エコアパート温度調査結果 [2011年05月05日(Thu)]
工学院大学の中島です。 ブログへの投稿は初めてですが、EcoLIVESの運用実験や住まい方とエネルギー消費に関する研究調査などで、エコアパートにお住まいの皆様方には建物竣工前から色々と大変お世話になっています。 さて、もうだいぶ暖かくなってきましたが、この冬はH家の居間にも温湿度センサを設置しましたので、アパート各棟の温湿度と比べてみた結果をご紹介させていただきます。 グラフは2月22〜23日の2日間で、5邸の居間温度に加えて外気温と日射量のデータも記載しています。この2日間は、夜間は気温が2〜3℃まで下がる寒い日ですが、日中の天気は快晴です。 これを見ると、H家(水色)が暖房をつけて室温を20℃以上に維持していても、就寝時に消した後は急激に下がり、明け方には10℃以下まで下がっていることが分かります。 一方、エコアパートの各棟は、暖房で温度が上がっている時間帯も見られるものの、温度が下がる明け方でも15℃以上を保っています。 これは、断熱性の高いつくりのため熱が逃げにくいこと、南側の窓から昼間の日射を取り込んで床や壁に蓄熱すること、そしてそよ風によって床下のコンクリートにも太陽の熱が蓄熱されること、これらの相乗効果によるものと言えます。またH家の室温が他の棟よりも高めなのは、壁や床が冷えていて、室温よりも体感温度が低く感じられていることが推察されます。 エコアパート各棟のエネルギー消費量は、関東地域の調査例(平均延床面積80m2/生協総合研究所調査報告書)と比べて約4割も小さくなっています。もちろん床面積の違いもありますが、一般住宅の年間エネルギー消費の約1/3を占める暖房エネルギーが、建物の工夫によって大幅に節約されていることが大きな要因の1つと言えるでしょう。 最近、エコポイントなどで新型の高効率設備ばかりが目立っていますが、まずは家本体にお金をかけることが、結果的にはエコで快適な住まいにつながると言えます。 |