• もっと見る
京都フォーライフ〜「自信」と「誇り」をもって働くために〜
NPO法人京都フォーライフの公式ブログ
« 2025年09月 | Main | 2025年11月 »
<< 2025年10月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
時代[2025年10月27日(Mon)]
私が担当する 「フォーライフshiki」工場 では 主に、年間を通して お歳暮やお中元向けの ゼリーや羊羹などにシールを貼る作業や 箱折り作業などを 行っています。
季節の波に合わせて、忙しい時期と静かな時期を繰り返しながら、これまで長い年月を歩んできました。
しかし、近年は機械技術の発達が目覚ましく、私たちの担ってきた「手作業」が、少しずつ機械に置き換えられるようになってきました。
社会全体にとっては、人手不足の解消や 生産効率の向上という面で、とても意義のある前進です。
けれど、私たちの現場では、その変化が「仕事の減少」という形で確実に影を落とし始めています。

障がいがある従業員(利用者)の皆さんにとって、働くことは単なる「作業」ではありません。
それは、自分の居場所を持ち、自信と誇りを感じながら、社会の一員として歩むための大切な営みです。
だからこそ、どんなに環境が変わっても、この「働く場」を守りたい。
それが、私たち支援員の変わらぬ願いです。

今、私たちは、仕事の量と質、そして収益の確保という三つの課題に同時に向き合っています。
決して簡単ではありません。
けれど、地域の協力企業の皆さま、連携機関の皆さまが支えてくださっているおかげで、従業員(利用者)の皆さん ひとりが自分の力を信じ、「今日も頑張ろう」と笑顔で工場の扉を開けてくれています。

「京都フォーライフ」という職場は、単に「働く場所」ではなく、その人らしい生き方を支える「居場所」でもあります。
私たちはこれからも、従業員(利用者)の皆さんにが この場所で自信を育み、誇りをもって日々を積み重ねていけるよう、心を尽くして 支援を続けてまいります。
華やかな成果はまだ見えないかもしれません。
それでも、ひとつの笑顔、ひとつの「できた」が積み重なって、やがてこの場所が、誰にとっても温かい光を放つ場となるように――。
私たちは これからも、静かに、そして 真っすぐに歩みを続けていきます。
社会性を育むということ[2025年10月20日(Mon)]
10月に入り、私が担当する事業所でも、出荷作業が本格的に忙しさを増してきました。
作業場では、一人ひとりが与えられた仕事に真摯に向き合い、懸命に取り組む姿が見られます。
その姿は頼もしく、私たち支援者にとっても大きな励みとなっています。

そんな中で、ふと「仕事をするうえでの社会性」について 考える機会がありました。
“社会性”という言葉は、とても抽象的で、広い意味合いをもってとらえられている印象です。

私がシンプルにとらえ、大切だと感じているのは、日常の中にあるささやかな行動です。
   ・挨拶を交わせること
   ・周囲と協力し合えること
   ・感謝の気持ちを言葉や行動で伝えられること
どれも特別なことではありませんが、職場での人間関係や信頼の基礎となる、大切な力だと感じます。

ただ、この「社会性」というものは、支援する立場と支援を受ける立場とで、その受け止め方が異なることもあります。
年齢や経験、特性によっても感じ方はさまざまで、「社会性を身につけましょう」と言葉で伝えるだけでは、うまく届かないことも少なくありません。

だからこそ、まずは 私たち支援者自身が、
「今の時代に求められる社会性とは何か」
を 共通の目線で考えることが大切だと思います。
そのうえで、私たち自身が率先して挨拶をし、互いを思いやり、感謝の言葉を交わす――
そんな日々の姿勢を示すことこそが、何よりの支援になります。
“社会性”とは、誰かに教えられて身につくものではなく、
人と人との関わりの中で、少しずつ育まれていくものだと思います。

