陰山氏模擬授業@明日の教室
[2011年04月23日(Sat)]
京都橘大学の教員向けの研究会「明日の教室」に久しぶりに参加してきました。
今回の講師は、立命館小学校副校長・立命館大学教育開発推進機構教授の陰山英男氏。陰山氏とは、京都府の「明日の京都」ビジョンづくりの懇話会でご一緒したことがありますが、その時は、あまり具体的なお話がなく終わったので、今回、新しい教育・授業について提案されるということで、有名な陰山氏がどんなことをお話されるのか楽しみに参加しました。

模擬授業(参加者約80名のほとんどが学校の先生方)は、”君はこれを覚悟できるか?---7,000,000" という問の投げかけから始まり、対GDP比で国が抱える債務の国際比較表(陰山氏はこの数値が対GDP比であることを言い忘れていましたが、、)を示し、その後、この借金の多くが国債の発行で行なわれ、それを誰が購入しているか、日本の国家予算とその収支へと、質問が続きます。
この内容、偶然にも私が20日の同志社女子大学の講義で学生達に「あなたたちが働く社会とは」について考えるにあたり少し紹介していた内容とかぶります。私の場合は、これに、世界で英語を話す人口が一番多くなるのは中国、テレビ、インターネット、Ipodの普及速度と技術革新の早さなどを紹介して、こらからの社会で必要になる能力について考えさせました。
陰山氏は、中国での小学校での英語教育と大阪府で進めている小学校での英語教育導入について、紹介されていましたが、
ところで、少々ビックリしたのは、日本の経済状況について会社づとめをしているような人なら大抵知っていることだと思うのですが、研究会に参加されている先生がたは、大学生と同様にほとんどご存知なかったことに少々びっくり。陰山氏いわく「自分が給料をもらっている国の経営状況を把握してないのは問題。企業の社員で、自分の会社の収支バランスを知らない人は少ないだろう。」と。
私は、大人が子どもに残しいてる莫大な借金という事実や家庭ではありえない税収と実際に使っている経費の差額について、教師という立場で、知らないこと以上に子どもに教えてないことが罪だと感じました。ちなみに「国債を買ったことがある人」というので手を上げたのは80人もいるなかで私一人でした(苦笑)。
休憩を挟んで後半の授業では、陰山氏が推進してきた百マス計算・漢字学習など、反復学習の効果のお話や、早く寝て朝ごはんを食べる必要性などについてのお話。ちなみに陰山氏はの百マス計算ドリルのDSは欧米でも250万部売れたそうです。
陰山氏いわく、「学力とは脳の効果的活用トレーニング」。ゆっくりじっくり教えると賢くなるというのはウソ。努力しても結果が出なければ意味がないので、努力の評価もほどほどに。本当の学力と受験のテクニックとは違うことは誰でもわかっていることだが、受験のための学習は現代の生きる力。教えるのが当然。また、教育は特殊なことをやろうとしてはいけない。(「総合的な学習の時間」の枠をわざわざ設けるなど)。「あたり前のことをあたりまえにする」ことが大切とのこと。
おしゃっておられることの多くは賛同できることでした。ビジネスでも「当たり前のことを当たり前にやる」ことができずに失敗している人は多いですから。ただ、”要領よくさっさとこなす子”と”要領は悪いがこつこつ努力する子”はどちらが良いかという質問で、後者の子どもには職がないというのは事実ではないでしょう。
残念ながら研究会に参加する前に期待していた新しい発想や提案はありませんでしたが、陰山氏の講演のうまさには圧倒されました。教育者というより「やり手の個人事業家」。話を聞いた若い先生や保護者などは、思わず彼の著作物を購入するだろうと思いました。
一番心に残ったのは、「学校現場の不幸は良い教師が校長になる仕組がないこと」というコメント。多くの教員がうなずいていることだけに、陰山氏ほど幅広く活動されている人にこそ、この改革に取り組んでもらえたら学校がもっと良くなるだろうと思いました。
教師が良い授業をするのは当然のこと。しかし、その前に、地域的に多くの課題を抱えている学校区の場合、校長のリーダーシップがなければ、”当たり前のことを当たり前に”学ぶ生徒やそれを応援する保護者をつくるために教師が精根尽きてしまう現状が多くの公立校に存在しています。そして、経済力のある親も、能力のある教師も、私学に移動していくなか、この状況は益々ひどくなってきています。
これを仕方のないこととあきらめるのか、公教育のシステムや指導の在り方を抜本的に見直すのか、私達国民はどちらを選んでいくのでしょうか。
