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研究が研究だけに終わらないために [2009年09月17日(Thu)]
今日は、アントレの研究会にも参加してくださっている先生の研究授業があり、京都市立の小学校の校内研究会に参加してきた。
私が拝見したのは2年生の国語の時間。「サンゴの海の生き物たち」というテーマで、今日の時間はサンゴとサンゴを食べるオニヒトデ、オニヒトデからサンゴを守るサンゴガニの3つの生き物の関係について、ビデオや資料から読み解く授業。
生徒達は先生の質問に元気に手を上げるが、大勢の大人に囲まれて緊張してか、当てられると「忘れました」という答えも。なんとも微笑ましい。当日は、得た知識を活用して、自分がサンゴやサンゴガニになって一生懸命自己紹介。
先生の準備物や生徒への話しかけから、教育者としての熱意が読み取れる。

この学校では、PISA型読解力ということで「目的を持って読み、考え、表現する」活動の充実に力をいれておられ、今日は日本教育大学院大学客員教授の北川達夫氏が指導助言者として参加されていた。
北川先生は、丁度私がフィンランドにアントレプレナーシップ教育の視察に行ったのと前後して、外務省の職員としてフィンランドに赴任され、それがきっかけで、OECDのPISAの到達度テストの開発や言語教育の普及に関わられるようになったようだ。先生が作られた問題も2009年には採用されたとのこと。

ところで、研究授業といえば、私もいつもは助言者の立場での参加がほとんどなのだが、今日は初めて第三者として参加させていただき、改めて、学校の研究授業の運営方法が、不思議だなと思った。

民間なら、何か新しい事業をやるとなると、大抵その分野について事前に皆で研究しつくし、事業の実施となる。専門家の意見は、事前に聞いておくか、試験実施して予想の結果が得られないときに質問する。本格実施するときは、既に顧客がいるわけだから失敗は許されない。
ところが、学校の研究授業は、研究テーマにそって指導者が授業をした後、まず、研究授業をした先生が話し、その後、他の教員がその指導方法についてコメント。最後に指導助言者の講師の方がコメントする。
身内同志のアドバイスをずっと外部講師が一時間以上も聞いていなければならない。それが、大抵、積極的というより、順番に先生方にコメントする番がまわってくるという感じ。
私は、最初に、この研究協議なるものに参加したときに、この形式にびっくりとともにうろたえてしまった。次第になれてきてしまっていたのが、今日、改めて第三者として参加してみて、やっぱり変だなーと思わずにいられなかった。

外部の専門家を招くなら、学校内の教員間で十分研究し議論してから授業計画を立案し、その計画を事前に講師に見てもらってアドバイスをうけ、疑問点を解決した上で、修正した授業案にそって実施した授業を見てもらって、再度講師に助言を受けながら、今後の研究をどのように進めていくか議論したほうが、学校にとってははるかに得るものがあると思うのだが。。

学校の先生方は、この形式になれてしまっているようで、これって、結構生徒や外部講師を無視した授業であることには気づいてないよう。研究のためというより、研究会のための授業という感じになっているのが、残念でならない。

通常、こういう研究授業は、助言に入る先生は、年の間に数度くるだけで、授業にそれほど関わっているわけではない。講師のほうも、本当はもっと授業づくりに参画して議論したくても、指導者の先生は先生で遠慮されている。学校のほうも、忙しくて、研究授業のために、それほど教員同士であつまって意見をいいあう時間もなく、結果、研究といっても、教員間の理解に温度差があるまま進み、教師の入れ替えもあって、学校全体での取り組みにはなかなかなっていないことが多い。
今回のPISA型読解力についてもそうだったが、私が実施しているアントレプレナーシップ教育も同じである。
導入時2,3年は先生方の研修をしたりカリキュラム開発に参画したりして関与していても、その後、指導助言者として研究授業に助言するだけになったころには、先生がたも入れ替わり、「アントレプレナーシップ教育がよくわからずにやっているんですが、いったい何をやればいいのでしょう?」となってしまうのである。だが、授業はわからないなりも続いている。

では、学校に新しい取り組みが定着するにはどうしたらよいか。それには、主担当の先生が転勤せずに少なくとも5年〜7年はいて後輩の教員を育成し、かつ地域を巻き込んだ体制をつくるしかない。地域の人や我々NPOなどが継続的に参加するしくみができてくると、教員の方が変っても、地域が支えるので、取り組みが定着する。
だが、学校も最近は新しいテーマを掲げて研究しないと予算がとれないとなって、3年ごとに、キャリア教育、道徳教育などとテーマをかえて研究指定をとることになる。そうなると、新しい研究テーマがどんどん積み重なり、先生方も大変。結果、どれも中途半端で終わっているということになりがちだ。
先生方は怠けているわけではなく、それこそ一生懸命やっておられるが、ゆっくり学校の根本的な問題解決に取り組むことがなかなかできず、先生たちは3年ごとに移動し、生徒も成長していく。

何を改善すれば、いいのだろうか?
少なくともいえるのは、大人の問題発見と解決能力なくして、PISA方の読解力もアントレプレナーシップも決して習得されないということだ。
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