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[もう一つの遠東記はじめました]
加藤拓馬の「教育のコラム」を2021年からはじめました!遠東記とあわせてご覧ください。

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[動画レポート「まるオフィスの活動LOG」更新中]





[マンスリーサポーター「まるクルー」募集中]
まるオフィスの教育事業では、1口1,000円/月の少額定期寄付会員を募集しております!詳細はこちら(リンク)

[Webサイト]
じもとまるまるゼミ maru-zemi.com
全国放送です [2020年10月16日(Fri)]

半年ぶりにNHKでます。全国放送なんでよかったらご覧ください!コロナ禍での高校生との取り組みを番組後半で取り上げてもらいました。

番組内のVTR以外にも、マイプロ文部科学大臣賞を受賞した瑛護くんとオンライン収録もしました。りゅうちぇるさんはじめスタジオの皆さんとのやり取りが盛り上がったので、どこまでカットされててカットされてないのか楽しみですww
(瑛護のコメントがおもしろかったーー)

NHK総合)ふるさとぐんぐん
10月18日(日)10:05〜

ぜひ録画してください〜

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伊達じゃない [2020年10月14日(Wed)]

10月6日。

今日は半日、大正大学の地域創生学部?の1年生100人のオンライン講義にゲストとして参加してたんですが、まるゼミの事業紹介に対して、おもしろい質問をしてくる生徒が何人かおりまして。

「加藤さんはローカルの教育のポテンシャルと言いましたが、都会の教育のポテンシャルは何だと思います?」

感心。笑

最後に、Facebookやってるんでよかったら探してねーって100人にチャット投げたら、2人だけメッセージ付きで友だち申請が来まして。丁寧なお礼メッセ付き。しかもさっき質問してくれた生徒たち。

ほーー、一体どこの子やねん

と思ってプロフィール見たら2人とも、島根県海士町の隠岐島前高校のOBOGっていう衝撃。

いま全国に広がった高校魅力化の出発点で、キセキと呼ばれる離島の高校ですね。

問いを出す力、コミュ力、
日本一は伊達じゃない…

という話。
保護者として気仙沼の教育を見てみた [2020年09月15日(Tue)]

2020年6月26日。

幼稚園児の保護者として。

朝テーブルにおいてあった幼稚園からのお便りをなんとなしに読む。
お、毎日仕事で聞くワードが並んでる(笑)

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海洋教育
ESD

ほかにも金銭教育を幼稚園から意識して取り組んでるのは知らなかった。
そういえば、しょっちゅう馬場の浜に散歩に行ってるなぁ。
今日も馬場の浜行ったとかシーグラス拾ってきたとか息子がよく言ってるなぁ。
コロナ対策をしながらでも十分可能。

東京仙台だとどうだろう。
幼稚園の散歩で海によく行くっていいよね、と妻。
他の地域で育った私たち夫婦には改めて新鮮でしかない。

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旧暦の端午の節句でこいのぼり作り。
(以前の記事参照:唐桑半島の中井小学校まちづくりの授業)

もともと気仙沼は全国的に見ても、サステナブルな社会のための教育(ESD)の先進地。
なんと市内全校ユネスコスクール指定校。
唐桑は幼小中、海洋教育の指定校。

そういえば気仙沼の外から来た先生が、気仙沼の学校の総合学習の計画のブ厚さに驚いたと言ってたのを思い出す。
先生たちの努力に感嘆です。
やはり素地はある。

これを地域がどう活かすかでwithコロナ社会の気仙沼の未来は明るい。

「気仙沼に帰ったら、子どものキャリアが心配だから(Uターンするにしても)せいぜい仙台かなぁ」
と東京在住の出身者がボヤいてたのを思い出す。

本当にそうかなぁ。

もちろんまだまだ課題はあるけど、ホンモノ志向の子育てがしたい人にはオススメできる環境です。

移住どうぞ、という話でした。笑
三枚の感謝状 [2020年09月04日(Fri)]

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復興大臣より直々に感謝状をいただきました。

活動を支えてくれてる方々へ感謝です。

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(市長のTwitterより)


感謝状…といえば。
今年3月に中学校の卒業生からもらって感激したことを思い出しました。大臣も嬉しかったですが、中学生の感謝状はたまらんかったです。

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もう一枚。
9年前、とある家族からもらった感謝状です。
ゴールデンウィークの大がかりな復興支援キャンプを閉じるときに、いただきました。
みんな限界でしたね。よく一緒に泣いてたなぁ。

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あれから9年。
とりあえず明日は馬場のぴぃばあちゃんの仏壇に報告いくか

というわけで、
これからもまるオフィスはマイペースに走り続けます!


