大切なこと [2011年04月17日(Sun)]
私はFIWC(http://fiwc.jp/)という団体の活動で現地に来ている。
第1陣は、もう3月下旬からここ唐桑町に入っている。 私は4月5日〜の第3陣で来た。GWまで約1週間交代でメンバー(陣)が入れ替わる。 お世話になっている知的障害者施設の園長が言う。風土の話。 「東北の人は奥手の人が多い。良くも悪くも、よそ者に対して閉鎖的なんです。その分、地域の団結力は強い。唐桑もそうです。地理的にも閉鎖的ですから」 唐桑町は、宮城県の北端にある小さな半島。もともと気仙沼市からは独立していた。今は合併している。 しかし気仙沼市街からも、長いトンネルを抜けなければいけない。山と海に囲まれた半島なのだ。 今、人口7〜8000人の唐桑に入っているのは、FIWC含めたった3つのNPO。気仙沼ではボランティアセンターが機能しているが、唐桑にはそこからのボランティアは入ってこない。 「自分のことは自分でやる。よそ者の手は借りたくない」そう思っている地元の人も少なくないとか。 風土とか言う言葉はあまり好きじゃない。風土うんぬん論で、多様な人たちの性格を一元化した挙句、人を見誤る場合が多いから。 しかしながら土地柄というものはあるらしい。 第1陣、第2陣のメンバーは現地に馴染んでもらうために苦労したとか。 「お前らにできることはない!」と現地の人に言われたこともあるとか。 私たち第3陣以降に対しては、印象として意外と自然に町の人は心を開いてくれる。 このブログにも記録しているように、私たちにワークを依頼する人も出てきたし、個人的に仲のいい町の人もだいぶ増えた。 「少しずつ変わってるんですよ」 と園長は言う。 「以前来てくれたボランティアの皆さん(FIWC第2陣のメンバー)が、日曜日に地域の人と一緒に、公共の場のガレキ撤去、水道(溝)の掃除、廃車の引き上げなんかをやってくれました。 午前の作業を終え、地域の人はくたくたになって、休んでいた。でも、午後も黙々と彼らボランティアが掃除してくれてね。最後まできっちりやってくれたんですよ。それを見た地域の人がね、心動かされたそうですよ。そこからかな。「彼らなら」と信用し始めたのは。ありがたいですね」 先陣のメンバーに心から感謝。 今は第4陣のメンバーと共に寝泊りしている。 第5陣がもうすぐ来る。 地域の人との関係が、復興支援には欠かせない。 一方、信頼関係なんて、一瞬で崩れ去ってしまうものでもある。なので、彼ら先陣が築いてきた関係、私たちが引き継いだ関係、それをしっかり大切にしたい。 言ってしまえば小さな漁師町。 でも、ここで何かできなければ、ここで人間関係を大切にできなければ、 もっと大きなことをやっても所詮は失敗すると思う。 |