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恵理子ママの部屋
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地域移行研修会[2011年01月14日(Fri)]

 1月14日(金)今日はホテルグランシェール花巻に於いて地域移行研修会が行われました。この研修会は主催が地域生活支援センター「しおん」と県障がい者福祉協議会県南ブロック協議会です。当日の参加者は施設関係者や保護者、行政関係者など130名くらいということでした。



 午前中の基調講演は「これからの障がい者施策のゆくえ」〜障害者権利条約・相談支援を中心に〜という演題で講師は東洋大学ライフデザイン学部教授の 小澤 温 氏です。小澤氏は内閣府の障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の委員でもあり、頭脳明晰&言語明瞭で見るからに脳みそがいっぱい詰まっていそうな、メガネを掛けたおでこの広い方でした(失礼)。




 この画像は↑研修会の様子です。小澤氏は最初に障害者自立支援法に至る時代を振り返り、この時期は介護保険制度との統合を模索した時代で、支援費制度はそれほど悪い制度ではなかったが、結局財源不足からその対策法として自立支援法が生まれ、当初は応益負担の部分ばかりがクローズアップされて相当大きな反発にあった。結局のところは、自立支援法以前からの問題もあり、相談支援体制の不備や在宅サービスの不十分さなど様々な要因がある中で結局廃止の方向になったという経緯があるということです。

 確かに自立支援法導入当時は、とんでもない悪法で反対するのが当たり前という風潮がありましたが、少なくとも児童のサービスに関しては今まで使えるサービスがほとんど無かったのに、支援費→自立支援法への変遷を経て劇的にサービス利用が増えました。自立支援法のおかげでたんぽぽクラブの運営も充実して来たのは事実です。

 今後の障がい者福祉制度改革の工程としては2011年に障害者基本法の抜本改正法案提出、障害者権利条約との整合性を図る作業があるので、基本法に盛り込まれる文言が後々の法制度に大きな影響を及ぼすことになるということです。2012年には障がい者総合福祉法案(仮称)が提出され、2013年には自立支援法が廃止され総合福祉法の施行という予定になっています。

 政権交代をして一番変わった点は、以前は厚労省の原案に基づいて審議するだけだったのが、推進会議の委員のメンバーの半数が当事者団体で、何もないところから作り上げているというところです。内閣府のホームページから会議の様子が動画で配信されていますので、確かにいろいろな意見が出ておもしろいけど「まとめるのが大変そう〜」というのが率直な感想でしたけど・・・。

 今回、実際に制度改革に関わっている小澤氏のお話を聞くことが出来て大変勉強になりました。今後の相談支援体制の充実に向けて地域でやるべきことは地域づくりと人づくり→どんなに立派な法律が出来ても実行する事業者やマンパワーがなければ絵に描いた餅なので、結局はそこなのかな〜と納得しました。

 午後の部前半は、「相談支援にもとめられるもの」〜地域における支援体制の構築〜というテーマで千葉県の「中核地域生活支援センター長生ひなた」所長 渋沢 茂 氏による講演がありました。千葉県のすごいところは県内14箇所の健康福祉センター毎に中核地域生活支援センターを設置しているところです。

 この支援センターは福祉の「総合相談窓口」「権利擁護活動」「地域総合コーディネイト」の3つの柱を基本に、いつでも、だれでも、無料で24時間体制&365日相談に応じているそうです。まさに総合福祉法の時代を先取りしたようなシステムです。こんなのが花巻にもなったらいいな〜と思いました。

 渋沢氏は以前入所施設での勤務経験があり、その当時から地域に目を向けて様々な活動をしてきた方です。ぼそぼそっとしたしゃべり方でしたが(またまた失礼)、本当に日頃からひとりの人間として本人たちに向き合い、親身になって支援して下さっている方なんだろうなーと感じました。

 後半の講演は「地域での住まいを考える」〜GH・CHの今後〜というテーマで日本グループホーム学会運営委員 荒井 隆一 氏(千葉県;ロザリオの聖母会)が講師でした。若くて早口の方でしたが、とてもわかりやすくお話しして下さいました。

