• もっと見る

エコロッジ協会ブログ

NPO法人エコロッジ協会のイベントや活動報告をしています。参加された方、関心のある方はぜひ書き込みして下さい。

<< 2020年07月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
中野美鹿
アジア太平洋地域エコツーリズム会議inスリランカ (05/19) 知床羅臼町観光協会 三浦
エコなお客様の接客・接遇 (04/05) ひー
スリランカにおけるツーリズムと地域振興 (03/14) ひー
アースガーデン宿泊体験&落ち葉をふみしめて歩くin美山・京都 (11/25) うーたん
アースガーデン宿泊体験&落ち葉をふみしめて歩くin美山・京都 (11/22) (財)北海道ユースホステル協会
エコロッジ説明会2in札幌 (06/13) マッキー
グローバルエコツーリズム会議inオスロ (06/08) 民宿本間 本間 正子
宿泊施設向け研修会in知床羅臼 (02/06) (財)北海道ユースホステル協会
エコロッジ説明会in札幌 (10/23) 羅臼町旅館組合 本間正子
宿泊施設向けエコツーリズム研修会in羅臼 (07/25)

世界トレイル会議2010in韓国済州島

[2010年11月08日(Mon)]
世界でトレイルに関する初国際会議が2010年11月7日から二日間にわたって韓国の済州島ヘビチホテルにて開催されました。

エコロッジ協会では、8日のパネルディスカッション1の基調演説としてトレイルツーリズムをいかに保護活動と連動して振興するかという「Linking Conservation to Trail Tourism」に関しての発表を担いました。


【パネル討議の様子】


まずは、どのツーリズムにおいても持続可能性が大事なこと、特に世界自然遺産を持つ済州島では、自然を利用したエコツーリズムの手法を用いることが望まれるため、国際エコツーリズム協会の定義を引用し、保護管理計画策定の重要性を中心に話しました。

1)自然、文化、歴史的な重要性の査定
2)管理体制の査定
3)保護の目的とルールの策定
4)管理計画の実施
5)結果の検証と計画の再確認

以上のカテゴリに分けてご紹介しました。

最終日は済州島のオルレと呼ばれる路地歩き、軽いハイキングに財団の方々や参加者と楽しみました。驚いたのはメディアの数と軍隊による引率です。


【見晴らしの良い丘での貴重な体験】



【放し飼いの馬と歩く】


済州島には幾度か訪問させて頂いておりますが、オーバーユースによる自然劣化や観光としての質の低下が顕著に垣間見れる場所があります。これらを踏まえ、主催者の済州島オルレ財団の皆様とは、短期・中期・長期計画の策定や危機の共有について談話をする機会が設けられたこと感謝しています。(まサル

【リンク】
・2010オルレウォーキングフェスティバル[http://www.ollewalking.co.kr/english/]


Posted by NPOエコロッジ協会 at 09:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

世界サステイナブルツーリズム基準に関する会合inCOP10名古屋

[2010年10月22日(Fri)]
2010年は生物多様性条約締約国会議(COP10)が開催されましたが、今年4月でもブログでご紹介しました持続可能な観光の世界基準についての会合が持たれました。https://blog.canpan.info/ecolodge/archive/44

発表者はCBD、レインフォーレストアライアンス、IUCNと大きな団体が肩を並べましたが、エコロッジ協会はこの基準適応についての考察と日本の市場における現況についてのプレゼンを依頼されました。今年インドネシアのエコロッジとパートナー関係を気づきましたが、そのオーナーも来られていました。



【ケーススタディー等の発表の様子】


発表の内容は、エコロッジでは独自の110項目の基準を持っていること。国際基準利用の可能性とその影響、市場へのメリット等です。

小さなNPOがこのような大きな国際舞台にて発表できたことを嬉しく思っています。(まサル

【リンク】
・CO10支援実行委員会[http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/]
・CBD[http://www.cbd.int/]



