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スイスに行っちマッターホルンA「危機感が生んだPublic」 [2016年05月20日(Fri)]

つづき
(前記事はコチラ

1.「官」でも「民」でもない「公」
まず、一番印象に残っている言葉のひとつ。
ブルガーゲマインデはつまり官ですか?民ですか?と聞く日本人が多いそうだが、そもそも地域振興を考える上で必要なのは、官でも民でもない「公」という概念だ。
この組織は、官と連携しているが税収は1フランも入っていないため官ではない。
この組織は、100%出資の株式会社マッターホルングループ(ホテルやレストランを経営)によって軍資金を得ているのだが、組織自体は民間会社ではない。
官民を包括する「Public(公)」に資する組織なのだ。

IMG_8559.JPG

(まちの脳ミソである組織「ブルガーゲマインデ」の事務所)

日本人の感覚でこれを噛み砕くのはなかなか難しいのかもしれない。
視察団のある方が夜こんな話をしてくれた。「明治に入って『Public』という単語を、福沢諭吉は『公』と訳したが、山県有朋は『官』と訳した、という。」
なるほど。日本と欧州ではPublicという概念にズレがある。革命の歴史がない日本※において、「Public」を担うのはずーっとお上(カミ)であり、新政府つまり「官」だった…のかもしれない。
(※明治維新は武士階級内のクーデーターに過ぎず、革命ではない。と思う)

さらに驚くのは、ツェルマット400年の歴史を聞いていても、誰一人として「HERO」が現れないのだ。
蝦夷地のようなある種の被差別地域でとても貧しい地域だったツェルマットは、カリスマに依らず、住民が細々と自分たちでホテルを建て、登山客を呼び、鉄道を通し、まちを経営してきた。
もともと一緒だった役場機能から「ブルガーゲマインデ」として独立したのは1969年。そんなブルガーゲマインデを支えるのは1,500人にのぼる会員だ。昔からの地元人(ジモティー)だそうだ。

私たちは山田さんに不思議そうに聞いた。実際、不思議だった。
「住民どうしで足の引っ張り合いとか起きないんですか?」
山田さんはあっさりと答える。
「そんなことしてたら、みんな死んじゃいますから」
山肌は岩、岩、岩。誰がここに住むと言い出したんだと思うような山の中。故に古来から知恵を絞って生きてきたという。

IMG_8623.JPG

(山岳鉄道から俯瞰するツェルマット。農業は…不可)


まちはカーフリーつまり自動車禁止で、まち中にマッチ箱のような電気自動車・電気バスがうろうろしている。制限速度はなんと20km。この形状にしたのも、住民協議による結果だとか。車で来た観光客はひとつ手前のまち(テーシュ)で駐車し、電車でツェルマットに入る。
さらに、その電気自動車をつくっている会社もなんとツェルマット内にあるという。
発電も自分たちで工夫する。水路を使った水力発電などなど。
基本「自分たちでつくっちゃえ」。そうすることで、自分たちでメンテナンスできるので、ランニングコストも抑えられる。地域の外におカネが出ていかない。
そうして自然環境を守る。観光資源を守る。生きる手段を守る。

IMG_8625.JPG

(メーカーすら内包するという脅威のツェルマット式電気自動車)


「スイスは貧しいですから」よく聞いた言葉。歴史的にスイスを支えた産業は「血の輸出」つまり「傭兵」だったという。各国に雇われたスイス人同士が殺し合ったという歴史も。
それほど貧しい土地なのだ。しかし、その結果が現代のスイスブランドを産む原動力となったという訳か。
金融、観光、時計、薬…。街中に溢れる赤字に白のクロス。国旗自体が高品質なイメージを与える、不思議な力だ。

「あいつは嫌いだけど、正しいこと言ってるから支持する」スイスと
「あいつは正しいこと言ってるけど、嫌いだから支持しない」日本。
そんな対比も出された。何も言えず、へらへら笑うしかない。情けない。

日本は資源に溢れている。しかしそれ故に「公」が育たなかった、ということなのか。
むむむ。そんなはずはない。このテーマ、奥が深いぞ。
考えていて、こんがらがる。

IMG_8547.JPG

(黄昏時のマッターホルン。どうやらこの巨人は表の主役。真打ちではないらしい)


「ツェルマット行ったの?マッターホルンが有名だから成功したまちでしょ。
 気仙沼の参考になんてならないよ」
と言う方も多いが、本質はそうではない。
このまちを突き上げてきたものは「マッターホルン」ではなく「危機感」だった。

つづく

---

【ツェルマット視察メンバーによる報告会やります!】
今年 3 月 21 日(月)~28 日(日)に実施されたスイス視察メンバーによる報告会を開催します。スイスでの学びの共有に加え、DMOとは何なのか?の説明、また今後この知見を気仙沼市でどのように活かしていくべきかの提言なども行う予定です。

日 時:5月25日(水)18:30〜20:30
会 場:気仙沼市役所ワンテン庁舎 大ホール
参加料:無料

<お申込み方法>
以下問い合わせ先に 事業所名・連絡先・受講者氏名をお知らせの上、お申込みください。
一般社団法人リアス観光創造プラットフォーム
TEL 25-7115 FAX 25-7119 info@rias-kanko.com

主 催:一般社団法人リアス観光創造プラットフォーム

スイス視察報告会チラシ修正反映new!.jpg

※私もプレゼンするので、是非聞きに来て下さいネ!
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