• もっと見る

農山村から『未来』を学ぶ

これからの未来に必要な智恵は、今、消えようとしている農山村コミュニティにあります。それをどうやって伝えよう?
中山間地域集落の維持再生を支援する『NPOひろしまね』スタッフの森えりかのブログです。


南国に吹く、あたたかく、強く、やさしい風@ [2008年01月29日(Tue)]


 もりです。高知から帰りました。

 さすが南国、早くも春の気配を感じる、なんともやわらかな日差しが燦々と降り注いでいました。
 そしてたくさんの方々が、3日間濃く、あたたかく迎えてくださり、ココロもカラダもすっかりぽかぽかに温まって戻ってきました。
 お世話になりました皆さま、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
 
 ちなみに、戻った島根はふたたび雪模様です・・・おぉさむ。
 
 冷め切らぬうちに、急ぎ足で高知の旅の始終をご紹介します!

 

 ↑「しもなの郷」に向かう道の眺め。
 大型バスの車幅ギリギリ、ガードレールのない
道の向こうは断崖絶壁...


 【1日目】

  8:00  中山間センター 出発
       しまなみ街道を通って愛媛県へ

 13:30  久万高原町の久万林業活性化センター訪問
       人工林の団地化と施業管理の取り組みについて聞く

 16:00  高知県仁淀川町「山村自然楽校しもなの郷」に到着
       島根県の取組み紹介
       高知の取組み紹介

 19:30  懇親会





 
「しもなの郷」は廃校を利用した宿泊施設です。島根の里山再生PJ・高知のNPOなどそれぞれの取組みを紹介しました。
 この日の高知の事例発表の中でもおもしろかったのが、木星から届く電波の観測を、アメリカのNASAの公認を受けて、この山奥の廃校でやっていることでした!







 町の教育長さんが天文ファンの高専の先生と一緒に企画し、まさかの科研費獲得、NASAから研究者は視察に来るし、町民は「???」、そして世界各地での同時観測、月面への観測機器設置計画も進行中・・・

この山奥でまさか!という宇宙規模のプロジェクトが進んでいます星

校舎の上に巨大な電波観測用アンテナが設置されています・・・→








「しもなの郷」は地域の住民の方々が交代で切り盛りされています。
H17にオープン以来、毎年700〜800名もの宿泊利用客があるというからスゴイ!
利用者の中には、地元集落から他出し家の残っていない人や、この小学校の卒業生も多いとか。
ひろしまねが取り組む里山再生PJの参考になりますね。
男性(オジサン、お爺さん)もオバチャンと一緒に厨房に立ち、黙々と炊事をしている姿が印象的でした。




なんと、私のブログの湯たんぽの記事を読んで、電気アンカを自宅から持ってきて下さった方が!

あまりの嬉しさに、アンカを持って笑う女・・・→
南国に吹く、あたたかく、強く、やさしい風A [2008年01月29日(Tue)]

昨年春に独りで訪れた椿山にて
偶然、伝統のミツマタの皮剥ぎ作業に出会いました。





 【2日目】

 午前    「しもなの郷」で高知の事例紹介

 昼食後  仁淀川町のバイオマスプラント見学
        (バイオマスガス発電装置・ペレット工場)

 土佐和紙工芸村で入浴
 いの町成山の「七色の里」へ
 NPO土佐の森・救援隊のみなさんと交流会 

 

『焼畑による山おこしの会』は、地域に残る経験者や
都市住民、学生などと協力して、伝統的農法である
焼畑を2005年から復活させている。



『焼畑による山おこしの会』を主宰されている
高知女子大学の橋尾先生と。


私自身、民族文化映像研究所の姫田忠義監督との
縁で焼畑と椿山を知り、そして今回思いがけず
『山おこしの会』と出会いました。

こうして想いを持ち続けると、いつしかそれが新たな縁を運び、
必然的に人と人とを結んでくれるのだと、
あらためて実感した瞬間でした。



 2日目午前も引き続き事例発表です。

 『焼畑による山おこしの会』
 『NPO法人土佐の森・救援隊』 http://mori100s.exblog.jp/
 『いの町のグリーンツーリズム研究会』 http://inogt.jp/
 『梼原町の木質バイオマス循環システム』
 『仁淀川流域エネルギー自給システム』
 (関連記事)http://kawauso100.exblog.jp/d2006-07-19

