(写真はエコアパTのもの)
エコアパUの物語は、台所から始まります。
このコンセプトは、エコアパTと同じ。
台所の南側にある窓越しに小さな畑が見えて、畑から食材を採ってきたり、野菜くずを土に埋めたりすることが出来ます。
外に出ると、お隣さんがちょうど帰ってきたところで、今晩のおかずなどの世間話をする。
「そういえば、醤油切らしちゃっていて、ちょっと貸してくれない?」
なんて会話もエコアパTではあったようです。
そんな風に、家の中から外へいざなう仕掛けを「場外乱闘する仕掛け」としてデザインしました。
その一方で、住まいがいつもいつも開かれていては、しんどくなることもあります。自分の空間はしっかりと確保したいものです。
外へ広がる空間と、ゆったりできる閉じた空間。
ふたつの異なる空間を、どうやってバランスさせるか。
エコアパUの当初のアイディアは「平屋」でした。
土地の限られた都会では、タワーマンションなど、上に上にと建物がいくなかで、あえて平屋というのは贅沢感があるし、階段が省けるなどコスト面でも理にかなっていました。
しかし限られたスペースの中で、広がる・閉じるのバランスを考えたときに、同じ平面ではちょっと実現しにくいことから、断念しました。
「やっぱり、屋根裏部屋みたいな、自分だけの空間はほしいよね」
ということで、今回も室内2階建て(メゾネット)になりました。