最後に。
最強クラスの台風が近づいています。
死者が出ないことを祈ってます。
また「被災地」が増えないことを祈ってます。
備えてくださいーー
たまるとしごとになる [2020年09月01日(Tue)]

なんか深い〜反省の話。

幼稚園児になると、毎日◯◯できたら色塗りましょう、シール貼りましょう、というものが生まれる。

最初は毎日楽しそうにやってるけど、そのうちたまっていったりする。
月末。

息子「あーあ、しごとがたくさんだ」

妻「なにそれ。笑」

妻「はるたもたまっていくと面倒になるのね」

息子「たまるとしごとになるんだよぉ」

(…え?)

妻「なんか深いセリフだね、今の」

そうか、ためるから仕事になっちゃうのか…なるほど。

なぜか自身の仕事の仕方をを反省。いやいや、そもそも仕事を楽しいものに魅せられていないことに反省する父でした。

しごとは楽しいんだぞぉぉ(心の叫び)

ためないで、楽しみましょう。

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キャンペーン終了。たくさんの応援本当にありがとうございました! [2020年08月31日(Mon)]

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https://syncable.biz/campaign/1160/reports/1602#menu

8月30日をもって、キャンペーン終了となりました。
目標の50名を超える登録をいただくことができました。登録してくださった皆さんはもちろん、拡散してくださった方、チェックしてくださっていた方に、心から感謝申し上げます。

この1ヶ月を機に、誇張ではなく、まるオフィスは一皮剥けたように感じます。
まずはまるゼミを気仙沼でしっかり展開し、そこから全国へ広げていけるよう着々と作戦を立てて臨んでいきます。
引き続き、じもとまるまるゼミWebサイトで活動の進展をご覧ください。
http://maru-zemi.com/

これからも私たちまるオフィスの挑戦をお楽しみに!
本当にありがとうございました。

代表理事 加藤拓馬
唐桑小4年生の授業 [2020年08月30日(Sun)]

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今日(8月27日)は、唐桑小学校の4年生の授業に行ってきました〜

気仙沼では小学校から「探究」をはじめます!すごい最先端いってます。先生もいろいろ工夫しまくる毎日。尊敬です。
そこで今日は、地元の漁師と漁協スタッフを招いて「唐桑の海」の魅力と課題を引き出す授業となりました。
それぞれに1時間講話してもらうより、大喜利大会っぽくした方が小学生も楽しんで学べるのでは?という提案を受け入れてくださりまして、急遽IPPONグランプリ形式。質問を出すのはもちろん小学生です!

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小学生「唐桑の海の自慢ポイントは何ですか?」

私「海の中も森!!!だから青緑!」

小学生「えーーー」

私「沖縄の海のブルーもキレイだけど、あれは白い砂なんだよね。おれは三陸の海の青緑もキレイだと思う」

さっさ「でも今その海の中が砂漠化してて。いそやけって言うんだよ」

小学生「ほーー」

さっさ「だから海の中にも草木を植えてるんだよ」

司会(なるさん)「魚がたくさん獲れる裏では、いろんな環境への手入れをしているんだね」

ノー台本の生の声を届けられたかな?

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まるゼミの歴史2020(第4章) [2020年08月15日(Sat)]

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(前回のあらすじ)
私のエゴでした。

「(何かを始めるときは)カネがない方がいい」
地元学の師匠、吉本哲郎氏が言います。
なんでですか。
「カネがなけりゃ、ない頭を使うだろが」

2017年年の瀬、慢性的な財源不足に悩まされていました。(まぁ毎年恒例)
このまま助成金で活動を継続していても、2020年度に復興期の終わりとともに尽きる。
結局復興バブルだったからできてた教育事業だったのねん…というオチはかえって地元に対して迷惑行為だ。

息の長い活動にするにはどうすればいいか。
なんせ人件費がかかる。逆に言うと、それくらい。
からくわ丸のプレハブ小屋「ホーム」で、えまたちと悩んでいました。

そして、人件費を捻出せずに事業のインパクトを倍増させる方法を編み出したのです!

