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救護に関わるファーストレスポンダーって何? [2020年01月23日(Thu)]
東京オリンピック2020まであと半年となりました。
現在、東京オリンピック2020の救護に関わるボランティアに対する「ファーストレスポンダー/First Responder」教育が行われています。

さて、「ファーストレスポンダー/First Responder」って何なのかご存知の方はどれくらいいらっしゃいますでしょうか。

インターネットで「ファーストレスポンダー」を検索すると、消防大学校や大学病院の調査研究報告書、2.5〜3時間で終了する外傷メインのファーストレスポンダーコース、ファーストレスポンダーの言葉を使った心肺蘇生教育のページ等が上がってきます。
つまり、日本ではその定義が定まっていないのが現状です。

それでは、もともとファーストレスポンダーとは何なのか。アメリカやカナダなどの諸外国の事情を調べてみました。


【心肺蘇生や、ファーストエイドを知っていたらファーストレスポンダーなのか】
IMG_20200116_112940.jpg
ファーストレスポンダーは、わりと近年使われ始めた言葉です。
もともとは「エマージェンシー メディカル レスポンダー/Emergency Medical Responder / 以下EMR」でした。
これが、北米の一部地域でファーストレスポンダーという言葉に置き換わり運用されています。
しかし、ファーストレスポンダーの言葉は「第1応答者」の意味であり、救護以外の内容も包括しています。そこで混乱を防ぐために「メディカル ファーストレスポンダー」やもともとの「EMR」を使用している地域や教育機関も多く存在します。

さて、このEMR/ファーストレスポンダーはどういう人なのでしょうか。

国土の大きな地域では、すべての地域に細かくEMS(救急医療サービス)の設置ができない場所が多く存在します。そのため救急車を呼んだとしても、数時間かかってしまう場合もあります。
そんな中救急車が来るまで対応するのが誰かと言うと、地域の医療者・警察・消防・学校の先生・家族等です。
しかし、その人たちは(医療者を含め)病院外の傷病者対応のトレーニングを受けてない人であることがほとんどです。1日程度の心肺蘇生教育を受けたとか、ファーストエイドの講習を受けたことがある程度でした。
そのため適切な判断ができず、救急車が来るまでの病態安定化を目指すことは非常に困難でした。

そこで、アメリカやカナダでは最初に接触して傷病者の安定化を図るプロの養成としてEMR/ファーストレスポンダー教育を始めました。
これはEMSの一部として機能し、地域の死亡事故を防ぐシステムの中に組み込まれています。

そこでは、どのような教育がされているのでしょうか。


主な教育機関におけるコース時間を調べてみました。

【EMRコース】
・56時間 American Red Cross(アメリカ)
・105時間 ブリティッシュ コロンビア 財団(カナダ)
・56時間 パトリオットプロテクション NGO(ウクライナ)
・96時間+オンライン  One HACC Drive Harrisburg(アメリカ)
・80時間 Canadian Red Cross(カナダ)

【ファーストレスポンダーコース】
・40時間 Canadian Red Cross(カナダ)



ちなみに、その講習規定です。
アメリカ心臓協会 BLSプロバイダーマニュアルと比べた写真が以下です。

【アメリカ赤十字 EMRインストラクターマニュアル】
IMG_20200123_151119.jpg



教育内容は最下部に参考を載せますので、興味ある方はご覧ください。


これだけの教育を受け、試験に合格し、初めてEMR/ファーストレスポンダーになるという事です。

逆に、BLSができる・ファーストエイドの勉強をしただけでは判断と傷病者対応は難しいという事が言えるのではないでしょうか。

法律的に、日本ではできない事も教育課程に含まれていますが、わが国でも日本の法律に合った内容で、本当のファーストレスポンダー教育ができる機関が出てくると良いのになと思っています。




(Paramedic Association Of Canada ウェブサイト引用一部意訳)




傷病者の尊厳(言葉、衣服除去、コミュニケーション、個人情報の管理など)
職業上対応義務者として、傷病者対応に対する意識
関連する法律
罰則
犯罪現場における対応
対応者としての身体的要件
救急医療サービス(EMS)の一員としての考え方
感染防護
トリアージの原則に基づいた傷病者評価
複数傷病者に対する、役割の分類(診療所の医療者、EMS等含め)
複数傷病者の管理
ヒヤリング、調査(アレルギー、既往歴、原因、薬、経口摂取など)
一次評価
二次評価
傷病者評価の詳細(生命的危機、循環系、神経系、呼吸系、産科系、消化器系、泌尿器系、性器系、外皮系、筋骨格、目、耳、鼻、喉、新生児、小児、高齢者、肥満、精神系)
バイタルサインの取り方と評価(脈、呼吸、血圧/触診、血圧/血圧計、皮膚色、瞳孔、意識レベル、血糖値)
気道の開通(用手、経口エアウエイ、経鼻エアウエイ)
気道異物除去(用手、口腔内吸引)
酸素投与(鼻カニューレ、低酸素マスク、高濃度マスク、ポケットマスク)
補助換気(用手的陽圧換気)
BLS(医療者向け相当のCPR,AED)
ファーストエイド(外傷、火傷、目の損傷、低体温、凍傷、骨折)
投薬(適応、相対的および絶対禁忌、副作用、投与量パラメーター、および各投薬の安全な投与プロセスの特定)
総合トレーニング : 評価/意思決定/精神運動スキル/介入(生命的危機、循環系、神経系、呼吸系、産科系、消化器系、泌尿器系、性器系、外皮系、筋骨格、目、耳、鼻、喉、新生児、小児、高齢者、肥満、精神障がい、身体障がい、終末期など)


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