Posted by NPOエコロッジ協会 at 15:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

サステイナブルトラベル会議inハワイ2

[2009年04月24日(Fri)]
ハワイ州立大学マウイコミュニティーカレッジのサステイナブルリビングインスティトゥートの主催において4月24日に講演をしてきました。カレッジ内の講堂においてエコロッジ協会の認定制度や加盟施設に関してのプレゼンテーションを行いました。マノア校からご一緒させて頂いているスタンフォード大学のダーハム教授も来られています。



拡大pdfはこちら2ページ


講演タイトルは「日本におけるサステイナブルツーリズムモデル」
講演内容は;
1)エコロッジ協会の活動内容
2)認定制度とチェックリスト
3)エコツーリズム推進法
4)エコツーリズム産業の展望と挑戦
5)知床と西表での取組み

1)エコロッジ協会の活動内容
協会の活動は普及啓蒙、認定制度導入、そして環境保護活動に繋げるエコツーリズムのあり方など概要をお話しました。

2)認定制度とチェックリスト
エコロッジを認定しているオーストラリアやコスタリカのケースを紹介しながら日本におけるチェックリストやオンラインで達成率を表示するサイトを紹介。また加盟施設の6つのカテゴリにおける達成率をグラフ化し、登録だけでなく認定施設にすることの意義についての話です。

3)エコツーリズム推進法
2008年4月に施行された法律の内容を簡単に説明。日本が制度化して取り組む前向きな姿勢を評価しつつ、各自治体での認識の低さを指摘。世界でも例がない法律には展望と課題があります。

4)エコツーリズム産業の展望と挑戦
隙間産業と言われているエコツーリズム産業は世界的に飛躍的に成長しています。わが国においてもその成長は日々目にしますが、エコという名で集客する「なんちゃってエコツアー」や「エコ宿」等の問題を指摘。現場の声を反映した国レベルでの認定制度の導入が望まれます。

5)知床と西表での取組み
マノアに比べて国立公園での観光利用に関心が高いとの事前情報を得ていたので、以前エコロッジ講座を開設した知床と気候と地形が比較的似ている西表での事例を発表しました。知床は自然世界遺産としての国際的な役割を果たす中、西表は最新の国立公園として国内でも注目を浴びています。地域住民と環境保全等をいかに活かし、持続可能な観光を導入していくかを課題にお話しました。




熱心なマウイ島の住民が参加



マウイのハレアカラ国立公園はハワイ語で「太陽の家」の意味を持つ標高約3000mの世界最大の休火山として知られており、旅行者数も多い。川沿いのトレイルを上り続けて滝までの道のりを楽しむのだが、木道は竹林の一部しか整備されておらず、ビーチ帰りのサンダル登山客が後を絶たない。また、国立公園に限らず自然が多く残るマウイでは、別荘族と地域住民との金銭的及び思想における格差が拡大し、問題は山積している。持続可能な観光とは?を地域住民レベルで考える良い機会になったと思います。

また、地元紙のマウイウィークリーに掲載されました。英語のみですが、参照リンクはこちら(まサル


ハレアカラ国立公園で涼を求める登山客



国立公園内へ水着で入る旅行者ら


【関連リンク】
・サステイナブルマウイ(http://www.sustainablemaui.org/)
・ハワイ州観光局マウイ(http://www.gohawaii.jp/travelplan/plan_maui.html)

Posted by NPOエコロッジ協会 at 09:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

サステイナブルトラベル会議inハワイ

[2009年04月22日(Wed)]
ハワイ州立大学サステイナブルトラベルエジュケーションパートナーシップ(STEP)の主催において4月21と22日に講演をしてきました。21日は国際エコツーリズムに関する話でしたが、22日はエコロッジ協会の認定制度や加盟施設に関してのプレゼンテーションを行いました。同席されたのはスタンフォード大学のダーハム教授。ガラパゴスをはじめ、世界的に著名な研究者であり、責任ある観光の研究機関の代表も兼任されておられます。




講演タイトルは「日本におけるサステイナブルツーリズムモデル」
講演内容は;
1)エコロッジ協会の活動内容
2)認定制度とチェックリスト
3)エコツーリズム推進法
4)エコツーリズム産業の展望と挑戦

