大島よ [2011年06月28日(Tue)]
私は大島が好きになった。
AKBのではない。気仙沼大島だ。 大島に上陸したことはまだない。 でも、唐桑から見る大島が好きだ。 気仙沼湾にどかっと居座る大島。 唐桑の鮪立や小鯖から眺めると手の届きそうな位置にある。 気仙沼の津波被害は尋常じゃない。けど、似た地形の陸前高田より軽度だった。 気仙沼には大島があったのだ。 --- 朝のワークで小鯖に行くと、朝もやのかかる大島が眼前に広がる。 深い緑の森に白い帯が、幾重にもかかる。 もののけ姫のシシ神の森みたい、と呟いてみる。 陽が高くなるにつれ、帯は薄れ、緑が明るくなっていく。 緑がきらきらする。誇張ではない。 雨の日は、大島の森にどんよりとした霧がかかる。 海と森の境、つまり大島の海岸線は霧で見えなくなる。雲の上に島が浮いているように見える。 廃墟と化した地の向こうに、海、そして雲に浮かぶ森が横たわる。 想像してほしい。破壊と創造。死と生。 そして雨は廃墟も森も等しく濡らす。 …全て含めて思わず美しいと感じる。絶景だった。 --- GWキャンプ中。「掛け軸が流れてきたんだ」と小鯖の漁師さんがメンバーにある詩を見せてくれた。 気仙沼出身の詩人、水上不二が詠んだ詩がそこに書かれてあった。 海はいのちのみなもと 波はいのちのかがやき 大島よ 永遠に緑の真珠であれ 彼も丘から望む緑の大島を愛したのだろう。 |