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京都フォーライフ〜「自信」と「誇り」をもって働くために〜
NPO法人京都フォーライフの公式ブログ
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小さな失敗と まっすぐな努力の先に[2025年05月26日(Mon)]
私が担当している シーパック商事鰍ナの施設外就労に取り組む 従業員(利用者)のAさん。
少しおっちょこちょいなところがある彼は、ある週に、携帯電話をバスに置き忘れ、交通系電子カードを落とすという出来事を立て続けに経験しました。
いつもなら戻ってこないかもしれない大切な持ち物・・・
しかし、不思議と、どちらも無事に彼の手元へと戻ってきました。
「自己管理が甘い!」と、我々 支援員やお母さんから注意を受ける場面もありましたが、彼の表情には、どこかホッとした安堵の色が浮かんでいました。

作業の現場でも、彼は毎日一生懸命です。
少し注意されると、「ああ、そういうことか!」とすぐに理解し、改善しようと努力します。
でも、次に別のことを注意されると、前に注意されたことが頭から抜けてしまう・・・
また 「そういうことか!」 と気づき、“次こそは!” と意気込みます。
けれど また別の注意が飛ぶと・・・あれ?・・・ さっきの注意はどこへ?まるで時間がループしているかのような日々。
それでも、彼は諦めません。
失敗しても、笑われても、叱られても、毎日まっすぐに作業と向き合い続けます。

そんな彼の姿に、私たち支援員も 何度も励まされています。
支援する私たちが 意見を統一できていないことで、混乱させてしまったこともあります。
だからこそ、私たち自身がもっと連携を深めなければと気づかされました。
注意がループしても、努力もまたループしていく。
そして、その輪が少しずつ、着実に前へと進んでいく。
彼が教えてくれたのは、『失敗の中にこそ成長がある』ということ。
そして、誰かが 本気で見ていてくれる場所があることの力強さでした。
今日もまた、彼の 「そういうことか!」 が、小さな一歩を生み出しています。

青果市場[2025年05月19日(Mon)]
私は 青果市場での施設外支援を担当しています。
毎日、新鮮な野菜や果物に囲まれながら働く日々はとても充実しており、季節ごとの移り変わりを身近に感じられるこの仕事にやりがいを感じています。
ただ、この市場には少し特殊な環境があります。それは、青果の鮮度を保つため、構内の室温が常に低く設定されているという点です。
昨年の秋に私がこの市場に異動してきた頃は、外の気温と室内の差も少なく、むしろ快適な涼しさだと感じていました。
しかし、年末が近づくにつれ、外の空気はどんどん冷たくなり、それに伴って構内の寒さも一層厳しくなってきました。
私はいつしか分厚い防寒着が手放せなくなり、重ね着をしないと体が冷えてしまうようになりました。

そんな中で、私が驚いたのは、年中薄着で、しかも風邪ひとつ引かずに元気に働いている従業員(利用者)の皆さんの姿でした。
私が寒さに震えている傍らで、まるで春の陽気の中にいるかのように軽装で、笑顔を絶やさずに作業をこなしているのです。

そして、季節が巡って春が近づく頃、外気温は緩んできたものの、市場では再び冷房が強まり、私はまた寒さを感じるようになりました。
それでも不思議なことに、作業場では半袖姿の従業員(利用者)がますます増えていきました。
体格の良い方も、華奢な方も、皆さんが寒さに負けずに動き回る姿を目にして、私はつい「寒くないのですか?」と尋ねてしまいます。すると、決まって返ってくるのは「全然寒くないですよ」という明るい声。

