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キャンペーン終了。たくさんの応援本当にありがとうございました! [2020年08月31日(Mon)]

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8月30日をもって、キャンペーン終了となりました。
目標の50名を超える登録をいただくことができました。登録してくださった皆さんはもちろん、拡散してくださった方、チェックしてくださっていた方に、心から感謝申し上げます。

この1ヶ月を機に、誇張ではなく、まるオフィスは一皮剥けたように感じます。
まずはまるゼミを気仙沼でしっかり展開し、そこから全国へ広げていけるよう着々と作戦を立てて臨んでいきます。
引き続き、じもとまるまるゼミWebサイトで活動の進展をご覧ください。
http://maru-zemi.com/

これからも私たちまるオフィスの挑戦をお楽しみに!
本当にありがとうございました。

代表理事 加藤拓馬
唐桑小4年生の授業 [2020年08月30日(Sun)]

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今日(8月27日)は、唐桑小学校の4年生の授業に行ってきました〜

気仙沼では小学校から「探究」をはじめます!すごい最先端いってます。先生もいろいろ工夫しまくる毎日。尊敬です。
そこで今日は、地元の漁師と漁協スタッフを招いて「唐桑の海」の魅力と課題を引き出す授業となりました。
それぞれに1時間講話してもらうより、大喜利大会っぽくした方が小学生も楽しんで学べるのでは?という提案を受け入れてくださりまして、急遽IPPONグランプリ形式。質問を出すのはもちろん小学生です!

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小学生「唐桑の海の自慢ポイントは何ですか?」

私「海の中も森!!!だから青緑!」

小学生「えーーー」

私「沖縄の海のブルーもキレイだけど、あれは白い砂なんだよね。おれは三陸の海の青緑もキレイだと思う」

さっさ「でも今その海の中が砂漠化してて。いそやけって言うんだよ」

小学生「ほーー」

さっさ「だから海の中にも草木を植えてるんだよ」

司会(なるさん)「魚がたくさん獲れる裏では、いろんな環境への手入れをしているんだね」

ノー台本の生の声を届けられたかな?

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まるゼミの歴史2020(第4章) [2020年08月15日(Sat)]

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(前回のあらすじ)
私のエゴでした。

「(何かを始めるときは)カネがない方がいい」
地元学の師匠、吉本哲郎氏が言います。
なんでですか。
「カネがなけりゃ、ない頭を使うだろが」

2017年年の瀬、慢性的な財源不足に悩まされていました。(まぁ毎年恒例)
このまま助成金で活動を継続していても、2020年度に復興期の終わりとともに尽きる。
結局復興バブルだったからできてた教育事業だったのねん…というオチはかえって地元に対して迷惑行為だ。

息の長い活動にするにはどうすればいいか。
なんせ人件費がかかる。逆に言うと、それくらい。
からくわ丸のプレハブ小屋「ホーム」で、えまたちと悩んでいました。

そして、人件費を捻出せずに事業のインパクトを倍増させる方法を編み出したのです!

私は唐桑公民館に行きました。
一緒にやりませんか?と。

そうです、なんのことはない、他組織と組めばいいのです。笑
駆け出し期にこれができるのは、非営利業界の特権でした。

2018年度、唐桑公民館と共に唐桑中学校で「まちづくり学習会」を始めることになりました。
それにあたり教育委員会から「地域学校協働活動推進員」を委嘱されるんですが、個人ではなく団体として受託したのは気仙沼初のことでした。
尊敬するしんやさんが館長だったことが幸運だったんです。

まるゼミは、唐桑公民館、そして唐桑町まちづくり協議会との3者でチームを組んで、漁師体験の実施や唐桑中学校のお手伝いに入るようになりました。おカネはみんなないけど、持ち寄りでマンパワーの総数は増えました。

これは、属人的な事業展開の防止にもつながります。
「この人だからできる」という状況はとてもリスキーで、決して好ましい状態ではありません。“いなか”の小さなコミュニティや小さな組織ではあるあるでしょう。複数の組織による仕組み化は、スピードが落ちるかもしれませんが、持続性において大事なことです。

