山崎亮さんが気仙沼に 〜あなたの浜の縮充は何ですか?〜 [2017年03月22日(Wed)]
2011年秋。
東日本大震災で被災したガレキの撤去を終え、それでもまだ唐桑のために何かしたいと思ったものの、「何か」とは何だ。 そもそもまちづくりやまちおこしなんて言葉に興味をもったことは一度もない。 そんなとき、東京から後援してくれていた郭くんから急に送りつけられてくる2冊の本が、のちの道を拓く。 一冊がstudio-L代表 山崎亮さんの『コミュニティデザイン』、もう一冊が吉本哲郎さんの『地元学をはじめよう』。 当時、東北新幹線での上京&帰沼の時間は、気持ちを整理し新しいことを考える貴重な時間だった。 そこで『コミュニティデザイン』をパラパラめくり、どこのまちの事例か覚えてないけどどこかのまちの事例を読んでいて「フリーペーパーいいなぁ」と思い付く。 それが「からくわ未来予報誌KECKARAけっから。」創刊のきっかけとなった。 (『地元学をはじめよう』はそのタイトルどおり、12年〜見よう見まね唐桑地元学(まち歩き)につながった一冊だ。) のちの山崎さんの新書『コミュニティデザインの時代』においては、今も自分の講演では必ず登場するこの一文に出会った。 「長い歴史を考えれば、むしろこの200年というのは人口が特異なほど増加して減少した時期だったということになるかもしれない。 その前後1000年の間は、ずっと人口4000万人くらいで過ごしてきた国が日本だったということなのかもしれない。 だとすれば、僕たちは相当特殊な時代を生きていると考えたほうがいい。」 (山崎亮著「コミュニティデザインの時代 自分たちで「まち」をつくる」p.25) 人口の減少を嘆くなかれ、これからは「過疎」ではなく「適疎」を目指そうという考え方がそこに記してあり、これがこれから人口減少社会の主流の思想になる予感がした。 さらにさらに、同著『まちの幸福論』はなんと今や小学校6年生の国語の教科書に載り、私たちが今唐桑の小学校でお手伝いしているまちづくりの授業もいわばこの著書のおかげだ。 --- 3月21日、その山崎亮さんが気仙沼にやってきた。 気仙沼市の第2次総合計画策定のファシリテーターとしてstudio-Lがやってくる。広く開かれる市民ワークショップのファシリもしてくれるのだとか。 「縮小、縮退、縮減ではなく『縮充』がいいと思うんです。今までは拡充の時代でしたから。 『あなたの浜の縮充は何ですか?』それが問われはじめます。 それには覚悟と挑戦が必要です」 平成29年から平成38年まで10年間のまちのプラン。 ジェットコースターのような人口減少がはじまる10年。 これからの10年は今後100年間どう下るかを占う大事な10年。 総合計画もいいけど唐桑のまちづくり協議会も始まったばかり。 はて、両者はリンクするのかしら。 中高生と何かできないだろうか。 自分の役割は何だろう。 毎年わくわくする。 |