• もっと見る
京都フォーライフ〜「自信」と「誇り」をもって働くために〜
NPO法人京都フォーライフの公式ブログ
« フォーライフ(久御山工場) | Main | 八木w »
<< 2025年05月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
翔(Sho)[2025年05月05日(Mon)]
翔(Sho)こと、従業員(利用者)のKさん。
支援学校在学中の彼の進路希望先は、男性アイドル事務所「J」でした。
アイドル歌手としてテレビ番組やコンサートで活躍することを、心から強く望まれていたのです。
キラキラとした未来を信じ、ステージの光の中に 自分の姿を重ねていた日々・・・
しかしながら、「J」事務所からは 当然のことながら何のオファーもなく、足がかりすらつかめないまま時間が過ぎていきました。
翌年に卒業を控えた高等部3年生の夏、京都フォーライフでの職場実習を経験したことが、翔(Sho)にとっての転機となりました。
「歌って踊ることは、ステージだけでなく、働く現場でも活かせるんだ」――そう気づいた翔(Sho)は、翌春、 “歌って踊れる作業員” として活躍することを目指し、京都フォーライフに入所してきてくれたのです。

先日、地域の『ボランティアフェスティバル』にて、翔(Sho)が自分のこれまでの歩みを語る貴重な機会が訪れました。
「知的障がいがある方の立場から、自分の思いを発表できる方」という募集に、翔(Sho)は快く応じてくれました。
しかしながら 当日 本番、翔(Sho)は緊張と、少し難しかったイベントの趣旨に戸惑い、ほとんど話すことができませんでした。
結果として、引率した支援員が代わりにその思いを届けることになりました。
それでも、メインステージに立った翔(Sho)は上機嫌でした。

後日、「大活躍やったそうやね」と声をかけると、翔(Sho)はキムタクばりに「まぁな!」と応じてくれました。
その一言には、彼が歩んできた道、乗り越えてきた壁、そしてこれから広がる可能性がぎゅっと詰まっているように感じました。
今、翔(Sho)は京都フォーライフの作業場で、毎日を明るく、元気に、そして楽しく働いています。
夢の形は変わったけれど、自分らしい輝きを放ちながら、翔(Sho)は今日も “歌って踊れる作業員” として大活躍中です。
「また 京都フォーライフで」[2025年04月07日(Mon)]
3年前に体調を崩し、それ以来出勤ができなくなっていたYさん。
昨年には症状が進行し、10日以上も集中治療室で治療を受けるほどの重篤な状態に陥りました。
しかし、治療の甲斐あって昨年末には無事に退院し、現在はご自宅で療養されています。
先日、お母さまからご連絡をいただき、お見舞いに伺いました。
横になったままの状態ではありますが、表情は明るく、回復の兆しが感じられました。
お母さまからは、「本人が また職場に戻りたがっています。働けるようになったら、雇っていただけますか?」 とのご相談がありました。
私は 「いつでも大丈夫ですよ。早く元気になってもらってください」とお伝えしました。

京都フォーライフが開設されて間もなく入所され 10年以上 精勤されてきたYさんにとって、毎日の仕事が日常だったのでしょう。
Yさんが仕事への意欲を失わず、「また 京都フォーライフで」と 思って下さることは 私たちにとって 大きな喜びです。
今まで いろいろな事情で京都フォーライフを退職した従業員(利用者)のうち、幾人かが 「「もう一度 ここで働きたい」と 復職され 頑張っていただいています。
体調を崩して やむなく離職した支援員もまた 復職を決意してくれました。

魅力ある職場づくり
誰もが「自信」と「誇り」をもって働ける職場づくり
誰もが意欲と責任を持ち、安心して働ける職場づくり
が 少しづつ実を結んできたのかなと 実感できる嬉しい春です。
強度行動障がい[2025年03月03日(Mon)]
周囲にいる方たちに 殴りかかったり 掴みかかったり、
自分自身をたたいたり ひっかいたり 時には頭を壁や柱にうちつけたり、
身の回りにあるものを手当たり次第に壊したり、
そうした問題行動がある「強度行動障がい」がある方たちの対応についてお話を伺う機会がありました。