1)エコロッジ協会の活動内容
協会の活動は普及啓蒙、認定制度導入、そして環境保護活動に繋げるエコツーリズムのあり方など概要をお話しました。

2)認定制度とチェックリスト
エコロッジを認定しているオーストラリアやコスタリカのケースを紹介しながら日本におけるチェックリストやオンラインで達成率を表示するサイトを紹介。また加盟施設の6つのカテゴリにおける達成率をグラフ化し、登録だけでなく認定施設にすることの意義についての話です。

3)エコツーリズム推進法
2008年4月に施行された法律の内容を簡単に説明。日本が制度化して取り組む前向きな姿勢を評価しつつ、各自治体での認識の低さを指摘。世界でも例がない法律には展望と課題があります。

4)エコツーリズム産業の展望と挑戦
隙間産業と言われているエコツーリズム産業は世界的に飛躍的に成長しています。わが国においてもその成長は日々目にしますが、エコという名で集客する「なんちゃってエコツアー」や「エコ宿」等の問題を指摘。現場の声を反映した国レベルでの認定制度の導入が望まれます。


各国からの生徒と教師が参加


認定制度に関しての質問が多く、チェックリストの項目内容や点数制の振り分け、達成率による差別化等に関しては講師陣からも関心の高さが伺われました。大学の教育の一環として終わるのではなく、次世代を担う実践的な人材に成長されることを願います。(まサル

【関連リンク】
・STEP(http://www.hawaii.edu/envctr/ecotourism/
・CREST(http://www.responsibletravel.org/)

Posted by NPOエコロッジ協会 at 09:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

食事からもエコロジーin神戸学院大学

[2008年11月15日(Sat)]
今回は設備系や省エネ系でもない「食育」をキーワードに講演依頼を頂きました。またお子様を対象にしているため、お母様達も惹きつける内容にするのに苦労致しました。キッズオープンキャンパスは、兵庫県内の大学が加盟して組織する「大学コンソーシアムひょうご神戸」の地域交流事業の一環として行ってられるそうで、今回は神戸学院大学がその役割を担ったとお伺いしました。

◆ キッズオープンキャンパス
「スローフードから学ぶ食育〜ゆっくりいただき ゆっくりかえそう〜」
開催地:神戸学院大学 有瀬キャンパス 大学会館 マナビーホール

講演題目「食事からもエコロジー」

内容は;
1)食の省エネの提案
2)ゴミまで買っていませんか?
3)買物は近くであれば自転車か徒歩で
4)冷蔵庫の配置と詰めすぎにご注意!
5)調理と片付けの省エネポイント
6)廃棄の省エネ

1)食の省エネの提案
私たちが日常口にしている野菜、魚、肉などはお店で作られているのではありません。野菜意の場合、種や苗から育てて収穫、加工、運搬、店頭保管、家庭保管、調理、ゴミ出し、排気のライフサイクルで考える必要があります。季節ものや地場産のものを優先的に購入することが食の省エネの基礎です。

2)ゴミまで買っていませんか?最近ではレジ袋をなくしてエコバッグにする人が目立ちますが、これも環境面では色々と議論の多い課題です。しかし、家庭において平均的に年間300枚以上のビニール袋やレジ袋が使われているのは事実であり、また200個以上の発泡トレーが食材と一緒に買われています。価格のなかにこれらの容器代も含まれているのです。

3)買物は近くであれば自転車か徒歩で
買物の交通手段として約4割が徒歩や自転車、同じく約4割が自動車、そして共同購入やお取り寄せと言われています。当たり前のことですが、近くのお店で地場産のものを購入し、地域経済に貢献してください。遠方から来ているのに安いというのはおかしくないですか?