「早く行きたいなら独りで、遠くまで行きたいならみんなで」

藤山先生も言います。


さて、2018年は2度目の島根県海士町視察も敢行しました。
今度は、市、市教委、気仙沼高、NPO連合チームを組んでいきました。視察のコツは前述のとおりです。

「DoじゃなくBeをマネしてほしい」
視察の冒頭、海士の豊田さんに言われた言葉を今もはっきり覚えています。
気仙沼の教育魅力化チームも厚みが出て、高校生マイプロジェクト応援の他、いよいよ中高へのコーディネーター設置に向けて動き出しました。
(それでも中学校への設置はそれから丸2年かかり、高校は未達成)
安易にノウハウを模倣しようという思考を捨て、先進地島根のBe=在り方を吸収することで、気仙沼のDoが独自に熟していくのです。

2018年は「未来ゼミ」が始まった年でもあります。
いくら地元が好きでも、未来にわくわくしていないと「よし挑戦してやろう」っていうマインドは生まれないよね〜というシンプルな気づきからでした。
NPO底上げの成宮さんと共同主催。彼との協働が本格化していきます。
高校生とVRゴーグルをつけて遊ぶところから始めました。
そしてお恥ずかしい話、この企画をきっかけに一番未来にわくわくし始めたのは私自身でした。笑
AI、IoT、ブロックチェーン、5G…高校生に「未来を変えるツールやサービス」を伝えようと私自身が学ぶうちに、Society5.0への関心が深まっていきます。

時代が大きく変わろうとしている。
明治のご一新(明治維新)に近い、ライフスタイルの急変が目の前まで来ているんだ。
こりゃ地元の魅力を伝えるだけでなく、時代の変化に呼応するように学びもアップデートする必要がある。
そんなことを2019年は強く考えるようになります。


2016年漁師体験として始まったまるゼミは、いつの間にかSociety5.0に向けて中高生と一緒に体験と実践を繰り返すゼミになっていました。

「豊かさ」とは「選べる」ことです。
私は学生時代、ハンセン病による差別やら偏見について学んできました。中国、エジプト、日本をまわりました。
病からの回復後も当事者である彼らは死ぬまで制限をかけられ続けています。住む場所も仕事も。
みな、優しい眼と寂しい眼を持っていました。私の原体験です。

「今日は何をしよう」
「来年は何をしよう」
「この人生で、私は何者になろう」
そしてそれはいつだって選び直せる。漁師だっていい、宇宙飛行士だっていい。
そのために私たちは「学ぶ」のかもしれません。

そんな当たり前の気づきを、気仙沼から形にして、広げていきたいのです。
2020年になりました。

(おわり)

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まるゼミの歴史2020(第3章) [2020年08月13日(Thu)]

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(前回のあらすじ)
ゆきちゃんのスピーチで泣く


経営未来塾で事業構想を考えるにあたり、改めて地域課題を整理していて衝撃を受けた数字があります。
それは耳にタコができるくらい聞いていたはずの「少子化」でした。
数字で可視化すると、半島の中学生数は震災後10年で半減以下になることが分かったのです。

2012年:193人
2022年:73人
(2016年当時の筆者調べ)
※今ももちろん大きくは変わっていない

衝撃でした。
「このままじゃこのまちがなくなる」


経営未来塾を終え、まずファーストステップとして全国でも注目されている島根県海士町の取り組みを学びに行くことにしました。
視察のコツは、多団体でチームを組むことです。人は一緒に旅をすると、変な連帯感が生まれます。ちょっとした拡張家族です。
それが視察後の推進力になるんですね。
今思えば、NPO底上げの成宮さんとはここから縁が深くなっていったんだなぁ。
2017年2月のことです。

海士町の「教育魅力化」関係者の界隈では変な風習がありました。
宴会の締めで、みんな立ち上がり輪になって手をとり「ふるさと」を唄い上げるのです。
ただし、一字だけ替えてある替え唄です。唄はわんわん響きます。

「こころざぁしを はぁたぁしにぃ いつのぉひぃにかぁ かぁえらぁん」
(志を果たし“に” いつの日にか帰らん)

ふるさとは都会で志を果たしてから帰ってくる場所じゃない、都会で力を蓄え志を果たしに帰ってくる場所なんだ、と。
ここの大人はみんなホンキだ。震えました。

当時の私にとって、教育事業に取り組む目的は、地域への愛着を育てて将来のUターン率をアップさせることでした。
「浜々を起点として集落を成す、この半島の豊かなくらしを次世代につないでいきたい」
バトンをここで置いちゃいけない、と。
その想いの根っこにあるは、2011年から今まで右も左も分からないような22歳の生意気青二才を、褒めて叱って育ててくれた唐桑半島の地元の人に対する「恩」でした。



