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京都フォーライフ〜「自信」と「誇り」をもって働くために〜
NPO法人京都フォーライフの公式ブログ
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フライパン[2025年11月10日(Mon)]
京都フォーライフが運営する『For the life Café』のバックヤードで働く、従業員(利用者)のYさん、
厨房の様子を見に伺ったとき、彼はいつもと少し違う表情で 「これ、あげるわ・・・」と 直径30センチを超える 立派なフライパンを差し出してきました。
どうしたのか尋ねると、「昨日の休日に スーパーで見かけて一目惚れし、思わず購入したものの、帰宅してから 電磁調理非対応の商品だと知った」 とのこと。
「じゃあ 職場で使ってもらおう」と 持ってきたけれど、カフェの厨房も すべて電磁調理器仕様で、どこにも居場所がなくなってしまったようです。

Yさんはグループホームで生活されており、普段の食事は調理担当の方が作ってくださいます。
自分で料理をする機会など ほとんどありません。
それでも、この大きなフライパンを手にした瞬間、
“カフェの厨房スタッフとしての誇り” や “自分専用の道具を持ちたい” という 静かな職人魂が、彼の中で芽生えたのかもしれません。
そう思うと、そのフライパンが ただの調理器具ではなく、Yさんにとって “働く喜び” を形にした 象徴のように感じられました。
だからこそ、それを使えなかったときの落ち込みは、誰よりも深かったのだと思います。

私自身、調理器具を買う機会が少なく、電磁調理に対応していない商品があることを このとき初めて知りました。
売り場では きっと 表示や注意喚起もされていたはず、
もしかすると、店員さんも丁寧に 確認してくださったのかもしれません。
それでも、知的障がいがあるYさんには、その意味を理解するのは難しかったのでしょう。

“暮らしの中の当たり前” が、誰かにとっては 大きな壁になることを 改めて感じた出来事でした。
そして、そんな小さなつまずきが、働く人の誇りや 気持ちを傷つけてしまうこともあるのだということを。
Yさんが差し出したフライパンは、今も厨房の隅で 静かに光っています。
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