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サービスイノベーション [2009年11月13日(Fri)]
今年の経済産業省の委託事業で京都大学と一緒に老舗企業の事例研究をご一緒している関係で、第2回サービス・イノベーション国際シンポジウムのパネリストとして参加させていただいた。次年度から京都大学経営管理大学院に開設される「サービス価値創造プログラム」の開講に向けての研究活動の一貫である。
貴重講演として、住友スリーエム株式会社代表取締役社長のジェシー・ジー・シン氏がお話された。シン氏はサウジアラビア出身で米国で教育を受けた若干42歳の若手経営者。50代後半の日本人の副社長や部長を連れて一緒にお見えになっていて、その若さに、日本の大企業とはやっぱり違うなとつくづく思った。なぜ、日本の大企業の社長はみんなあんなに年寄りなのだろう???
シン氏とは、シンポジウム前のランチもご一緒させていただいたが、アントレプレナーシップ教育にも興味を持ってくださり、日本では、まだ社会起業家がそんなに活発に活動していないし、なぜ日本の企業はNPOの活動への寄付が熱心ではないのか。海外では当然のことなのだが。そういう意味で外資系の企業はねらい目かもしれない。と、ざっくばらんなお話になった。
彼の講演では、特に印象に残ったのは、スリーエムはメーカーだから、製造のプロセスにおける無駄については徹底的に効率化を図るが、同じ概念をCreativityに関わるプロセスに持ち込むべきではないし、効率化で空いた時間は製品を納品した企業へのアフターフォローなどのサービスにかけるべきだという意見。当然のようで、みななかなか実施できていないこと。同じようなことを、以前お話をきいたハイアット リージェンシー京都.の総支配人の横山健一郎氏や同席されていたスーパーホテルの取締役の方もおっしゃっていた。
シンポジウムでは、サービスイノベーションの価値をどう図るか、生産性向上=サービスの付加価値の創造にはならないのではないかという質問も提示されていた。残念ながら、京大の研究陣から、明確な研究に基づいた回答はなかったが、見る視点によって異なる価値観について、どのように計測するかは、難しい問題である。

対人関係に関する効率化・非効率化については、私がパネリストを務めたセッションでも教育に関係して言及させていただいた。人を育てることは極めて非効率な作業であり、それは単純に効率化などできない。ただし、学内外への提出書類の業務処理や成績の採点、教員同士の情報共有方法など、効率化を図るべき事・図れることはいくらでもある。公立学校で働く教員には、この違いが分からない人が多く、あらゆる業務が公平に非効率の人がいる(苦笑)。
少子化で危機感を感じている教育機関が多い時代になったからこそ、教育現場において、イノベーションが持たされるのが期待される。順番としては、まず大学からだろうが。せっかくのチャンス、京大が率先してサービスイノベーションのモデルを提示してくれることを大いに期待している。大学院生が顧客になるのか、大学院生を送りだす企業が顧客になるかはわからないが、いづれにしても、研究だけで終わるのではなく、実際にサービスにおいてイノベーションを起せる人材を社会に送り出して欲しいものだ。

ちなみに、このシンポのパネルディスカッション、私としては良い機会を与えていただいて喜んでいるのだが、バックグランドが違う人が意見交換するにはおとしどころがわからず、参加者からのアンケートにもあったが、企画倒れの感が否めなかった。次回は、ぜひ、研究実績に基づいて、その内容について活発な議論が行われるシンポを期待したい。企画者のプロデュース力が試されるところだ。