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農山村から『未来』を学ぶ

これからの未来に必要な智恵は、今、消えようとしている農山村コミュニティにあります。それをどうやって伝えよう?
中山間地域集落の維持再生を支援する『NPOひろしまね』スタッフの森えりかのブログです。


里山再生PJ、大詰めです。 [2008年01月13日(Sun)]


新年が明けて、平成20年!
今年度も残すところ、あと3ヶ月弱となり、NPOでは各事業の取りまとめ作業が大詰めを迎えています。

今年度から3ヵ年の計画で始まった『限界集落』支援社会実験(通称『里山再生プロジェクト』)、初年度の報告書の取りまとめを前に、その内容やプロジェクトチームとして全国へ発信するプロポーザルの方向性について議論する戦略会議が開かれました。

議論が白熱したのは、やはり『限界集落』のとらえ方と、そうした地域も含めた中山間地域の将来ビジョンをどう描くか、という点。
以下、その主な議論内容。
  
 ◎『集落』とは何か? 
 ◎『限界集落』とは、何が「限界」なのか?
 ◎いま、規模縮小する地域において守ろうとするもの(こと=主語)」は何か?機能か?生活か?それともまた他のことか?
 ◎来年度、各省庁から重複して漏斗的に投下される巨額の事業を、どう整理し回していくべきか。(無計画な投資で現場が潰されかねない危機的状況+実体のない『集落』を「守れ!」という一方的・高圧的なベクトル…への対応、オルタナティブの可能性)

 結局
 「いなかのムラが消えて、何が悪い?」
 「農村の再生はなぜ必要か?」
 という問題に対しての社会的コンセンサス=価値認識をどう構築するか、ということが最大の課題である、ということが再確認できました。(個人的に)


 なお来年度から、ひろしまねの取り組みをモデルに、地域を総合的に支援する機関を立ち上げる取り組みに対して島根県が補助する新規事業がスタートします。
 ひろしまねはそれらに先行するかたちで、引き続き『集落支援センター』立ち上げ&運営に取り組みます。私の個人的な希望は、その中で、小さくとも確実な「収益事業」をスタートさせることです。



 『限界集落』は、現代社会の荒波の只中を漂う、難破沈没寸前の古びた箱舟の様相です。それでも私たちは希望を捨てず、なんとか生き延びようと必死に舵を取り、力を合わせて櫂を漕ぐ、船員のようです。

 ひろしまねスタッフ一同に、二人三脚で動いている中山間センター研究員の3方、さらに、島根県庁地域振興部の面々。それぞれ個性的に動きつつ、また春からはさらに一層のチームワークが試される第二幕の幕開けとなるでしょう! 引き続き、お世話になります!





会議の後は、センター課長とひろしまね事務局長による、
サプライズ尺八セッション。(←長かった…)






 
昨日は、帰宅後久しぶりになじみのBar『くう』へ。
飲んだのはシングルモルトスコッチウイスキーROSEBANK。
現在は蒸留所が閉鎖され、プレミアがついているのだとか。
かすかにシェリーの甘い香りが漂う。濃厚な味。美しい黄金色。
やはり、おいしいものは、うつくしい。


雨に煙る松江の街を眺めながら、
過去のことや未来のことを考えました。






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