経済産業省 経済産業政策局産業資金課 新規産業室が実施されている「初等中等教育段階における起業家教育の普及に関する検討会」の第三回目に起業家教育の取組み紹介という立場で参加してきました。
経済産業省では、新規産業創出の担い手となる人材が育成・輩出されるには、高等教育でのアントレプレナーシップ教育だけでなく、初等・中等教育での教育が重要であるとし、1998年に「起業家精神を有する人材輩出に向けて」という報告書を出しました。当時は、まだ大学でアントレプレナーコースを設けているところはほとんどなく、インターンシップが始まったところでした。
アメリカ人の日本企業でのインターンシッププログラムを担当していた私は、この小学生からの起業家教育の実践にとても興味を持ち、同年、委託で『初等・中等教育段階における起業家精神涵養教材とその教授法に関する調査』を実施させていただきました。そして、翌年には「起業家精神涵養教材等開発事業」で教材を開発、学校でのモデル事業を始めて、、、と今に至っています。
この間、経済産業省では、様々な形で予算をつけて普及を後押ししてきましたが、予算の終了とともに支援が終わり、なかなか学校現場に定着せずに今に至っているのが現状です。
途中、指導要領の改訂もあり、学力強化や総合的な学習の時間の3割削減などで、実施時間の確保が益々難しくなってきたという現状もあります。
ただ、地域密着型で青年会議所などの経済団体やNPO法人などが支援に入っているところの多くがなんとか続けているところを見ると、起業家人材の育成は、やはり地域で仕事を創りだせる人材輩出をゴールに、産官学が連携して取り組むことで、息の長いものになるように思います。
安部政権の成長戦略の3本目の矢としてあげられているアントレプレナーシップ。本気で、起業家精神溢れる人材育成とそういう人を応援する社会風土を創り上げるには、授業での実践・訓練とともに、アントレプレナーシップを奨励する学校や地域を創っていくことが重要です。そして、それにはやはり、文部科学省が指導要領のなかでしっかり位置付けることが不可欠です。
次回の改訂で、ぜひ!と期待したいところです。