権利擁護を考える集い[2010年11月30日(Tue)]
11月30日(火)午前10時20分から、花巻市・県立生涯学習推進センター セミナーホールに於いて「障がい者の権利擁護を考える集い」〜権利擁護をふつうのこととして〜 が行われました。主催は社会福祉法人光林会「地域生活支援センターしおん」です。
午前中は「成年後見制度10年を振り返って」〜権利擁護をふつうのこととして〜 という演題で、いけだ後見支援ネット代表の池田 惠利子 氏による講演会、午後からはドキュメンタリー映画「精神」の上映会(135分)でした。私は時間の都合上午前中のみの参加でした。
この写真は講演会の様子です。会場には150名くらいの参加者がいたでしょうか?。どうしても権利擁護や成年後見制度と聞くと、財産管理だとか、面倒な感じがしますが、講師の池田氏によると、そもそも成年後見制度は判断能力が乏しい人のための財産管理や施設入所のための制度ではなく、あくまでも本人が地域でより良く生きるための制度だということを強調していました。
2000年に成年後見制度が出来てから10年。出来たことは良いが後見人の不祥事が後を絶ちません。適切な後見人が得られるかどうか。そして、その後見人をバックアップする体制が日本の場合まだ不十分です。講師の先生も日本の権利擁護は世界標準ではないと言っていました。
制度そのものの課題もあり、成年後見制度を利用すると選挙権がなくなるのはもちろんのこと、身上監護の位置付けが不十分なことと、後見人には医療の同意権がないことなど、まだまだ課題があるほかに、支える運用面でのシステムの課題もあります。
将来的には、望ましい後見人として親や兄弟ではなくて、第三者後見である法人後見や市民後見が上げられますが、本当に当事者本人の目線で考えてくれるような後見人を探すのは、今の日本では至難の業です。制度が成熟してもっと身近なものになるにはあと数十年はかかりそうです。
手をつなぐ育成会は長年に亘る活動の中で作業所や施設を作ってきました。まだまだ十分とはいえませんが、日中活動の場としてはかなり充実してきたのも事実です。親も高齢化する中、あと残された課題は親亡き後=権利擁護ではないでしょうか!。