海士町視察を機に、高校生マイプロジェクトアワードが気仙沼で生まれました。
高校生ひとりひとりの挑戦を、大人たちが寄ってたかって応援、伴走するなんとも“おせっかい”な事業です。
最後に高校生たちは堂々と自分だけのプロジェクトをまちの大人たちにプレゼンします。
(全国アワードがすでに存在していて、その気仙沼版です。市町村単独で行うアワードの規模としては全国一になっていきます)

春には「すなどり先生」を「じもとまるまるゼミ」と改名してリニューアルします。

唐桑中学校の総合学習のお手伝いも飛躍的に増えました。特に3年生の総合では、グループに分かれ自分たちでテーマ設定した課題を半年間かけて実践し、文化祭に向けてまとめるという学習が始まり、私もしょっちゅう学校に通ってました。
今思えば、「探究」学習は2017年、このマイプロと総合学習から始まっていたんですね。


さて、ここで次のもやもやにぶち当たります。地域教育のジレンマ、です。

「集落コミュニティは夢を諦めさせる装置だ」

という言葉をふと思い出したのです。いつだか、先輩に教えてもらった言葉です。
どういう意味でしょうか。
集落においては、米屋の長男は米屋を、豆腐屋の長男は豆腐屋を継いでもらわないと困る。
それを東京で医者になりたい、アメリカでアーティストになりたい、と言われても、集落が困るというのです。
だから、長男の夢を諦めさせることで集落の機能は維持されてきた、と。

なるほど、20世紀までの“いなか”のあり方じゃ、続かないワケだ。

中高生の挑戦を応援し、ひとりひとりの夢を応援するようになって、違和感を覚え出します。
漁師になれよ、将来は気仙沼に帰ってこいよ、と子どもたちに押し付けるのは、勝手に移住してきて、勝手に保守化している私のエゴでしかないんじゃないか。

こりゃ、集落機能のアップデートが必要になるぞ。

2018年、私はまるゼミの舵を大きく切ります。プログラムはそのまま、目的を一から作り直すのです。
この「まるゼミ2.0」から本当の意味での教育事業が始まったのかもしれません。

「夢を諦めさせる装置」じゃなく、集落を「夢を広げる装置」にしたい。

逆説的だけど、まわりまわってそれが集落の生き残る道になるはずだ。
まちぐるみで、子どもたちの背中を押してあげるのです。
「あなたは今から何者にでもなれる存在なんだ。自分を信じて出航したらいい」と。
そうすることで、その子はきっとこの先どこに居ても地元といい関係を築き続けるでしょう。

つづく

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まるゼミの歴史2020(第2章) [2020年08月07日(Fri)]

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(前回のあらすじ)
チーズざんまい。

話は少し遡ります。
2015年当時は、手当たり次第「地域によさげなことはやってみる」という団体でしたので、事業経営というよりサークル活動にまだ毛が生えた程度のものでした。
観光プログラム以外にも、海産物の販売のお手伝い、まちづくりサークル「からくわ丸」の事務局、大学生ワークキャンプの受け入れ、インターンシップのマッチング、移住女子たちの発信、コミュニティペーパーの発行…そして教育。

唐桑中学校にあべ教頭先生というとてもおもしろい先生が当時石巻からやってきまして、中学校の授業に呼んでくれたり、それを機に中学生とまち歩きをして、地元の魅力を再発見したり、移住女子との対談記事をコミュニティペーパーで取り上げたり、とちょくちょくそんなこともやってたんです。

今思えばよくもまぁいろいろとやってたなぁ。生まれたばかりのまるオフィスは、航也とえまと私0.5のスタッフ2.5人体制でした。

その中でも壁にぶち当たっていたのは、メインの観光プログラム=漁師体験でした。
単価を上げないとやるだけ赤字。
漁師たちもおもてなししすぎちゃうから(笑)、やればやるだけ負担。
ツアーが企画されるたび、漁師さんに頭を下げて受け入れのお願いに行ってました。
疲弊していく漁師と私たち。
お客さんのペルソナつくってニーズを探って…
「これは誰を笑顔にしたくてやってるんだっけ」そんなことを心の中でぼやくようになりました。いろんな意味でアマちゃんでした。