この違いの理由はきっと様々なのでしょう。生まれ持った体質の差もあるでしょうし、この寒さの中で長年過ごすことで身体が自然と適応した人もいるでしょう。また、常に動いていることで体が内側から温まっているのかもしれません。
私はいまだに防寒着が手放せませんが、それでも寒さに立ち向かい、元気に働く従業員(利用者)の皆さんの姿から、毎日大きな力をもらっています。
彼らを見ていると、どんな環境でも前向きに取り組むことの大切さを、自然と教えられるのです。
私は、彼らのように寒さを克服することはできないかもしれません。
でも、私もまた、違う形で誰かの励みになれる存在でありたい。
そう思いながら、今日もこの市場で、少し背筋を伸ばして働いています。
心がまえ[2025年05月12日(Mon)]
私が担当する事業所では、全国各地の神社やお寺で取り扱われている「おみくじ」や「お守り」の製作・包装を行っています。
これらの作業は、ただの業務ではなく、人々の願いを届ける尊い役割を担っています。
どの作業も、ひとつひとつが手から手へと想いを繋ぎ、お客様のもとへ届くと考えると、私たちの仕事は単なる作業以上の意味を持つと感じます。

このような大切な仕事において、私たちは従業員(利用者)一人ひとりの清潔感や身だしなみを大切にし、作業の丁寧さを常に意識しています。
声掛けや視覚的なサポートを通じて、スタッフが安心して仕事に取り組める環境を整えています。
しかし、個々の生活習慣や価値観は異なり、時にはその思いが伝わりにくいこともあります。
それでも、私たちはあきらめません。
一人ひとりの従業員に寄り添い、その特性や思いを理解しながら、最適な支援方法を模索しています。「どうすれば、この人がもっと自信を持って仕事に向き合えるだろう?」その問いを胸に、支援側としても成長し続けたいと願っています。

京都フォーライフは、単なる作業場ではありません。
ここは、働く人々が自信を持ち、誇りを感じられる場所。
心を込めた「お守り」や「おみくじ」は、私たちの想いが詰まった贈り物です。
これからも、この場所で笑顔が溢れるよう、一丸となって支援し続けていきます。
翔(Sho)[2025年05月05日(Mon)]
翔(Sho)こと、従業員(利用者)のKさん。
支援学校在学中の彼の進路希望先は、男性アイドル事務所「J」でした。
アイドル歌手としてテレビ番組やコンサートで活躍することを、心から強く望まれていたのです。
キラキラとした未来を信じ、ステージの光の中に 自分の姿を重ねていた日々・・・
しかしながら、「J」事務所からは 当然のことながら何のオファーもなく、足がかりすらつかめないまま時間が過ぎていきました。
翌年に卒業を控えた高等部3年生の夏、京都フォーライフでの職場実習を経験したことが、翔(Sho)にとっての転機となりました。
「歌って踊ることは、ステージだけでなく、働く現場でも活かせるんだ」――そう気づいた翔(Sho)は、翌春、 “歌って踊れる作業員” として活躍することを目指し、京都フォーライフに入所してきてくれたのです。

先日、地域の『ボランティアフェスティバル』にて、翔(Sho)が自分のこれまでの歩みを語る貴重な機会が訪れました。
「知的障がいがある方の立場から、自分の思いを発表できる方」という募集に、翔(Sho)は快く応じてくれました。
しかしながら 当日 本番、翔(Sho)は緊張と、少し難しかったイベントの趣旨に戸惑い、ほとんど話すことができませんでした。
結果として、引率した支援員が代わりにその思いを届けることになりました。
それでも、メインステージに立った翔(Sho)は上機嫌でした。

後日、「大活躍やったそうやね」と声をかけると、翔(Sho)はキムタクばりに「まぁな!」と応じてくれました。
その一言には、彼が歩んできた道、乗り越えてきた壁、そしてこれから広がる可能性がぎゅっと詰まっているように感じました。
今、翔(Sho)は京都フォーライフの作業場で、毎日を明るく、元気に、そして楽しく働いています。
夢の形は変わったけれど、自分らしい輝きを放ちながら、翔(Sho)は今日も “歌って踊れる作業員” として大活躍中です。
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