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何かを埋めなくてもいい世代の誕生 [2019年04月03日(Wed)]

 私が、大学を卒業したのは平成1年でした。その時はバブル真っ盛りで銀行や証券会社に就職する人が多かった。NTTやモバイルコミュニケーションのツールが少しづつではじめた頃です。コンピュータはまだまだパーソナルなツールではなかったと記憶しています。
 大学卒業して物欲世界に投げ込まれた私は、車を買いますが今ひとつ楽しくない。彼女いができても対して希望を感じないような、物欲とは無縁の人間でした。自分は何ができるのか?ということだけに関心を絞ってゆくと、何もできないのではないかという恐れもありました。
 あれから30年経って、社会は組織的な労働だけではなく、個人の労働をうけいれるように変化してきています。物欲やわかりやすいコンプレックスに悩むのではなく、何も不足を感じない世代が生まれてきています。お金にも興味がない、美味しいものにも興味がない。この世代は、私たちにとって不思議な存在でもあります。しかし、過剰に何かを追い求める。モノや華美な暮らし、ではなく着実に生きることを大事にしている世代の誕生だとも言えます。
 成績にも、いい学校にも興味がないこの世代の誕生を密かに喜んでいます。
発表する事が苦手だった、自分たちへ [2018年02月13日(Tue)]

You TubeやTEDをみると、実に堂々としたプレゼンテーションに出会う事ができます。多くの場合は海外で活躍している人たちです。彼らはもともと遺伝子の段階から、発言する事が上手な人たちだったとも思えません。彼らは、討論するという事が文化です。私たちは、討論したり、議論したりするよりも、人に言えない話をコソコソするのが得意です。いったいどうしてこんな事が起きるのでしょう?不思議に思います。
 私は、失敗を嫌う文化が私たちのどこかにあると思っています。失敗すると次がないというような悲劇的な逃げ場のない議論です。失敗したくはないし、笑われたくもない。(この時、誰も笑うほうがおかしいとは思ってはいません。)必要な準備をして、それで失敗してもいいと私は思います。失敗から次何をするかが明確になるからです。もし失敗しなければ、次さえも気づく事ができません。私たちは「失敗してもいい環境」つくるのに失敗したのかもしれません。
どんなところからでもできる力(IDEC2014) [2017年04月06日(Thu)]

子どもの頃あんなに元気に話をしていた子どもが、だんだん話さなくなってゆく。学校の授業も一方通行なので、話をするのは雑談だけ。自分の考えを問われることも、自分自身の考えを言うこともあまりない。日本の子どもの中では、これが当たり前です。日本では、井戸端会議はするけど公の会議では発言しないのが利口な態度とも言われます。
 今回おIDECでおもに、イスラエルのデモクラティックスクールの子どもたちは非常によく発言します。何が自分にとって大事で、どこに戸惑いを感じているのか?まだ、若者に兵役を行わせているこの国ならではの悩みもあります。しかし、すべてを引き受けながら、自分の意見いうということが非常に好感を持てました。自分を問うということを、当たり前に行ってるからです。
 韓国、台湾の子どもたちは大会に何度か参加しているうちに、非常に英語がよく話せるようになります。これも自己表現。自分が何かにおびえるのではなく、何かを能動的に進めることにもっとエネルギーを出してゆかないと一生力を発揮できないままに終わってしまうこともあるのでは、と心配になります。
 まずは伝える。ここをおざなりにしてはいけません。
「参画したい」と「参加してあげている」の距離 [2016年10月20日(Thu)]

NPOの事業は、参加する人の主体性問われるので、関わっている人の動機や問題意識、本気度が本当に大事です。私からすれば、どうせ事業を行うのならば、成果を出したいと考えます。中にはやってほしいと頼まれたから、行動するという人もいます。
 初めのきっかけは誰もがそうかもしれません。しかし、誰もが自分の力を出すから成果が生まれてゆくのです。大人も子どもも同じ、自分が効果的に活動ができているのか?有効な施策として課題を持った人の問題を自分の事として考えてゆく事が自分の学びにつながっている事が大事です。
 「応援したい」、「少しは参加してもいい」から参加。参加から参画へ。私たちは大事なステップを一緒に作りたいと考えています。市民が人として主体的な人生を生きる事が、生きている一つの幸せだと私は考えています。
子ども食堂は、大人の社会的な責任を果たす場 [2016年09月28日(Wed)]