 我々は気軽にグループホームと言いますが、建物自体のことをグループホームとは言わないそうです。正確には共同生活住居と呼び、GHやCHはあくまでも制度名とのことでした。
私はそんな基本的なことも知りませんでした。以前、通勤寮と福祉ホームの違いがよくわからなかったのですが、時代によって制度名が変わってきたということもわかりました。正式にGH制度が出来たのは平成元年、思ったより最近です。傾向としてGHの大規模化が進んでいるということでした。

 荒井氏は地域移行で大切なのは、あくまでも当事者がどんな暮らしを望んでいるのかということを尊重し、一箇所だけで全てをやろうとしても無理なので他の地域資源を活用し、社会全体として支えるシステム作りが大切だということです。

 千葉県ではGHも進んでいるようですが、この岩手では施設に入所している方をGHに移行させるだけで手一杯で、施設に通所して地域で生活している本人のためのGHにはなっていないのが実情です。一方で入所施設は空きがあればすぐ埋まってしまう状況で、施設入所の人数はいっこうに減りません。通所施設で24時間体制のバックアップをするのはかなりハードルが高い面もあると思いますが、行政サイドからもなんらかの後押しがあればもっと実現可能になるのではないでしょうか?。実際に行っている通所施設もあるので、素人考えでは工夫次第でなんとかなりそうな気がしますが・・・。

 あ〜、疲れた落ち込み。1日でこんなに盛りだくさんの内容の研修会なんてもったいないような気がしました。聞くのも疲れるし、まとめるのはもっと疲れます困った。でも本当に勉強になりました。今回は全然眠くなりませんでした(笑)。コーヒーと水のサービスもありがたかったです。このような研修の機会をいただきありがとうございました。

 ちなみに私は研修会などではよく、講師の方の似顔絵を資料の余白に書いて楽しんでいるのですが、今回の3人はとても描きやすかったです(笑)。でも全然似てないし、本人が見たら怒られそうなので決してアップしませ〜ん(爆)。



 
 

 
権利擁護を考える集い[2010年11月30日(Tue)]

 11月30日(火)午前10時20分から、花巻市・県立生涯学習推進センター セミナーホールに於いて「障がい者の権利擁護を考える集い」〜権利擁護をふつうのこととして〜 が行われました。主催は社会福祉法人光林会「地域生活支援センターしおん」です。

 午前中は「成年後見制度10年を振り返って」〜権利擁護をふつうのこととして〜 という演題で、いけだ後見支援ネット代表の池田 惠利子 氏による講演会、午後からはドキュメンタリー映画「精神」の上映会(135分)でした。私は時間の都合上午前中のみの参加でした。
 


 この写真は講演会の様子です。会場には150名くらいの参加者がいたでしょうか?。どうしても権利擁護や成年後見制度と聞くと、財産管理だとか、面倒な感じがしますが、講師の池田氏によると、そもそも成年後見制度は判断能力が乏しい人のための財産管理や施設入所のための制度ではなく、あくまでも本人が地域でより良く生きるための制度だということを強調していました。

 2000年に成年後見制度が出来てから10年。出来たことは良いが後見人の不祥事が後を絶ちません。適切な後見人が得られるかどうか。そして、その後見人をバックアップする体制が日本の場合まだ不十分です。講師の先生も日本の権利擁護は世界標準ではないと言っていました。

 制度そのものの課題もあり、成年後見制度を利用すると選挙権がなくなるのはもちろんのこと、身上監護の位置付けが不十分なことと、後見人には医療の同意権がないことなど、まだまだ課題があるほかに、支える運用面でのシステムの課題もあります。

 将来的には、望ましい後見人として親や兄弟ではなくて、第三者後見である法人後見や市民後見が上げられますが、本当に当事者本人の目線で考えてくれるような後見人を探すのは、今の日本では至難の業です。制度が成熟してもっと身近なものになるにはあと数十年はかかりそうです。

 手をつなぐ育成会は長年に亘る活動の中で作業所や施設を作ってきました。まだまだ十分とはいえませんが、日中活動の場としてはかなり充実してきたのも事実です。親も高齢化する中、あと残された課題は親亡き後=権利擁護ではないでしょうか!。

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