エコアパPT平田です。
被災者の生活復興に向けての動きが始まっています。
関西広域連合(2府5県)は「避難所ごと・地域ごとの一時避難」を提案しています。
さらに今後は、住宅再建にむけての取り組みも始まるでしょう。
その際、これまでのエコアパPTの経験から、これから住宅再建に関るみなさまに2つご提案させていただきたいと思います。
■1・自然エネルギーの活用が可能な設計について
住宅の再建は急務でありますが、同時に今後の社会では省エネが「前提」になります。建物を建てる際に、家庭で不要な電気を使わないような工夫をしないと、建物は30年以上無駄を出し続けます。それほどコストのかからない省エネ対策のポイントをご紹介します。
エコアパでは1/3〜1/2の電気量が削減できていますが、ものすごいハイテクな技術や高価な設備を入れているわけではなく、下記のようなポイントを複合的に取り入れています。
○通気
南北の窓の配置、天窓など温まった空気が抜ける仕組み
○太陽光
南に大型の窓の設置。夏に太陽光が入らないようにひさしの設置。西日を避けるためのグリーンカーテンプランターの設置など。
○断熱
サッシの2重化、断熱材の充実。
○(オプションで)
そよ風の設置ダンパーとファンを動かすだけの電力で使える暖房器具としては非常に優秀です。基礎工事など構造が異なります。
■2.住まい手の暮らしぶりに配慮した設計を
最も重要かつ設計者が忘れがちなのが、そこに「人が住む」ということです。
当たり前ですが、住宅だけがあればよいのではなく、食べ物を買う場所、医療、人と人がコミュニケーションできる場が必要です。
医療難民・買い物難民が生まれないような、地域一帯の設計が必要です。またコミュニティスペースのようなたまり場も、住まい手同士のコミュニティ形成には重要です。
いち組織が行う範囲は超えていると思いますが、行政や複数の組織での提案は可能かと思います。
○コミュニティスペースと掲示板の設置
屋根があり、ベンチとテーブルがあり、買い物や医療などの情報が得られる掲示板をセットで設置します。大きなものではなく、小さなものをたくさん設置して、住まい手が自由に情報交換できるインフラにします。
○外部NPOとの連携
コミュニティスペースにNPOからの情報などを提供してもらうように依頼することで、外部との多様な連携をする窓口になります。
自然エネルギー発電への補助、カーシェアリングの制度など、まだまだ仕組み化できるものもたくさんあるかと思います。
地域再生において住宅は重要なストックです。住まう人が孤立してしまう、維持に膨大なコストがかかるのでは、中・長期的に住まい手の皆さんの足を引っ張ることになります。
特に住宅については、初期の設定がのちのち大きな影響を与えますので、ぜひご参考ください。