 どの事例も、自分たちの愛する地域のチカラを信じ、なんとか甦らせようと懸命に挑戦する人々の熱い想いが結晶したかのような、感動的なお話でした。



 

午後は木質ペレットの製造工場を見学。

下段の写真は、ペレットの材料となる端材。
これまでは用途がなく、山で放棄されていたが、
今は3000円/tでプラントが買い取ってくれる。

「NPO土佐の森・救援隊」は、この木質バイオマス収集運搬
部分の経済性を実証検討する事業を受託しています。
捨てていたものが売れるのだから、
林家にはいい副収入になります。

「救援隊」はこれに併せて地域通貨『モリ券』を発行したり、
間伐を請け負ったり、伐採方法を指導したりして
きめ細かな施業のできる小規模林業(自伐林家)を
増やすことを目指して活動しています。
南国に吹く、あたたかく、強く、やさしい風B [2008年01月28日(Mon)]

  

2日目夜、NPO土佐の森・救援隊のみなさんと交流会

バイオマスの普及と、山を甦らせる小規模林業の再生
という先駆的な挑戦は、一見とても困難に思えるが、
闘う人たちの語り口はじつに軽やかで表情も明るい。
『理想の未来を創る』ことの楽しさと自信が伝わってきます。




今回の視察の現地コーディネートをしてくださった
「土佐の森・救援隊」事務局長の中嶋健造さん。
「救援隊」以外にも、焼畑、棚田保全、グリーンツーリズム、
スローフードetc.…数々の活動をされています。

しかもその気負いを微塵も感じさせない、
ユーモアとやさしさあふれる、しなやかな方でした。
きっとそんな中嶋さんを慕って活動に参加されている方も
多いのではないかと思います。

私もこんな人になりたい...


【3日目】

 午前  日本テレビ『遠くへ行きたい』番組ロケに参加。
      元ラグビー日本代表の大八木敦史さんがいの町を訪問。
      棚田で収穫された幻のもち米『アラキモチ』を食べる、という内容。

      番組撮影後「NPO土佐の森・救援隊」に合流、間伐体験!

      地域通貨『モリ券』をいただき、高知市内の特産品店
      『こうち暮らしの楽校』でおみやげ購入。
      
 12:00 高知出発 
      瀬戸大橋経由島根へ

 18:30 中山間センター着



最終日は間伐体験です。
(右端はチェーンソーの使い方を実演する中嶋さん)

チェーンソーは正しく使えば安全で怖くないこと、
立木の伐到も、手順をきちんと守れば初心者でも出来ること、
などを、分かりやすく丁寧に教えてくれます。

 こんな講習を受けられるのであれば、私も間伐作業を
手伝いたい!山を甦らせるために働きたい!と思います。

 「救援隊」はこうして、都市住民や素人でも関心のある人が
気軽に林業や森林の再生にかかわれるチャンスを提供しています。
同じようなことが島根でも出来たらいいな、と思いました。


ちなみに、中山間センターの笠松さんは、
「今年は島根の山も焼きます!」と宣言しました。

高知と島根の新しいコラボレーションが生まれそうな気配です。
里山再生PJ、いよいよおもしろくなってきました!!




雪国から南国へ、GO! [2008年01月25日(Fri)]




今朝は6時に家を出て、雪道をのろのろ運転、やっとこさ中山間センターへ到着。

ここ数日の強い冬型で、山はまるごと雪だるまになりました。


粉砂糖をふりかけたように、ぽっさりと雪の積もった木立ちがなんともおいしそうに見えるのは、私だけかな...


次から次と、音なく舞降りてくる雪の先に、ぼんやりとやわらかなひかりを放つ満月。その下に、銀色の山と、無言のまま立つ茅葺きの豪屋敷。

恐れを感じるほど美しい景色に、久しぶりに出会いました。



今日から3日間、南国高知です。
今回初めて携帯から更新してみました。





しまなみ街道から、おだやかな瀬戸内海の眺め