干し柿づくりであらわれたI名人。
腕は一流ですが、ひとに教えることはできません。
そんな名人との会話をいくつか。
○干し柿のひも結び
「ほら、かんたんでしょー」
とひものむすびをちゃちゃ。
「ちょ、ちょっともう1回みせて」
「だからぁ、簡単だって。ほれぇ」
とまたちゃちゃっと、誰もついていけないスピード。
「ねえ?」
「もう1回だけみせて、お願い」
「だからぁ、これをこうしてこうしてほれ、ね?」
とまたちゃちゃっと、誰もついていけないスピード。
「・・・(こうしてこうしてじゃなくて、上とか、間を通すとか言ってほしいんだけど)」
○干し柿をもむ
「干し柿を早く食うにはさあ、手でもんどくとすぐ食えるんだよ」
「すぐってどれくらいのやつならいいの?」
「だからぁ、すぐだっての」
「昨日干した柿も揉んだら明日食べられる?」
「だからダメだって。3日くらいたたないと」
「・・・(3日か)」
○干し柿を何個つるすか
「このひもの長さだと柿は何個吊るせますか?」
「何個でもいいよぅ」
「風通しの間隔とかないんですか?」
「そんなのねぇって」
「じゃあ4個つるしましてみました」
「それじゃあ少ねえって」
「じゃあ7個つるしてみました」
「それじゃあ多いって、ね?」
「・・・(5個か6個か)」
このような会話を重ねるうち、エコアパ住民の皆さんは聞き上手になり、コミュニケーションの達人になっていくのです。
名人芸だけでなく、会話の訓練もしていただき、ありがとうございます。
ちなみにこのI名人、人気アニメ「ONE PIECE」のチョッパーに似ています。