私が福祉施設に勤め初めた40年前には体を張って静止することが唯一の対応方法でした。
今では こうした行動を引き起こす要因を丁寧に分析して、周囲の環境を整えることで問題行動を抑制してゆこうする取り組みが進められています。
人権擁護の観点からも 大事な取り組みです。
こうした科学的な対応方がなされるようになったとはいえ たちどころに問題行動が解決されるわけでなく、支援員の専門性や根気強い対応により環境が整えられることで初めて改善が望めるということであり、支援員間の連携が何よりも求められます。

京都フォーライフの事業は 自身の意志で雇用契約を結んで利用していただく福祉サービスですので、自立度の高い方たちの利用が基本であり「強度行動障がい」がある方はおられません。
しかしながら、どのような障がいがある方たちに対しても その方を取り巻く環境を整えることで 障がいを軽減してゆく基本的な対応方法に相違はありません。
我々には そのための専門性とチームワークが求められています。
「強度行動障がい」がある方たちの支援のあり方は、全ての障がいがある方たちの支援に通じています。
日々の支援活動ついて、その基本姿勢を再確認するよい機会となりました。
生成AI[2025年02月03日(Mon)]
先般、「生成AI」についての研修会に参加いたしました。
音声を聞き取って 文章作成をしたり、文章や音声に従って 画像や動画を作成したり、「人工知能」が自ら判断して クォリティーの高いそれらを創造してゆく技術は、既に いろいろなところで実用化されています。
更には、「生成AI」が搭載されたロボットが開発され 既に 実用段階に入っているとのことで、そのロボットが稼働している動画が紹介されました。
人型ロボットが 人と会話をしながら 自ら判断して作業をこなしてゆく様子は、SF映画「スターウォーズ」に出てきた「C-3PO」そのものです。
今がもう、かつて夢見ていた 『未来』 であることを 実感いたしました。
驚愕すべきは、このロボットが 数年後には実用化され、その価格が 乗用車の購入価格並であることが見込まれているとの報告でした。

こうした技術の普及は、人の働き方を大きく変えることになります。
おそらく、今 京都フォーライフで取り組んでいる軽作業などは、10年後には 全て ロボットに取って代られることになるでしょう。
そんな報告をすると、大いに不安がる方がありました。
しかし、「生成AI」は あくまでも “出来ないことを補うための技術” です。
今まで 苦労の中で考えた “こんなことが出来れば・・・” を 解決できるならば、正に 夢の技術です。

「出来なかったことが 出来るように」
「諦めていたことが 可能に」
現代の社会構造の中で “出来ないこと”が多いことで 『障がい者』 と 呼ばれている方たちの支援に携わる我々こそ、「生成AI」技術を 進んで活用し利用する側の立場から 障がいがある方たちの可能性を広げてゆく必要があると考えます。
新しい『未来』は 全ての方々にとって 明るく 夢と希望にあふれるものにしてゆかなければなりません。
明けまして おめでとうございます[2025年01月01日(Wed)]
ss092.png

新年 あけまして
おめでとうございます

本年が 皆さまにとって 笑顔があふれる素晴らしい1年でありますことを 心より ご祈念申し上げます。
本年もまた 京都フォーライフの事業活動にご理解を賜り、一層のご支援とご協力を賜りますよう どうぞよろしく お願い申し上げます
本年も 有難うございました[2024年12月31日(Tue)]
福助.jpg


今年一年間大変お世話になりました。

心より感謝申し上げます。


本年も 多くの皆さまに支えられ、京都フォーライフは 15周年の節目を 実り多い1年とすることが出来ました。

地域企業での就労が困難な重い障がいがある方たちと 雇用契約に基づく就労支援事業に取り組む「就労継続支援A型事業」は、 悪質な事業者の淘汰を目的に、運営の健全性を 一層 厳格に求められることとなり、全国的に廃業や 雇用契約を必要としない「就労継続支援B型事業」への転向が 相次ぎました。
こうした厳しい状況にあって、京都フォーライフは 収益性の高い安定的・継続的な自主事業の確立を目指し 常に健全な運営に努めてまいりました。