「誰を笑顔にしたいのか」

のちのち、事業を進める上で一番私が大事にするようになった問いです。

そこで試しに「漁師」×「地元の中高生」をやってみよう、漁師体験を地元の子どもたち向けに企画したらどうなるだろう、と考えるようになったんです。
そもそも漁師の後継者を育てたいんだったら、ストレートに地元の子どもを呼んでこようじゃないかと。

よく言えばPDCAサイクルが早かった、悪く言えば観光も教育も覚悟が定まってなかったワケです。
すぐ企画書を1枚書いていろんな地元の人に意見をもらい始めました。
そして、2016年5月試験企画「すなどり先生」が始まります。そう、ツェルマットから帰って来てすぐです。
「すなどり=漁り」とは漁師を指す古い言葉です。漁師が先生になる半日間。

かずまる親分ややっくんたち仲のいい漁師たちに声をかけ、浜で企画の表紙になる写真撮影をしました(冒頭の写真)。
先生になってもらうんだから、シャツにネクタイ…そこにあとカッパ着てくだい。
「えぇ?おれ、こんな格好したことねぇや」

記念すべき最初の企画には、高3から中2、中1、下は小6まで4名が集まりました。
地元の子どもたちだからか、かずまるさんもいつもより熱が入って想いを語ります。

「おれは海の恋人だ。おめぇだづもデートで彼女と会うとき、今日はどんなパンツはいてくるかなぁって気になるだろ!あれと一緒だよ」
(一同、しーん)
「今日はどんな顔してるかな。今日はどんなものが獲れるかな。毎日ドキドキだ。海との駆け引きなんだよ」
「だから日々勉強なんだ。今でも勉強なんだ」


そしてこの春は、経営未来塾(既述)が始まった春でもありました。
このときはまだ、観光事業や海産物の販売事業で稼ぐことを目標に掲げていました。
「経営者としての覚悟が足りない」
「何がしたいのか」
「お前が10年後魚売ってるイメージがわかない」
半年間の塾プログラムだったんですが、初日っからボロクソに言われました。
全て見透かされていた感じです。

「誰も足を踏み入れようとしない泥沼の中を独りでも突き進むことができる事業は何か」

秋。
半年かけて事業構想を練り直した結果、観光事業じゃなく、海産物の販売でもなく、この「すなどり先生」を発展させることを決意することになります。大きな転換点でした。
そして半年間かけて磨いた志をプレゼンする最終発表会の数日前のことです。

唐桑中学校を会場に当地区の中学生の弁論大会が行われました。
ゆきちゃんという中学生に「当日聞きに来てくれませんか?」と誘われたので足を運びました。
まち歩きやすなどり先生の常連の子でした。

彼女は体育館の壇上で堂々と語り始めます。
何を語るのかと思いきや、震災後移住者に出会って私は変わったんだ、という内容だったんです。
「(移住者曰く)漁師さんってかっこいいよね!…私の方がこのまちにずっと長く住んでいるのに私にはその“かっこよさ”が分からない。くやしい!何もないまちだと思っていた私には衝撃でした」
そこからゆきちゃんは私たちが企画する様々なプログラムに参加して、中学校の生徒会を通して地域でのプロジェクトをぐいぐい推進します。

「多くの若者がかつての私のように都会の楽しさに憧れを持っています。でもその『誰かの手でつくられた楽しさ』はあなたに何を残すでしょう?
ここにしかないものを学び、自分たちの視点で課題に立ち向かい、自分たちの手で地元を魅力的にしていく…それが私たちにしかできない『未来を形づくる楽しさ』だと思うのです」

これだ。ハンカチ片手で涙を拭っていた私の心も決まりました。

「じもとまるまるゼミ」
地元の中高生が、漁業だけじゃなく、いろんな地元のかっこいい大人に出会えるプログラムをつくろう。

それが、少子化にあえぐこの地元に私が受けた莫大な恩を返すことにつながるんだ。
経営未来塾の最終発表会、市長はじめ市民が埋め尽くす会場で、私が宣言したことでした。

こうして年が明け2017年。次の壁にぶつかります。

つづく

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まるゼミの歴史2020(第1章) [2020年08月05日(Wed)]

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今日から何回かに分けてまるゼミの歴史を振り返ってみようと思います。
歴史と言ってもたいした年数はないです。4〜5年ほどでしょうか。