4)冷蔵庫の配置と詰めすぎにご注意!
冷蔵庫は24時間稼動しており、電気を消費は家庭内でもトップクラス。宿屋でも同じです。置場が熱源近くや日当たりの良いところでは負荷が増し、エネルギーを余計に消費しています。また、詰めすぎも冷気が循環しませんので、腹も冷蔵庫も8部目を目安に使いましょう。

5)調理と片付けの省エネポイント給湯器や電子レンジをかしこく使い分けることで省エネになるほか、栄養素を逃がさずうまく調理できます。なべ底の水滴を拭く、保温カバーを使うなどの省エネポイントを紹介しました。もちろん、家族揃っての食事は省エネです。

6)廃棄の省エネ
食べ終わったら食洗機をただ使うだけでは手洗いに比べて節水にならない。油ものが多くないときは温度調整する、炊飯器で長時間保温するより電子レンジを活用等の紹介でした。特に生ゴミはコンポストで堆肥化していない家庭では、焼却されますが、水切りや乾燥することで、必要なエネルギーを軽減できます。

以上、ポイントを多くご紹介しました。お母様たちは特に関心が高かったように思われますが、スタッフ(学生)にも多く勉強になったとコメント頂き光栄に思います。毎食のことですので、かしこい食の省エネを実践してください。




【リンク】
神戸学院大学 学報トピックス
大学コンソーシアムひょうご神戸

Posted by NPOエコロッジ協会 at 13:30 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

エコなお客様の接客・接遇

[2008年03月18日(Tue)]
知床羅臼町観光協会主催では、「今から本気で始めよう!知床 羅臼から 〜観光そしてエコ活動〜」と題して接客・接遇研修会を羅臼公民館にて開催されました。この研修会は講演会(第1部)とワークショップ(第2部)に分割し、エコロッジ協会は第1部の講演と2部のアドバイザーとしてご協力させて頂きました。



第1部: 
1)観光協会としての活動や方向性の説明 
2)地域で実際に行われているエコ活動の事例の紹介 
3)講演「エコなお客様の接客・接遇」

第2部: 
ワークショップ(知床羅臼の観光とエコ活動をひとつでも具体的に取り組むための町民参加による意見提起)



2007年1月には省エネ研修という形で羅臼町に行かせて頂きましたが、今回は宿泊施設運営者だけに限らず、一般市民の呼びかけを観光協会が手がけ約20名の参加がありました。今回は町内に住んでいるだけでは分かりにくい環境意識の高い観光客の動向やそのお客様を獲得するための接客術を取り上げた講演「エコなお客様の接客・接遇」を行い、その内容は以下の通りです。

1)なぜ今エコ接客・接遇なのか?:
自然・環境・観光ブームの到来と知床の世界遺産効果による一局集中「超満員」、「大渋滞」、これが一部サービス低下や環境負荷倍増を招いている。また、マスツーリズムに依存することによる経済効果の制限・流出、そして温暖化の深刻化について。

2)地球温暖化を防ぐのは身近な省エネから:
簡単な温暖化の仕組みの説明、北海道と全国における家庭用エネルギー消費原単位の推移の比較、北海道における発受電電力量の割合、北海道における冬季・夏季別機器別電力消費量 等全国レベルに比べて北海道は厳しい寒さによるエネルギー消費が著しく大きいことと、知床を訪れる観光客による二酸化炭素の排出は大きく、温暖化を助長している現状を説明。

3)増え続ける観光客:
2007年のWTOデータを引用し、海外旅行者数が飛躍的に伸びており、この傾向が続くと思われること。同時にエコな絶対観光客数も比例して増加していることを裏付けた。

4)増え続けるはずの観光客:
羅臼町とお隣の斜里町の観光客入込数(95-06年)及び日帰り客数を比較し、観光客数が遺産登録後も伸び悩んでいること、大多数が日帰り客であり、実際に経済効果が低いことを提示。この傾向が続く場合の対策として;
1)滞在日数の長期化による収益アップ:アクティビティーの多様化、四季、年齢、性別、運動能力に対応、訪日旅行者の受入強化
2)客単価を上げる工夫:サービスの質の向上、地産地消の徹底、富裕層へのアピール 等を提示。