地域企業や 関係機関の皆さまのご支援を得て、コーヒー焙煎加工事業や カフェ運営での 増益を図り、また 今秋より 在宅高齢者の自宅を訪問して食事提供するとともに 安否確認を行う「高齢者配食サービス 事業」を開始いたしました。
更に、受託事業にあっても 協力企業より 潤沢に作業のご提供をいただき、一層の収益増に努めてまいりました。
こうした健全な事業運営と “働きやすい職場づくり” への取り組みは、「きょうと福祉人材育成認証制度」において 高く評価いただき「認証」をいただくことが出来ました。

新しい年も、地域企業での就労が困難な重い障がいがある方たちの雇用を守り、より多くの皆さまに 必要とされる事業所になることを目標に 日々の活動に努めてまいります。
今年1年、皆さまより賜りました ご支援とご協力に 心より 感謝申し上げます。
どうぞ よいお年をお迎えください。
共感[2024年12月02日(Mon)]
先日、パソコンに向かって 事務仕事をしているところへ、作業を終えた従業員(利用者)のBさんがやってきて
「理事長、これ」 と、小さな封筒を手渡してくれました。
ラブレター?・・・ではない、
“苦情” とは 名ばかりの、支援員か同僚の愚痴でもしたためてきたか?・・・
と 少し身構えて 中を取り出すと、
     「仕事ってのは ラクじゃないけど
      楽しいこともあるんだ
              野原ひろし」
と 書かれたメモが入っていました。
多分、どこかで見かけた この言葉に共感して、誰かに伝えたかったのだろうと思います。

注意されることも、自分のやりたくない作業を任せれることもあります。
いけ好かない同僚と協力して 仕事を進めなければならないこともあります。
何日も残業が続くこともあります。
まさに 「ラクじゃない」 ・・・むしろ 嫌になる、
それでも やり遂げた時の達成感や 安堵感で 全てが報われたような気持ちになる。
何よりも 誰かの “役に立っている” 誰かに “必要とされている” ことの実感が、
「楽しいこともあるんだ」という 共感に繋がったものだと思います。

・・・で、「野原ひろし」ってだれ?
“どこの偉い人?” と 思えば
『クレヨンしんちゃん』の父ちゃんでした・・・
「仕事」の力[2024年11月04日(Mon)]
私が所属する 京都中小企業家同友会では、「養護施設」で暮らす子供たちに、将来 施設を出て 社会自立するための一助にと 職業体験をする機会の提供に取り組まれています。
「養護施設」は 家庭環境に恵まれない子供たちが 生活支援を受けながら暮らす施設です。

先日、京都府南部地域にある「養護施設」を訪問した際、今年の夏休みに 3日間 洋菓子屋さんとその洋菓子屋さんが主催されている「こども食堂」で 職業体験をされた 中学1年生の女の子の報告を伺う機会がありました。
それまで、キャピキャピして どことなく落ち着かない印象の女の子でしたが、緊張しながらも しっかりとした口調で 職業体験したことの感想を発表してくれました。
報告は 「この実習で 笑顔の大切さを知りました」と 締めくくられました。
その場に居合わせた方々、普段 一緒に生活されている支援員の方たちでさえ 彼女の成長ぶりに驚き 大変 感動させられました。
たった3日間の職業体験が、「キャピキャピギャル」を 自信に満ちた落ち着きのある「お姉さま」に 成長させました。