今回の講師は、立命館小学校副校長・立命館大学教育開発推進機構教授の陰山英男氏。陰山氏とは、京都府の「明日の京都」ビジョンづくりの懇話会でご一緒したことがありますが、その時は、あまり具体的なお話がなく終わったので、今回、新しい教育・授業について提案されるということで、有名な陰山氏がどんなことをお話されるのか楽しみに参加しました。

模擬授業(参加者約80名のほとんどが学校の先生方)は、”君はこれを覚悟できるか?---7,000,000" という問の投げかけから始まり、対GDP比で国が抱える債務の国際比較表(陰山氏はこの数値が対GDP比であることを言い忘れていましたが、、)を示し、その後、この借金の多くが国債の発行で行なわれ、それを誰が購入しているか、日本の国家予算とその収支へと、質問が続きます。
この内容、偶然にも私が20日の同志社女子大学の講義で学生達に「あなたたちが働く社会とは」について考えるにあたり少し紹介していた内容とかぶります。私の場合は、これに、世界で英語を話す人口が一番多くなるのは中国、テレビ、インターネット、Ipodの普及速度と技術革新の早さなどを紹介して、こらからの社会で必要になる能力について考えさせました。
陰山氏は、中国での小学校での英語教育と大阪府で進めている小学校での英語教育導入について、紹介されていましたが、
ところで、少々ビックリしたのは、日本の経済状況について会社づとめをしているような人なら大抵知っていることだと思うのですが、研究会に参加されている先生がたは、大学生と同様にほとんどご存知なかったことに少々びっくり。陰山氏いわく「自分が給料をもらっている国の経営状況を把握してないのは問題。企業の社員で、自分の会社の収支バランスを知らない人は少ないだろう。」と。
私は、大人が子どもに残しいてる莫大な借金という事実や家庭ではありえない税収と実際に使っている経費の差額について、教師という立場で、知らないこと以上に子どもに教えてないことが罪だと感じました。ちなみに「国債を買ったことがある人」というので手を上げたのは80人もいるなかで私一人でした(苦笑)。
休憩を挟んで後半の授業では、陰山氏が推進してきた百マス計算・漢字学習など、反復学習の効果のお話や、早く寝て朝ごはんを食べる必要性などについてのお話。ちなみに陰山氏はの百マス計算ドリルのDSは欧米でも250万部売れたそうです。
陰山氏いわく、「学力とは脳の効果的活用トレーニング」。ゆっくりじっくり教えると賢くなるというのはウソ。努力しても結果が出なければ意味がないので、努力の評価もほどほどに。本当の学力と受験のテクニックとは違うことは誰でもわかっていることだが、受験のための学習は現代の生きる力。教えるのが当然。また、教育は特殊なことをやろうとしてはいけない。(「総合的な学習の時間」の枠をわざわざ設けるなど)。「あたり前のことをあたりまえにする」ことが大切とのこと。
おしゃっておられることの多くは賛同できることでした。ビジネスでも「当たり前のことを当たり前にやる」ことができずに失敗している人は多いですから。ただ、”要領よくさっさとこなす子”と”要領は悪いがこつこつ努力する子”はどちらが良いかという質問で、後者の子どもには職がないというのは事実ではないでしょう。
残念ながら研究会に参加する前に期待していた新しい発想や提案はありませんでしたが、陰山氏の講演のうまさには圧倒されました。教育者というより「やり手の個人事業家」。話を聞いた若い先生や保護者などは、思わず彼の著作物を購入するだろうと思いました。
一番心に残ったのは、「学校現場の不幸は良い教師が校長になる仕組がないこと」というコメント。多くの教員がうなずいていることだけに、陰山氏ほど幅広く活動されている人にこそ、この改革に取り組んでもらえたら学校がもっと良くなるだろうと思いました。
教師が良い授業をするのは当然のこと。しかし、その前に、地域的に多くの課題を抱えている学校区の場合、校長のリーダーシップがなければ、”当たり前のことを当たり前に”学ぶ生徒やそれを応援する保護者をつくるために教師が精根尽きてしまう現状が多くの公立校に存在しています。そして、経済力のある親も、能力のある教師も、私学に移動していくなか、この状況は益々ひどくなってきています。
これを仕方のないこととあきらめるのか、公教育のシステムや指導の在り方を抜本的に見直すのか、私達国民はどちらを選んでいくのでしょうか。