この前…コロナが流行する前なので、いつだっただろう…お酒の席で、地元気仙沼の若手経営者の方にこう言われました。
「たくまの何がすごいって、その歳でその“退き際”だよね」
何から退いたっけ…
「いつ間にか観光事業から教育にテーマ変わってたよね。ツェルマットまで行って」
いやぁ、なんかすみません。
「ちがうちがう、褒めてるの」
やりたいこと、やるべきことを見据えて、周りに流されずに、自分の道を行くのはすごいことだよ、と褒めてもらいました。

そうそう、教育事業まるゼミのスタートは実は観光プログラムでした。
かずまる親分とツアーのプログラムづくりを始めたのは2014年から。
「30年後、このまちで魚とるヤツぁいねくなるぞ」
飲みにいくたびにそう警鐘を鳴らす親分の眼は本気でした。
どこの船にも後継者はいねぇ、そもそも漁師の親は子どもに漁師を勧めねぇ、と。

そんなときでした。
忘れもしません。
2014年、東京の大企業から出向してきた市長直属部隊、通称エキスパート!の森ナルさんと、まだあんときは仮設店舗だったな、とんかつを食べに行ったときです。
「唐桑で漁師体験やらへんか」
「唐桑半島は気仙沼の観光のダークホースになる」

観光。当時はヨソから大学生を受け入れてはしょっちゅうフィールドワークを実施していたので、あまり抵抗はありませんでした。
何より、ヨソものが来ることで漁師たちが自分たちのくらしの価値を再発見してもらえれば。副収入につながれば。
それは事業継承の意欲へとつながるはずだ。

すぐ、かずまるの親分ん家を訪れました。
「漁師のくらしをそのまんま半日体験できるプログラム、つくりましょう」

こうした始まった漁師体験を発展的に実施するため、2015年法人格をとりました。
私は市役所で復興支援員もやってたので、当時はいくつも事業をやってたんですが。
それがまるオフィスだったのです。

はー、そうだったのね。そうだったんです。
戦略とかは特に無し。財源も無し。一本の助成金頼み。今考えると無謀の極みです。

なんだかんだひーひー言いながら黒字目指していろんなことに挑戦してました。
気仙沼の観光をどう魅力的にしていけるか。いろんな漁師と協働しながら、ツアーの受け入れを進めていました。

そしたら2016年、また森ナルさんに声をかけられます。しかも2つ。

1つ。経営未来塾。
復興を担う経営者人材をゴリゴリ鍛え直すプログラムに起業したばかりの私が入塾することになりました。

もう1つ。その前に3月、スイスに行かないか?と。
市の観光戦略として「DMO」と呼ばれる組織体制づくりを目指していた市は、観光人材10名を選抜して、世界的な観光先進地ツェルマットに視察に行かせるという計画を立てていました。そこに唐桑半島から選ばれたのです。
平成の遣欧使節団です。

3食チーズ、チーズチーズという極限状態で、私たちは夜な夜な議論を繰り返しました。
このスキーリゾート地は確かに何かが違う。
観光地の「経営」と「マーケティング」が成されている。どう気仙沼に持ち帰れるか。
帰国が近づき、他の9名が帰国後の役割も見い出しつつあるころ、私はあることが気になっていました。

それは「地域教育」です。
ツェルマットの地元の若者のUターン率は驚異的で、いなかの小さなまちでも人口が減っていません。
地元人材が教育に関わるのは当たり前で、例えば学校に呼ばれて授業をしたとしても「名誉ある負担」として対価など求めません。
この「地域教育」がしっかり成されているから、みな高校、大学進学で他地域に出て行ったとしてもそれはあくまで修行のためで、将来は帰ってくるのです。

持続可能な観光地の根っこにあるのは、地元の「カネ」だけじゃなく「ひと」が還流する仕組みだったんです。

そこにわくわくしちゃった私は、帰国後、観光事業から抜けることになります。

つづく

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まるクルー募集のキャンペーンがはじまりました [2020年08月03日(Mon)]

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気仙沼の中高生の挑戦を応援する「じもとまるまるゼミ」
まもなく大震災から10年という2020年、今こそこれからのWithコロナ時代を担う若者たちの「わくわく」する力を育みたい。
そこで私たちは、自ら問いを立て、アクションを起こす=新しい学びを広める中高生向けのゼミを開講します!

復興10年目の再出発にあたり、この想いを形にする仲間まるクルー(マンスリーサポーター)を50人募集します。どうぞご協力よろしくお願いいたします。

■内容:毎月定額寄付(1,000円〜/月)
■申込期間:8月1日(土)〜8月30日(日)
■目標:50名

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