これからも従業員(利用者)の皆さんとともに、
働く喜びの中で、社会性の芽を大切に育てながら、
ともに成長していける場所でありたいと願っています。
現場で働き続けるために[2025年10月13日(Mon)]
最近、長年 現場でバリバリ働いてきた従業員(利用者)から、
『もう歳やし、あちこち痛いねん…どうしよ…』と、ぽつりとこぼされました。
かつて、汗を拭いながら後輩に指導していた背中が、少しだけ小さく見えた瞬間でした。

一方で、今年入ってきた18歳の新人従業員(利用者)さんが、
『定年まで頑張ります!』と目を輝かせて話してくれました。
その言葉に笑いながらも、同じく「自分も定年まで働きたい」と語る彼を見て、
あらためて年齢を聞いたとき――
ああ、もうそんな年になったのかと、静かに時の流れを感じました。

働くということは、身体を動かすだけではなく、
仲間と支え合い、心を寄せ合いながら日々を積み重ねていくことなのだと思います。
年齢を重ねても、安心して自分らしく働ける環境を整えること。
それは設備や環境整備だけでなく、
「その人らしく働き続けられる時間」をどう守るか、ということでもあります。
『定年まで働きたい』――
その言葉の奥には、ここでの時間を大切に思う気持ちと、
自分の力を誰かのために活かしたいという誇りが宿っています。

地域企業への就労移行支援を役割に担う 「就労継続支援A型事業所」の在り方として 賛否はあるかもしれません。
けれど、その思いに応えたい。
我々 支援員も従業員(利用者)の皆さんも、年齢を重ねても笑顔で、
「今日もここで働けてよかった」と感じられるような職場を目指して、
これからも一歩ずつ、誠実に歩んでまいります。
伝えること[2025年10月06日(Mon)]
支援員間で 不定期に開催される ケース検討会の資料が 支援員間の連絡ツール上に掲載されました。
今回、検討される従業員(利用者)Sさんの課題は、
「返事、挨拶しない」「謝罪や感謝の言葉を言わない」

Sさんは、基本的には 明るく元気で 仕事にも意欲的な方です。
少し吃音はありますが、社交的で ちょっとお調子者・・・
だから、「返事、挨拶が出来ない」「謝罪や感謝を言えない」のではなく、
「返事、挨拶しない」「謝罪や感謝の言葉を言わない」のです。
理由は どうやら、それが 「カッコいい!」と 思い込んでいるらしい・・・

思えば、
雨の中を 傘もささずに歩く方,
品のないジャケット,ど派手なズボンで 出勤してくる方,
自転車で 意味のない蛇行運転をする方,
何れも それが 「カッコいい!」と 信じている従業員(利用者)たち・・・
“昭和のツッパリ” かっ?!
自分のバカぶりをひけらかしなさんなっ!!

そんなふうに呆れて、フッと ふりかえると、
“昭和のツッパリ”・・・まさに 自身の少年時代、
自分も 同じようなことをしていたことを思い出し、身がよじれるほどの羞恥と後悔に さいなまれました。

そんな自分が、考えを改めるに至れたのは、
きっと、「返事、挨拶しない」こと、「謝罪や感謝の言葉を言わない」こと、その他 諸々愚行の数々を、「恥ずかしいこと」「カッコ悪いこと」と 教えてくれた人たち,知らしめてくれた人たちがいたからだと思います。

彼らが信じている「カッコいい!」が、実は とても「カッコ悪い」、そして 周囲の方々に不快な思いをさせることを 丹念に伝え続けなければならない。
私たち支援員の仕事とは、 “できていないことを責めること”ではなく、“本当に大切なことを 伝え続けること”、
「伝える」という営みの中にこそ、支援の本質がある、
そんなことを 再確認いたしました。
検索
検索語句
タグクラウド
[
プロフィール

NPO法人 京都フォーライフさんの画像
https://blog.canpan.info/f-life/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/f-life/index2_0.xml