私は唐桑公民館に行きました。
一緒にやりませんか?と。

そうです、なんのことはない、他組織と組めばいいのです。笑
駆け出し期にこれができるのは、非営利業界の特権でした。

2018年度、唐桑公民館と共に唐桑中学校で「まちづくり学習会」を始めることになりました。
それにあたり教育委員会から「地域学校協働活動推進員」を委嘱されるんですが、個人ではなく団体として受託したのは気仙沼初のことでした。
尊敬するしんやさんが館長だったことが幸運だったんです。

まるゼミは、唐桑公民館、そして唐桑町まちづくり協議会との3者でチームを組んで、漁師体験の実施や唐桑中学校のお手伝いに入るようになりました。おカネはみんなないけど、持ち寄りでマンパワーの総数は増えました。

これは、属人的な事業展開の防止にもつながります。
「この人だからできる」という状況はとてもリスキーで、決して好ましい状態ではありません。“いなか”の小さなコミュニティや小さな組織ではあるあるでしょう。複数の組織による仕組み化は、スピードが落ちるかもしれませんが、持続性において大事なことです。

「早く行きたいなら独りで、遠くまで行きたいならみんなで」

藤山先生も言います。


さて、2018年は2度目の島根県海士町視察も敢行しました。
今度は、市、市教委、気仙沼高、NPO連合チームを組んでいきました。視察のコツは前述のとおりです。

「DoじゃなくBeをマネしてほしい」
視察の冒頭、海士の豊田さんに言われた言葉を今もはっきり覚えています。
気仙沼の教育魅力化チームも厚みが出て、高校生マイプロジェクト応援の他、いよいよ中高へのコーディネーター設置に向けて動き出しました。
(それでも中学校への設置はそれから丸2年かかり、高校は未達成)
安易にノウハウを模倣しようという思考を捨て、先進地島根のBe=在り方を吸収することで、気仙沼のDoが独自に熟していくのです。

2018年は「未来ゼミ」が始まった年でもあります。
いくら地元が好きでも、未来にわくわくしていないと「よし挑戦してやろう」っていうマインドは生まれないよね〜というシンプルな気づきからでした。
NPO底上げの成宮さんと共同主催。彼との協働が本格化していきます。
高校生とVRゴーグルをつけて遊ぶところから始めました。
そしてお恥ずかしい話、この企画をきっかけに一番未来にわくわくし始めたのは私自身でした。笑
AI、IoT、ブロックチェーン、5G…高校生に「未来を変えるツールやサービス」を伝えようと私自身が学ぶうちに、Society5.0への関心が深まっていきます。

時代が大きく変わろうとしている。
明治のご一新(明治維新)に近い、ライフスタイルの急変が目の前まで来ているんだ。
こりゃ地元の魅力を伝えるだけでなく、時代の変化に呼応するように学びもアップデートする必要がある。
そんなことを2019年は強く考えるようになります。


2016年漁師体験として始まったまるゼミは、いつの間にかSociety5.0に向けて中高生と一緒に体験と実践を繰り返すゼミになっていました。

「豊かさ」とは「選べる」ことです。
私は学生時代、ハンセン病による差別やら偏見について学んできました。中国、エジプト、日本をまわりました。
病からの回復後も当事者である彼らは死ぬまで制限をかけられ続けています。住む場所も仕事も。
みな、優しい眼と寂しい眼を持っていました。私の原体験です。

「今日は何をしよう」
「来年は何をしよう」
「この人生で、私は何者になろう」
そしてそれはいつだって選び直せる。漁師だっていい、宇宙飛行士だっていい。
そのために私たちは「学ぶ」のかもしれません。

そんな当たり前の気づきを、気仙沼から形にして、広げていきたいのです。
2020年になりました。

(おわり)

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まるゼミの歴史2020(第3章) [2020年08月13日(Thu)]

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(前回のあらすじ)
ゆきちゃんのスピーチで泣く


経営未来塾で事業構想を考えるにあたり、改めて地域課題を整理していて衝撃を受けた数字があります。
それは耳にタコができるくらい聞いていたはずの「少子化」でした。
数字で可視化すると、半島の中学生数は震災後10年で半減以下になることが分かったのです。

2012年:193人
2022年:73人
(2016年当時の筆者調べ)
※今ももちろん大きくは変わっていない

衝撃でした。
「このままじゃこのまちがなくなる」


経営未来塾を終え、まずファーストステップとして全国でも注目されている島根県海士町の取り組みを学びに行くことにしました。
視察のコツは、多団体でチームを組むことです。人は一緒に旅をすると、変な連帯感が生まれます。ちょっとした拡張家族です。
それが視察後の推進力になるんですね。
今思えば、NPO底上げの成宮さんとはここから縁が深くなっていったんだなぁ。
2017年2月のことです。

海士町の「教育魅力化」関係者の界隈では変な風習がありました。
宴会の締めで、みんな立ち上がり輪になって手をとり「ふるさと」を唄い上げるのです。
ただし、一字だけ替えてある替え唄です。唄はわんわん響きます。