わが団体の事業で、今一番人気なのは何と言っても子ども食堂の事業です。ボランティアは20名を超えます。誰もが手弁当で参加いただいています。みなさんが楽しく参加いただいている理由は、自分でできることを、自分の力でやるからです。
 誰もが、できることを積み重ねて、評価される場所なんて社会にはそうそうありません。実は、みなさん、自分が何者か?仕事を通じても、はっきりさせることができない人が多いのだと思います。だから責任を果たしたい。自分が何者であるかをしっかりと伝えたい。私たち、NPOはただその活動の場所を提供しているだけなんだと思います。自分たちは、大した力もないけれど、力を集めてゆくことはできます。大人の責任を果たす場をこれからもしっかり築いてゆきたいと考えています。
すなおな思考の流れ [2016年08月28日(Sun)]

腑に落ちる。ということはどういうことか?おそらく自分の考えてきたことと近い考えにあったとき。あ〜これが解決かと気がついた時。「そうだ」とひらめく感覚。「へえ〜」という納得なのかもしれない。
我々市民活動は、納得の得られないことはできない。いや進まない。誰もやろうとしない。でも、これまでの公益活動は、論理や理念だけでせまってくるものも多くあった。正しいから、誰もが行うわけではない。
ようは、ワークショップで考えるというのはすなおな気持ちの流れを作るということなのだ。ちょっと同意できないワークというのは、結露やファシリの強引さが目立つ。慣れない人でも参加できる。考えを巡らせる。こんなワークが必要だと自分にも言い聞かせる。
ワークする会議 [2016年08月09日(Tue)]

私の知り合いに、非常に優秀な社会福祉協議会の事務局長がおります。彼は、会議をただの伝達や連絡の場にしないのです。お互いに何を考え、自分がどのように好走するのかを考え、決める会議にしています。
 この「ワークする会議」は、私のような実践者には実にたまりません。自分は何をすればいいのかわかれば人間は行動ができます。わからないとそのままです。何も変わりません。実は、何かが変わることを望みながら、変わらないことに安心している人は多くいると思います。安心は、変化のない毎日の延長にしかないのではなく、変化しながら続く毎日からこそ生まれるのだと。私も彼も知っています。
現在,不登校の子どもたちの学びに [2016年07月28日(Thu)]


今年の夏は、東北宮城で、「登校拒否・不登校を考える夏の全国合宿」を行います。今回の参加費はなんと無料ですが、そのための寄付を頑張って集めております。ぜひ、みなさん、子どもたちの活動に寄付をお寄せください。


貧困はわかりやすく、不登校はわかりにくし [2016年06月11日(Sat)]

IDEC2016に参加して感じたことは、聞く側が共感することについて言えば、貧困の問題はわかりやすいですが、不登校の問題はわかりにくいということです。不登校の問題は、学校に行かないということがなぜ起きるのか?本人の選択がなぜ認められないのか?非常にわかりにくいことだと、あらためて感じました。
 日本人は、経済的には大きな問題がないです(総じてです)が、子どもを取り巻く教育環境が貧困なのです。教師は、知識の伝達人と規則の番人にされており、その人間的な思いを伝える余裕がありません。表面的に整っていればそれでいい??。卒業資格があればいい??辛くても合わせる力さえあればそれでいい??というのが教育だと思われています。
 貧困は、選びたくても選ぶ経済的な根拠(財源)がありませんが、日本の場合選びたくてもそれを許す環境がない。子どもからすれば、その結果選べないということは同じです。表面的な順応で世界中から「優しさの国」のように言われている日本が実は、「本音と建前」のダブルシンクの国であると。あの優しさはダブルシンクの象徴であると言ってもわからないだろうな〜。と感じました。
IDEC気負わないことと準備をすること [2016年06月08日(Wed)]

IDEC世界フリースクール・フィンランド大会に参加中です。世界フリースクール大会には2014年韓国大会以来の参加です。世界中から多くの参加者がやってきていますが、それぞれに自分の課題をオープンにしながら話をしています。
 私も昨日、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」に対してお話をさせていただきました。公立の学校に行かない子どもの学習権の問題を正面から捉えた法律として非常に画期的だと感じている点などを話させていただきました。
ワークショップをされている方共通ですが、自分の問題意識を明確にすることはとても大事です。ここは遠慮なしで、若いとか経験があるとかも関係なしで話をする事はとても大切です。その前に自分自身が十分に自分の課題について考え、他人に伝えるために準備されていることは違います。準備さえされていれば、伝える力を持つものだと昨日あらためて知りました。
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