会に受け入れられ支援されること、これらのことを実現していきたいと強く思った日でした。


posted by NPO法人親子の未来を支える会 事務局 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動報告