「こころざぁしを はぁたぁしにぃ いつのぉひぃにかぁ かぁえらぁん」
(志を果たし“に” いつの日にか帰らん)

ふるさとは都会で志を果たしてから帰ってくる場所じゃない、都会で力を蓄え志を果たしに帰ってくる場所なんだ、と。
ここの大人はみんなホンキだ。震えました。

当時の私にとって、教育事業に取り組む目的は、地域への愛着を育てて将来のUターン率をアップさせることでした。
「浜々を起点として集落を成す、この半島の豊かなくらしを次世代につないでいきたい」
バトンをここで置いちゃいけない、と。
その想いの根っこにあるは、2011年から今まで右も左も分からないような22歳の生意気青二才を、褒めて叱って育ててくれた唐桑半島の地元の人に対する「恩」でした。



海士町視察を機に、高校生マイプロジェクトアワードが気仙沼で生まれました。
高校生ひとりひとりの挑戦を、大人たちが寄ってたかって応援、伴走するなんとも“おせっかい”な事業です。
最後に高校生たちは堂々と自分だけのプロジェクトをまちの大人たちにプレゼンします。
(全国アワードがすでに存在していて、その気仙沼版です。市町村単独で行うアワードの規模としては全国一になっていきます)

春には「すなどり先生」を「じもとまるまるゼミ」と改名してリニューアルします。

唐桑中学校の総合学習のお手伝いも飛躍的に増えました。特に3年生の総合では、グループに分かれ自分たちでテーマ設定した課題を半年間かけて実践し、文化祭に向けてまとめるという学習が始まり、私もしょっちゅう学校に通ってました。
今思えば、「探究」学習は2017年、このマイプロと総合学習から始まっていたんですね。


さて、ここで次のもやもやにぶち当たります。地域教育のジレンマ、です。

「集落コミュニティは夢を諦めさせる装置だ」

という言葉をふと思い出したのです。いつだか、先輩に教えてもらった言葉です。
どういう意味でしょうか。
集落においては、米屋の長男は米屋を、豆腐屋の長男は豆腐屋を継いでもらわないと困る。
それを東京で医者になりたい、アメリカでアーティストになりたい、と言われても、集落が困るというのです。
だから、長男の夢を諦めさせることで集落の機能は維持されてきた、と。

なるほど、20世紀までの“いなか”のあり方じゃ、続かないワケだ。

中高生の挑戦を応援し、ひとりひとりの夢を応援するようになって、違和感を覚え出します。
漁師になれよ、将来は気仙沼に帰ってこいよ、と子どもたちに押し付けるのは、勝手に移住してきて、勝手に保守化している私のエゴでしかないんじゃないか。

こりゃ、集落機能のアップデートが必要になるぞ。

2018年、私はまるゼミの舵を大きく切ります。プログラムはそのまま、目的を一から作り直すのです。
この「まるゼミ2.0」から本当の意味での教育事業が始まったのかもしれません。

「夢を諦めさせる装置」じゃなく、集落を「夢を広げる装置」にしたい。

逆説的だけど、まわりまわってそれが集落の生き残る道になるはずだ。
まちぐるみで、子どもたちの背中を押してあげるのです。
「あなたは今から何者にでもなれる存在なんだ。自分を信じて出航したらいい」と。
そうすることで、その子はきっとこの先どこに居ても地元といい関係を築き続けるでしょう。

つづく

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まるゼミの歴史2020(第2章) [2020年08月07日(Fri)]

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(前回のあらすじ)
チーズざんまい。

話は少し遡ります。
2015年当時は、手当たり次第「地域によさげなことはやってみる」という団体でしたので、事業経営というよりサークル活動にまだ毛が生えた程度のものでした。
観光プログラム以外にも、海産物の販売のお手伝い、まちづくりサークル「からくわ丸」の事務局、大学生ワークキャンプの受け入れ、インターンシップのマッチング、移住女子たちの発信、コミュニティペーパーの発行…そして教育。

唐桑中学校にあべ教頭先生というとてもおもしろい先生が当時石巻からやってきまして、中学校の授業に呼んでくれたり、それを機に中学生とまち歩きをして、地元の魅力を再発見したり、移住女子との対談記事をコミュニティペーパーで取り上げたり、とちょくちょくそんなこともやってたんです。

