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edge2009集合研修報告レポート:2日目 [2008年11月14日(Fri)]
集合研修は2日目に突入!

プレイヤーにとって、メンターにとって、
すべての人にとって、長い長い1日になりました。
7:30 <朝食>
どのプレイヤーも昨夜はよく眠れた様子。
中には朝方までプランを練っていてフラフラだという人もいましたが、
プレイヤー同士おしゃべりを楽しみながらリラックスした様子で朝の時間を過ごしていました。

9:00 <オリエンテーション>
集合研修2日目がスタート!まず始めに、能島から第2次審査シートが配られ、
審査のポイント、シートの書き方について説明がありました。
第2次審査のポイントは、
・ テーマ性 〜テーマ・課題は明確か〜
・ 新規性 〜新しい取り組みか〜
・ 社会変革性 〜社会を変革する取り組みか〜
・ 適切性 〜課題と手段の関係は適切か〜
・ 実現可能性 〜実現可能なプランか〜
・ 成長性 〜申請者に成長が期待できるか〜
以上6つのポイントを中心に審査を行います。プレイヤーは審査シートを翌朝9時までに提出。
書類審査によって、セミファイナル進出者が決まります。
プレイヤーは昨日苦戦しながら記入した『事業プランニングシート』を参考に、作業を進めていきます。


10:00 <講義「起業までの作業スケジュール作成」 古野>
能島のオリエンテーションの後、休みを入れずに古野の講義がはじまりました。
古野の講義はとても分かりやすく、プレイヤーは講義に惹きこまれていくようでした。
それは古野の話術が巧みということもあるのですが、大きな要因は難しい言葉を使わないことだと思います。
どんな難しい言葉も、なるべく簡単な言葉に噛み砕いて解説されるため、内容が頭にスッと入ってきます。
これは自分のプランを誰かに紹介するときの、良い参考例になるのではないでしょうか。
社会起業家にとって重要なことは、周りを巻き込んで事業を展開していくことです。自分の事業を納得させ、一緒に動いてみようと思わせなくてはなりません。
そんなとき、古野さんのように分かりやすい言葉で自分の伝えたいことを話すことができれば、もっと周りに事業を理解してもらえるようになるかもしれないですね。

最後に、古野の講義のポイントをひとつ紹介します。
周りの人を動かすプランを書くには、まず自分が自分の書いたプランを見て、
『なるほど』『そうかいなぁ〜』『やってみよう〜』と思えるものでなければならないとのことです。自分が動きたくなるプランでないと他の人も動いてくれないということです。
ちなみにこの解説を難しい言葉で言いかえると、
周りの人を動かすプランを作るには、『論理性』『実現性』『納得性』が必要だ!
となるのですが、論理性と言われてもあまりピンとこないですよね。
伝え方は工夫が必要。
講義は、わかりやすかったとプレイヤーに大好評でした。




10:30 <チーム別演習>
この時間から、いよいよ第2次審査シート完成へと動き出します!
これまでの講義やワークを活かして、
いざセミファイナルへ!
一気に用紙を書き上げてしまいましょう!!
...といきたいところですが、そう簡単にはいかないようです。
どのプレイヤーもなかなかプランの軸を固めることができません。
いっこうにまとまらず、悪戦苦闘を強いられていました。
特に多かったのが、事業の対象を広くしすぎてうまく絞れないという悩み。
「社会を良くしたい!」という気持ちが強い分、あれもこれもやろうとしてしまいます。
結局自分は何がしたいのか、誰を助けたいのか、どのような社会にしたいのか、
なかなか答えが出てこないようです。

でも大丈夫!
こんなときこそ、メンターの出番です!
もちろん、メンターは答えを「はい、どうぞ」と提供してくれるわけではありません。
あくまで答えを導き出すのはプレイヤー自身です。
メンターは混沌としてしまったプランをプレイヤーと一緒になって整理し、いろんな例を提示してくれます。
そのなかで、プレイヤーは自分では気付かなかった問題や解決の糸口を見つけることができるのです。




13:00 <チーム別演習>
昼食を挟んで、再び審査シート作成!
パソコンと睨めっこしている人や、メンバーと何度もなんども話し合っている人、
ひたすら別紙に案を書き殴っている人、
どのプレイヤーもいろいろと試行錯誤しているようですが、なかなかうまくいかないようです。
ゴールはまだまだ果てしなく遠い...


