「フォーライフshiki」の工場には、8:00時間のフルタイム勤務に従事しているメンバーが8名います。
この工場の作業活動は、この8名を中心にして 進めてきました。
しかしながら、業務の都合で 今月初めからこの8名全員に「施設外就労」として 地域企業での勤務に当たっていただくこととなりました。
中心メンバーを失った当初は、バタバタと いろいろな出来事やプニングもありましたが・・・
今では 残されたメンバーがそれぞれに責任感を持って、お互いに協力して作業に取り組まれる様子がうかがえます。
声を出すことが苦手だった従業員が 声かけをするようになったり、他人任せにしていた商品の仕上げ作業に進んで取り組まれたり、わずかな期間ですが 一人々々の成長が感じとれます。

梅雨に入り 蒸し暑い日が続きます。
マスクの着用が欠かせない状況が続いている状況ですので、熱中症予防には ずいぶん気を遣います。
厳しい季節になりますが、体調に気をつけて チームワークで乗り越えてほしいと思います。

数年ほど前から 事業所の周辺にプランターで花を育てるようにしています。
いずれの事業所の周辺も スレート葺の無機質な工場ばかりが立ち並ぶ工業地帯ですので、少しでも 気持ちが和むようにと 季節ごとの花を植えています。
今年は「緑のカーテン」を作るべく、「ゴーヤ」も植え着けてみました。
毎日、水やりや 咲き終えた花の摘み取り，草取り，時々 肥料を置いたりと、ガーデニング気分で楽しんでますが、やはり 夏場の管理は大変です。
特に、日照りが続くと水やりが欠かせません。休日であっても 同じです。

そんな花々に 従業員の皆さんは何の関心もないように思っていました。
花をめでるでもなく、新しい花に植え替えても、暑さでしおれていても、知らん顔・・・
なんと 甲斐のないことか・・・と思って あきらめていました。

一月ほど前、水やりをしている私に 従業員のRさんが「お花が 喜んでるね」と 声を掛けてくれました。満面の笑顔で 色とりどりのパンジーを 見ておられました。
お花の代わりに お礼を言ってくれたのでしょう。
また つい先日、日曜日で休日の朝、水やりに出向いたところ 既に水やりをした形跡がありました。
“支援員の誰かが 気を遣ってくれたのだろう” と 思っていましたが、後日、従業員のKさんが わざわざ早朝に来所して 水やりをしてくれていたことを知りました。
お礼を言うと 「いえいえ」と 特別なことでもなく “何でもないこと”と いった素振りでした。
Yさんもまた、「もう実がなってる！」と 小指くらいに育ったゴーヤを見つけて、大喜びで報告に来てくれました。
今から 収穫を楽しみにしておられるようでした。

“関心がないのか” と 思っていましたが、皆さんそれぞれに 楽しんでいることを知ることができた出来事でした。
皆さんにとって、仕事の合間のわずかな休憩時間、ゆっくりお花にかまっていられない。
それでも 癒されたり，元気づけられたり，季節を感じたり・・・
そんな気づきに、私自身が 励まされました。

私も含め、従業員さん達も楽しみにしていた「交遊会」が、新型コロナウイルス感染対策の関係で中止となりました。
「交遊会」は、年に一度、全ての従業員と支援員が一堂に会して、新入従業員の紹介と歓迎，長期在籍者や昨年度の優良従業員の表彰，事業所対抗の「カラオケ大会」，そして 会食を楽しむパーティーです。
楽しみにしていた分、皆さん残念がっておられました。

数か月間、世間では “自粛・自粛” と言われ続けていましたが、ここ最近 やっと落ち着きが窺えます。
就業員の皆さんも、自粛生活を心がけて 手洗いやマスクの着用，朝の検温や健康チェックを徹底してくださったおかげで、「京都フォーライフ」からは感染者が出ずに過ごせています。
しかしそのせいか、好きな事が思うように出来ない，いろいろ細かなことに気を遣わなければならない、皆さん ストレスが溜まっておられるようで・・・
時々、作業中にもピリピリすることがあります。
それでも 一生懸命仕事をして、仲間同士で励ましあう姿を見て 微笑ましく思い、ずいぶん励まされました。
私も “頑張らないといけないな” と 思い知らされました。

私が「京都フォーライフ」で支援員になって 約一年半経ちました。
この数か月間にも、従業員さんの新たな一面を見ることが出来ました。
そんな新たな一面を もっと発見出来るように、支援に努めて行きたいと思います。