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2016年3月11日 [2016年03月11日(Fri)]

毎年この浜に来る。独りで。
でも、今年は独りじゃなかった。
「あら、私も行こうかしら」

毎年さ、ここでお祈りして、お家行って、そしたらばぁばとぴーちゃんと何と無しに天皇陛下のお話聞いてさ。コーヒー飲みながらね。毎年。

でも、今年はぴーちゃんがいないね。
でも、その代わり今年はこの子がいるね。

…ばぁばにおぶられたほののフードをぽんぽんっと。まもなく1歳になる。

「んだねぇ。そうやって巡るんだねぇ」

ばぁばの背中にぐるぐる巻きにされた彼女は訝しげに私を見ている。

---

サイレンが鳴る前に、祠と浜に手を合わせる。
そうしてから、眼を閉じる。
今年は去年のように風は強くない。よろけることもない。
陽がぱぁっと射したのか、不意に眼の前が明るくなる。

2015年9月20日。
「おらいのおふくろは幸せもんだぁ」
声をつまらせてじぃじがつぶやく。
「震災があって、いっぺぇ孫ができた」
畳に正座してて。膝に置く手にぎゅっと力が入った。

ぴーちゃん、今年も何と無しにコーヒー飲みに行っからね。
これからも守ってな。

毎年この浜に来る。独りで。
でも、今年は独りじゃなかった。
ばぁばとほのと3人だった。

IMG_8307.JPG


坂をゆっくり登っていると上からえいかの声が。
「たくまぁ、どこでお祈りしてたの?」
同級生のかずみとたいがもいる。この子たちももう6年生になる。

今年の3月11日は今までで一番日常だった。
私にとっての日常になっていた。
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