午後に入って、一人では前に進まないことに気付いたのか、
多くのプレイヤーが積極的にメンタリングを受けるようになりました。
メンターは全部で10人います。
プラン実現までのプロセスを重視するメンターや、
そのプランを考えるに至った背景や理由を突きつめるメンターなど、
一人ひとり違う角度でプレイヤーを見ていくので、
プレイヤーはメンタリングを受けるごとに新たな発見があるようです。
たとえばあるメンターは、プレイヤーが持ってきたプランには一切目もくれず、
「自分は何がしたいの?」「なんでしたいの?」「なんでそう思うん?」とひたすら自分自身と向き合わせていました。
プレイヤーはメンタリングを受けることによって自問自答することになるのです。
自問自答と一言で言ってしまえば簡単ですが、なかなか自分自身と向き合うことは難しいものです。
自分のことなのに、なぜこんなにも答えが出てこないのか...非常にしんどい作業です。
思わず涙を流すプレイヤーもいました。
しかし、これを乗り越えない限りはいつまで経っても自分を誤魔化し続けてしまいます。
自分は何をなぜしたいのか?この答えは自分の中に眠っているのです。
メンターはプレイヤーを映す鏡となって、プレイヤーの姿を映し続けていました。

また課題設定部門では、企業が求める課題と第1次審査で考えたプランがマッチせず、
どのようにプランを修正したら良いのか分からずに悩んでいるプレイヤーがたくさんいました。
あるプレイヤーはプランを一部変更したり、そもそも一から考え直したり、
企業の持つリソースを用いてプランをどうにか立て直そうとしていました。
しかし、これを修正することはなかなか難しかったようです。
夜になっても課題に沿ったプランが思い浮かばず、かなり焦ってプランを考えていた人もいました。
これはそもそも課題を十分に理解していないということや、
自分の気持ちが強すぎてプランと課題とのズレに気付いていないということが原因となっているようです。
そんなプレイヤーに対してメンターは、企業の求めていることや企業の持つリソースを分かりやすく解説し、どの部分で課題からかけ離れてしまっているのかを気付かせていました。
メンタリングを受けながらプランの問題点に気付き、大幅にプランを改善させた人も出てきました。




それでも、作業の状況は一進一退。
ひとつ問題を解決しては、また新たに問題を見つけ、また解決する。
解決したと思っていた問題もメンタリングを受けてみて、
実は少しも解決できていないことに気付く。
時間は刻一刻と進むのに、プランはちっとも進まない...

会場に西日が射しはじめたころ、
机に向かうプレイヤーの背中は疲労の色に染まり、
「行き詰まりました!」と言わんばかりの停滞感が、会場の空気をどんよりさせる。


18:00 <夕食>
気分を変えるにはもってこいのタイミングで夕食タイム!
さすがにヘトヘトだったのか、皆どこかホッとした様子で食事をしていました。
それでも、やはりプランのことが気になるのでしょう。
話題は自然とそちらの方に移っていきました。
ふと「時間が経つのが早い...」ともらすプレイヤー、焦りがチラリと窺えます。


19:00 <全体ワーク>
夕食でガソリンを補給、
あとはゴールまでアクセル全開で駆け抜ける!
とその前に、ここで全体ワーク。
プレイヤー同士でペアを組み、
互いのプランをメンターになったつもりでメンタリングしていきます。
このワークの狙いは、自分が他プレイヤーのメンタリングをすることでメンターの視点でプランを見ることができるということ。
また、プレイヤーからメンタリングされることによって新たな切り口で自分のプランを見てもらうことができます。
かなり白熱したメンタリングが繰り広げられていたようで、
皆、身振り手振りで意見を交わしていました。

クライマックスに向け、
プレイヤーは自分のプランを客観視する力を養うことができたようです。




20:00 <チーム別演習>
さぁ、もうあとはゴールまで突っ走るしかありません。
時間への焦りか、メンタリングを通してたくましくなったのか、
何かが弾けて吹っ切れたのか、
どのプレイヤーも昼間とは違う厳しい顔つきになってきました。
あまりの集中に、少し話しかけられない雰囲気です。
また、メンタリングを受ける様子も変わってきました。
以前はメンタリングを受ける度に問題を発見して悩ましい表情を浮かべていたプレイヤーも、徐々にプランがまとまってきて、すっきりとした表情でメンタリングを受けています。
どうやら壁をひとつ乗り越えたようです。
どんどん作業も進んでいき、
いよいよラストスパート!
一息つくのを見計らって、あるプレイヤーにインタビューしました。
「調子はどうですか?完成に近づいてます?」
「いやぁ、実は今から新しくプランを考え直します。アハハ」
...
...えっ、今から新しいプラン!?アハハって大丈夫なんですか?


22:00 <朝まで延長戦>
ここで全体でのプログラムはいったん終了。
あとはチームごとに集まって、完成するまで作業を続けます。
長い一日はまだ終わらない。
しかし、疲れてへたばるプレイヤーは一人もいませんでした。
たとえ新しいプランを練り直すことになっても、
たとえ自分は社会起業家ではないのかもしれない?と気付き始めても、
最後の最後まで諦めることなく、プランのブラッシュアップを続けていました。




プレイヤーの気迫、意志の強さ、そしてひたむきさに胸を熱くさせられた、
そんな2日目の夜でした。

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