5)エコ客がつくサービスとは?:
1)第一印象を大事にする 
2)印刷物・掲示板、水・お茶・自販機、トイレは要注意 
3)地域に貢献してもらう場の提供 
都市部在住に環境意識の高いお客様を受け入れるにはその人々がどういう点に注目しているか、第一印象はもちろん、使用している紙類や飲料、トイレまでの細かい点に気配りが必要だと説明。また地域に還元するための仕組み作りも地元で用意しておき、選択肢を増やすことを勧めた。

第2部のワークショップでは多彩多様なバックグラウンドを持つ町民が意見を出し合い、エコに関する現状把握、問題提起、利害関係者と対策について活発な議論がなされた。アドバイザーとして助言させて頂いた点は以下の通り。

1)清掃活動の運営管理:羅臼町内では平成19年度に年間14度の清掃活動が役場職員、商店、PTA、小中高の学校により行われているだけではなく、漁協も相当数の活動を行っていることが判明。ただ、各団体の横の繋がりはあまりなく、協働しどの清掃活動にも動員できるような仕組みが必要である。

2)ゴミの減量:夏場のコンポスト化は熊による害があるため、敬遠されてきたが、冬場は冬眠しているのでその心配がないこと。燃えるゴミは焼却されるのだが、特に生ゴミ等水分を多く含むものについては、外に出しておき、乾燥させてから処分することで、減量化だけでなく、焼却に必要なエネルギーの削減にもつながると説明。

その他、エコ以外の課題では観光客誘致のためのIT活用、利害関係者の結束助長、町ぐるみの観光客歓迎の統一感等について触れた。

観光協会長の挨拶でも言われたように、羅臼は超一流の自然を持っており、それを保護し、町民主導で持続可能性を追求・活用することが、羅臼らしさをもっと楽しませる観光形態の形成になると信じている。お客様の数を競う時代は終わり、クオリティーの高いサービスと世界遺産登録で周知されている最高レベルの自然を歴史深い漁業との共存を目的とし、観光という切り口で成功した暁には羅臼が再度活況に湧くのではないかと信じている。講演や助言内容全てを実践することは難しく、それよりもひとつひとつを町民が消化し、環境に配慮した観光を実践して頂きたい。ただ、満足度は決して提供している側で量るのではなく、あくまでもお客様が判断するということを忘れずにこれからも取り組んで頂きたい。この度は町民のエコ意識を高めるための研修会にお呼びいただきましてありがとうございました。(まサル


冬こそ羅臼の海へ行きましょう!


関連リンク

知床羅臼町観光協会
羅臼町

Posted by NPOエコロッジ協会 at 14:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)

スリランカにおけるツーリズムと地域振興

[2008年02月19日(Tue)]
京都府庁旧館内NPO パートナーシップセンター横会議室にて「スリランカにおけるツーリズムと地域振興」についてスリランカエコツーリズム財団会長Palitha F Gurusinghe(パリサ氏)による講演会を行いました。


伝統衣装に身をつつむパリサ氏


エコツーリズムやサステイナブルツーリズムを通して地域住民や地域社会にどういった価値を生ませることが出来るのか。住民、文化、その他の地域遺産を活用し、環境保全や工芸品等の販売等を通じての地域活性化に結びつけるその仕組みをエコロッジやキャンプ場などの事例を使い、お話頂きました。

具体的は内容は;
1)Ayubowan!スリランカの挨拶、スリランカの国について(地勢、宗教、民族、歴史等)
2)スリランカにおける外貨獲得産業ランキング
3)インバウンド観光客入込数と傾向
4)エコツーリズムにおけるエコロッジの定義と役割
5)エコロッジとは?
6)エコロッジの国際基準
7)エコロッジとキャンピング
8)キャンプサイトのチェックリスト
9)キャンプサイトの運営
10)やっていいこと、わるいこと
11)キャンピングにおける障害