仕事には 人を成長させる力があります。
支援学校を卒業して 京都フォーライフやってくる従業員(利用者)の皆さんには 毎年、5月頃までは 幼さを感じます。
それでも 夏を乗り越え 秋風が吹くころには 貫禄さえ窺えるように成長されます。
地域企業に適応できず 京都フォーライフやって来られた従業員(利用者)の皆さんも同じです。
自信を無くし おどおどした様子は 半年もすれば 微塵も窺えず、むしろ 厚かましい「おっさん」「おばはん」に 変身です。

働くことが 成長に繋がることを実感出来る日々であればこそ、京都フォーライフは 誰もが「自信」と「誇り」を持って働くことが出来る 職場づくりを目指します。

設立50周年[2024年10月07日(Mon)]
先般、京都フォーライフの事業運営に 日頃からご支援とご協力をいただいている地域企業様の「設立50周年記念式典」に招待を受け 出席いたしました。
たくさんの関係者を迎えられて 盛大に開催された式典は、社の歴史に裏付けられた重厚さを感じました。

自事業所に戻り、その様子をスタッフに報告している際に「京都フォーライフの50周年は どんな感じかな?」
という話題になりました。
今年 15周年を迎えたばかりですので、35年後の話です・・・

「理事長は もう死んでるな」と言われたので
「あなたは ボケてる頃やね」と言い返し、これ以上続くと お互い 感情的になりそうなので 話題を戻しました。

福祉事業は 社会情勢や制度変更に大きく翻弄されがちです。
先の見えにくい不安を抱えながらの将来ですが、35年後には 最古参になるであろう 今 共に働く20代~30代のスタッフが それぞれに 『夢』 を抱いていることに 安心いたしました。
時代々々の中で 理想を追いながら社会課題に挑んでゆく、
もっともっと 活発な事業活動に取り組んでくれることが期待出来て 頼もしく感じました。

目指すべき35年後・・・
『NPO法人京都フォーライフ設立50周年記念式典』が 盛大に開催されるのかな?
Nさん[2024年09月02日(Mon)]
先週 従業員(利用者)のNさんが 亡くなられました。
独り住まいの自宅で、体に変調があり突然死されたようです。

Nさんは 臓器に障がいがあり、地域企業での就労が困難な状況であったために 京都フォーライフでの就労を希望されました。
京都フォーライフのいずれの事業所も 従業員(利用者)の皆さんは 重度の知的障がいがある方たちがほとんどですが、仲間を見下したり トラブルになることは一切なく、むしろ 誰とでも 気さくに接していただける 穏やかなおばさんでした。

初対面の自己紹介で いきなり 「私、バツイチなんです〜」 と アピールされて 「???」
以来12年間、本当に穏やかに 勤めていただいた印象です。
何度か 体調を崩されて 長く休まれることがありました。
コロナ渦に お母さんを亡くされて、元気をなくされていることもありました。
「お父さんの介護が大変で」と 悩まれていることもありました。
いろいろ ご苦労があった中ででも 仕事には意欲的に取り組んでいただきました。

私とほぼ同年齢だったこともあり、
「子供のとき ケロヨンが大好きで」 とか 「三善 英史のファンやったけど」とか
若い他の支援員には 伝わることのない昔話を聞かされたことも、
「初めて買った愛車です」と 白いトヨタLEVINの写真や、「娘の成人式です」と 振り素手を着た娘さんの写真を 嬉しそうに見せていただいたこともあります。
週末の休日にお誕生日を迎えられていたので、亡くなられる前日 「お誕生日おめでとうございます」と 声をかけると、「もう あんまり めでたい歳でもないけどね」と 満面の笑みで返してくれました。
それが Nさんとの最後の会話でした。

従業員(利用者)の皆さんは、様々な事情で、様々な思いで、京都フォーライフで働かれています。
Nさんにとって、京都フォーライフは どんな職場だったのか・・・
私が Nさんに抱いていたように、穏やかな働きやすい職場であったことを 祈るばかりです。

心より ご冥福をお祈り申し上げます。
| 次へ
検索
検索語句
タグクラウド
[
プロフィール

NPO法人 京都フォーライフさんの画像
https://blog.canpan.info/f-life/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/f-life/index2_0.xml