素晴らしき炭火ライフ [2009年07月28日(Tue)]
お客様から香り高いプレゼントが届きました。
杉野さんの炭を愛用して下さっている東京の佐々木様から届いた炭火焙煎のコーヒーです。 初めて「炭を40kg」という注文書が届いた時、目を疑いました。ご住所が東京、それも集合住宅の14階。何に使われるのかしら、お茶席ででも使われるのかと思いました。 それから又、40kgのご注文頂きました。 杉野さんに問い合わせたところ、「在庫はなく、これから山で木を探し、伐って、炭にすると1ヶ月くらいかかるかもしれません」とのことでした。 お待ち頂いた末、1ヶ月以上かかってのお届けでした。その間のやりとりで、煮炊きのほとんどを炭で暮らしておいでとのことが分かり、ただ驚くばかりでした。 そして、先日再度のご注文品を杉野さんが会社まで届けて下さった折、「暮らしの中で使われるとほんとに嬉しい。どんな風に使われているのだろう」のひとことに、思い立ってお電話しました。運良くご在宅で、杉野さんとお話して頂く事ができました。 煮炊きのほとんどは、「水コンロ」というものでされているとのこと。”水コンロ”なるものの存在を初めて知りました。感動して、早速ネットで検索、杉野さんと大騒ぎしてしまいました。 その数日後のことです。メールと、香り高いプレゼントが届きました。 「炭焼きやさんにも電話でお話しましたが、炭で焙煎したコーヒー豆を送りますので、みなさんで飲んでみてください。 今、主人が煎っています。 今回の『かしの炭』は火力が強いですね。火鉢ででも煮炊きができそうです。 ではでは、また引き続き炭をよろしくお願いします。 」 ![]() 「鶴田さま メールありがとうございます。 書き忘れましたが生豆はウインドファームのブラジル産の『有機栽 培 ジャカランダコーヒー』です。 煙がもうもうの焙煎中の写真を貼付しますので見てください。 ではでは p.s.ついでのときに杉田さんに、いつ頃炭ができるのか聞いていただけると助かります。 炭がない生活はむなしい感じです。 では、よろしくお願いいたします。」 コーヒーは、香りがよく、さらっとして、濃くのある味で、社内でも大好評でした。 杉野さんにお送りしたところ感想が携帯メールで届きました。 「この地で育った樫が、私の手で炭になり、鶴田さんのご縁で東京に行き、こんなに素晴らしいプレゼントに形を変えて戻ってきました。心から嬉しいです。 苦しいけど、この仕事を続けて良かったです。 早く伝えたくて、携帯メールにしました。」 喜びの深さが感じられ、とても嬉しかったです。 今時、育った山も、作った人も、商う人も、使う人も、みんな分かる商品が、どれほどあるでしょう。本当に、うれしい循環です。 都会で、ほとんどすべてを炭で? 炭の暮らしは、今やとても遠いところにあります。でも、それが東京の、14階で可能なら、もっと私たちは炭を楽しめるかもしれない・・・、そう思ってお話をご紹介させて頂きたいとお願いしたところ快諾して下さいました。 「鶴田さま おはようございます。 日常的な炭の文化が広まって、炭を焼いて生計が成り立つと幸せですね。 ブログの紹介よろこんで、です。」 お住まいは、集合住宅の14階の最上階で玄関側が吹き抜けになっていて、周りも公園であるので、気兼ねなく使えるそうです。 ![]() 「炭火でおいしいなあと思うのは、魚やイカ。天ぷらもカラッと上がり油がへたりません。 次の炒め物に十分使えます。 煮豆など時間のかかるものは乗せて別のことができるので便利です。 ![]() 毎日のパンのトーストや、コーヒーのお湯などもおいしいとおもいます。 のりもちょっとあぶったり、部屋がいか焼きで臭いときは、お茶などを煎ってほうじ茶にします。 ![]() 写真はありませんが、昨日火鉢で糀とご飯で甘酒に挑戦してみました。 60度から70度にキープでき1日で出来上がりました。 夜そのままで、朝50度ほどに下がっていましたが、炭を2個ほど足して温度をあげて無事甘い甘酒になりました。 今までは炊飯器の保温状態でふたを開ける方法だったのでうれしいです。 ガスコンロは、忙しいときや麺を茹でるときに使います。 今年から高校のお弁当がなくなったので、優雅に炭火です。 灰ですが水コンロは意外とたまります。 植木鉢にいれたり、公園の花壇にこっそりまいたりしています。 花さか爺さんの昔話のように花がよく咲きます。 ちょっとびっくりしました。」 等々、優雅な炭火暮らしをお伝え下さいました。 我が家も炭火焼きが好きで、七輪でよく焼き物をします。ごく普通の油揚げが、上等の逸品に変身して感動します。今度は水コンロに挑戦したいです。 炭は、一酸化炭素中毒が怖いので、気密性の高い集合住宅は、換気に気をつけなくてはいけませんが、災害時に電気が止まった時は即、防災グッズになります。 都会の事務所で座って仕事をした気になっているだけでは、と申し訳なく思えるほど、一生懸命炭やきに邁進されている杉野さんのお話を伺うと、炭やきは文化だと思います。 手間と先人の知恵がぎっしり詰まった炭が普通に楽しまれるようになり、炭やきを生業とできる人が増えて欲しいと願うばかりです。 |