スリランカはその形からインド洋の真珠と言われており、国土は6万5千平方キロとそれほど大きくありませんが、世界遺産に7箇所も登録されており、ビーチツーリズムからの脱却を図っています。大手外資系の資本が注入された結果、観光収入のほとんどは地元に還元されず、地域資産を犠牲にして「観光貧乏」となりつつある現状を打破すべく、1998年にパリサ氏指導でスリランカエコツーリズム財団(Sri Lanka Ecotourism Foundation)が設立されました。「スリランカにおけるエコツーリズムとは、環境と文化遺産保護のツールとして活用し、地域住民の経済的恩恵を最大限に確約し、真のエコツーリストの期待に応える。」と上座部仏教の教えを基盤に活動をしています。

日本で耳にするエコツーリズムとスリランカのエコツーリズムの根本的な違いは「目的」にあります。発展途上にあるスリランカの社会的問題とは、民族紛争、環境破壊、外貨流出、そして何よりも貧困です。自然が多く残る保護区近辺では特に貧困層が多く居住しており、その人たちの生活の場を観光商品として利用しているにも関わらず、その住民の生活基準向上にあまり貢献していないのです。ガイドやドライバー等の一部の雇用創出はしているものの、観光商品として提供されている地域の使用は制限され、自然の恵みに頼っている住民は更に生活が苦しくなっているのが現状です。

スリランカエコツーリズム財団では、地域住民の視点に立ち、貧困撲滅に社会貢献するエコツーリズムのプログラムを多く産出してきました。同時に国の財産である文化・歴史・自然等を保全・保護し、できる限り持続可能な利用方法に基づく観光商品の開発を働きかける圧力団体として活動しています。


参加者は学生、大学講師、一般市民が中心



FMラジオスリランカ番組DJも応援に駆けつけて頂きました


エコロッジ協会では、スリランカエコツーリズム財団の活動目的と志に賛同し、環境と地域住民に配慮した宿泊施設を増やすため精進する次第です。平日の夜にも関わらず24名もの参加者の皆様、熱心に傾聴して頂きましてありがとうございました。この場を借りて感謝の意をお伝えいたします。(まサル

【関連リンク】
スリランカエコツーリズム財団 【http://www.ecotourismsrilanka.net/

Posted by NPOエコロッジ協会 at 18:30 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(1)

地域産業との連携によるエコツーリズムへの道

[2006年07月09日(Sun)]
知床羅臼町観光協会設立50周年記念と世界自然遺産登録1周年を記念して「地域産業との連携によるエコツーリズムの道」というフォーラムが羅臼小学校多目的ホールで行われました。基調講演の後のパネルディスカッションで意見を述べる機会を頂きました。

羅臼町は玄関口の斜里町に比べ、漁業が主産業であり、宿泊施設数も観光インフラも控えめです。しかし、それがメリットになりデメリットになりうる可能性があることに触れました。

1)良くも悪くも現在の遺産効果による観光客数は比較的少なく、地域住民が一丸となれば、思い通りのエコツーリズムを導入できる。また一部の住民しか賛同していなくても、成功事例が見られれば、見向きもしなかった人々にも賛同してもらえる。
2)番屋などの漁業で使われている施設を一般に一部開放し、宿泊や漁業体験等がすぐ導入できる。ただし、景観を壊すような建築物は新造せず、本業である漁業に干渉しない期間限定にする。
3)少数の宿泊施設に滞在できるだけの収容人数を最大限にエコツーリズムを展開する。少数限定にし、客単価を上げる。ただし、都市部からの観光客の求めるサービスを提供する。
4)観光ブームが去った後でも、依存し過ぎない観光形態を目指し、本来の地域産業の育成に力点を置く。
5)大手旅行会社や町外の中大規模の宿泊施設、チェーン店、系列外食産業など地域から収益が流出する観光に依存しない。雇用はなるべく地元で行う。

この訴えは羅臼町観光協会の目指しておられるところと多く合致していたと思います。一時的な要素に流されることなく、本来の目的を長時間かけて達成してください。(まサル

Posted by NPOエコロッジ協会 at 14:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
プロフィール

NPO法人エコロッジ協会さんの画像
エコロッジリンク
https://blog.canpan.info/ecolodge/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/ecolodge/index2_0.xml