今思えばよくもまぁいろいろとやってたなぁ。生まれたばかりのまるオフィスは、航也とえまと私0.5のスタッフ2.5人体制でした。

その中でも壁にぶち当たっていたのは、メインの観光プログラム=漁師体験でした。
単価を上げないとやるだけ赤字。
漁師たちもおもてなししすぎちゃうから(笑)、やればやるだけ負担。
ツアーが企画されるたび、漁師さんに頭を下げて受け入れのお願いに行ってました。
疲弊していく漁師と私たち。
お客さんのペルソナつくってニーズを探って…
「これは誰を笑顔にしたくてやってるんだっけ」そんなことを心の中でぼやくようになりました。いろんな意味でアマちゃんでした。

「誰を笑顔にしたいのか」

のちのち、事業を進める上で一番私が大事にするようになった問いです。

そこで試しに「漁師」×「地元の中高生」をやってみよう、漁師体験を地元の子どもたち向けに企画したらどうなるだろう、と考えるようになったんです。
そもそも漁師の後継者を育てたいんだったら、ストレートに地元の子どもを呼んでこようじゃないかと。

よく言えばPDCAサイクルが早かった、悪く言えば観光も教育も覚悟が定まってなかったワケです。
すぐ企画書を1枚書いていろんな地元の人に意見をもらい始めました。
そして、2016年5月試験企画「すなどり先生」が始まります。そう、ツェルマットから帰って来てすぐです。
「すなどり=漁り」とは漁師を指す古い言葉です。漁師が先生になる半日間。

かずまる親分ややっくんたち仲のいい漁師たちに声をかけ、浜で企画の表紙になる写真撮影をしました(冒頭の写真)。
先生になってもらうんだから、シャツにネクタイ…そこにあとカッパ着てくだい。
「えぇ?おれ、こんな格好したことねぇや」

記念すべき最初の企画には、高3から中2、中1、下は小6まで4名が集まりました。
地元の子どもたちだからか、かずまるさんもいつもより熱が入って想いを語ります。

「おれは海の恋人だ。おめぇだづもデートで彼女と会うとき、今日はどんなパンツはいてくるかなぁって気になるだろ!あれと一緒だよ」
(一同、しーん)
「今日はどんな顔してるかな。今日はどんなものが獲れるかな。毎日ドキドキだ。海との駆け引きなんだよ」
「だから日々勉強なんだ。今でも勉強なんだ」


そしてこの春は、経営未来塾(既述)が始まった春でもありました。
このときはまだ、観光事業や海産物の販売事業で稼ぐことを目標に掲げていました。
「経営者としての覚悟が足りない」
「何がしたいのか」
「お前が10年後魚売ってるイメージがわかない」
半年間の塾プログラムだったんですが、初日っからボロクソに言われました。
全て見透かされていた感じです。

「誰も足を踏み入れようとしない泥沼の中を独りでも突き進むことができる事業は何か」

秋。
半年かけて事業構想を練り直した結果、観光事業じゃなく、海産物の販売でもなく、この「すなどり先生」を発展させることを決意することになります。大きな転換点でした。
そして半年間かけて磨いた志をプレゼンする最終発表会の数日前のことです。

唐桑中学校を会場に当地区の中学生の弁論大会が行われました。
ゆきちゃんという中学生に「当日聞きに来てくれませんか?」と誘われたので足を運びました。
まち歩きやすなどり先生の常連の子でした。

彼女は体育館の壇上で堂々と語り始めます。
何を語るのかと思いきや、震災後移住者に出会って私は変わったんだ、という内容だったんです。
「(移住者曰く)漁師さんってかっこいいよね!…私の方がこのまちにずっと長く住んでいるのに私にはその“かっこよさ”が分からない。くやしい!何もないまちだと思っていた私には衝撃でした」
そこからゆきちゃんは私たちが企画する様々なプログラムに参加して、中学校の生徒会を通して地域でのプロジェクトをぐいぐい推進します。

「多くの若者がかつての私のように都会の楽しさに憧れを持っています。でもその『誰かの手でつくられた楽しさ』はあなたに何を残すでしょう?
ここにしかないものを学び、自分たちの視点で課題に立ち向かい、自分たちの手で地元を魅力的にしていく…それが私たちにしかできない『未来を形づくる楽しさ』だと思うのです」

これだ。ハンカチ片手で涙を拭っていた私の心も決まりました。

「じもとまるまるゼミ」
地元の中高生が、漁業だけじゃなく、いろんな地元のかっこいい大人に出会えるプログラムをつくろう。

それが、少子化にあえぐこの地元に私が受けた莫大な恩を返すことにつながるんだ。
経営未来塾の最終発表会、市長はじめ市民が埋め尽くす会場で、私が宣言したことでした。

こうして年が明け2017年。次の壁にぶつかります。

つづく

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